マーケティングを勉強していくと、心理学との関わりが強いなぁと感じる。
〇〇効果、△△の法則が働いているなど、マーケティングを勉強すると色々な心理効果の事例で解説されることが多い。
人が行動を起こす時に働く心理効果を知り自分にも当てはめてみると「なるほど」、「確かに!」と考えさせられることが多い。
【マーケティング、使える、心理効果】って検索すると結構出てくる。
マーケティングと心理学を強く結びつけたのが行動経済学という分野を作りノーベル賞も受賞したダニエル・カーネマンの功績も大きい。
誰!?って思う人もいるけど、書店に行けばダニエル・カーネマンが提唱した行動経済学を元にした考え方の本は沢山出ているくらいすごい人!
今日は事前情報によって無意識に意思決定が誘導される心理効果について。
目次
■人は過去経験に誘導される
⚫︎無意識に働く意思決定
人は過去の経験や情報に流される傾向がある。
特に悪い経験や情報は無意識に拒絶反応という行動になると言うった悪い部分もある。
例えば、
過去に強烈な印象があるトラウマになった人がいた場合、似たような容姿の人がいると中身は全く違うのに無意識に拒絶してしまう。
自分の場合は小学生の頃、毛深くて暑苦しい担任にやられた嫌がらせがトラウマで毛深い人と、汗っかきの太った人がいると、今でも無意識に距離をとってしまうことがある。
今だに自分の半径30cm以内に毛深い人と汗っかきの人が接近すると気分が悪くなる。
#満員電車はマジで地獄
誰でも何か思い当たることがあることだけど、過去から得た情報が全く関係のない現代の判断に影響し、それが無意識に働いていることがある。
このように特にネガティブな経験や情報は無意識に拒絶という行動に変わることがある。
過去と現在、状況が変わったとしても、過去に引っ張らられる。
過去に嫌がらせをした人はどんなに変わっても、過去に嫌がらせをされた人は覚えている。
過去に裏切られた経験がある人は裏切った人をずっと信用しないのも同じかもしれない。
業界関係者に一度嫌われたら、どんなに今がいい人でも関係が改善しないのも、過去の経験が今を拒絶している証でもある。
⚫︎プライミング効果とは?
過去のネガティブな経験はその後の判断や行動に影響すること誰もが経験をしていることだと思う。
プライミング効果とは、あらかじめ受けた刺激(情報)によって、行動が無意識に影響されること。
「前もって教え込む」という意味の英単語・プライムに由来している。
簡単に言えば、事前に見聞きしたことがその後の判断や行動に影響を与えるといこと。
例えば、
子供の遊びで10回クイズ。
シャンデリアを10回言ってもらったあとに、「毒リンゴを食べるのは?」と質問。
答えは、白雪姫なのに「シンデレラ!」と答えてしまう。
暑い日が続く中、たまたまテレビCMで美味しそうに炭酸水を宣伝していたら、いつもは飲まないのになぜか炭酸水が飲みたくなる。
プライミング効果は、よく水曜のダウンタウンの企画で使われることが多い。
代表例だと、『打ち合わせ中に隣の部屋からカレーの匂いを送り続けたら、その後全員カレーを食う説』とか(笑)
プライミング効果は受けた本人に自覚がないと言うことが重要。
まさに行動を誘導することができる!
あらかじめ与えられる刺激を「プライマー」、プライマーによって影響を受ける後続の刺激を「ターゲット」と言う。
カレーの匂いを嗅いだことでカレーを食べたくなった場合、「カレーの匂い」がプライマー、「カレー(を食べたい気持ち)」がターゲット。
広告はまさに、ターゲットに向けてプライマーである広告主が事前に情報をインプットさせる戦略だよってことだね。
■実験でも証明された行動
自分は誘導されないと思っている人は注意。
権威に騙されるというのも、まさにプライミング効果の一種で、「〇〇大学卒業=凄い人」という意識が相手の見る目を変えてしまう。
関連⬇️ 権威に騙されるな!
⚫︎実験で証明された行動
実験①
被験者にクッキーを食べてもらうとき、
- グループA:部屋には洗剤のかすかな香り
- グループB:部屋は無臭
【結果】食べたあとで机の上の食べかすを掃除する人が、グループAはBの3倍だった。
実験②
被験者に力仕事をしてもらう前に、
- グループA:スポーツドリンクをチラ見せしておく
- グループB:見せない
【結果】グループAの方が忍耐強かった。
実験③
若い被験者に「物忘れ」「孤独」など高齢者を連想するキーワードを盛り込んだ人物描写を読んでもらう。
【結果】読んだ直後の歩行スピードが、同年代の人より明らかに遅くなった。
3つの実験に共通しているのは、影響を受けた人たちになぜそうしたか、そうなったかを尋ねても「なんとなく…」としか答えようがないということ。
普段とは違う(一般的ではない)行動をしているのに、その自覚がまったくない。
■プライミング効果の活用
プライミング効果のことがある程度理解できれば活用もできる。
⚫︎日頃の言動や行動で洗脳
ポジティブな人にはチャンスが多いと言われるけど、実際はチャンスは平等にある。
ただ、3つのパターンに分けられる。
①チャンスを見つけられ形にできる人
②チャンスそのものを見逃す人
③チャンスがあっても対応できない人
多くの場合、②③が多い。
ネガティブな言動や行動が多いと、当然「負の力」が働くことで、そもそもチャンスが遠ざかる。
「きっと○○できる」「○○になりたい」といったポジティブな言葉は自分の記憶に影響を与え、前向きな思考・行動を形づくると言われている。
反対に、「どうせ無理だろう」「できないかもしれない」というような口癖や思考が習慣化すると、プライミング効果がネガティブに働き、目標の実現が遠ざかっていってしまう。
日頃の何気ない言葉や行動の1つ1つがその後の意思決定やチャンスに影響するよってことだね。
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⚫︎口癖を変える方法
口癖を変える方法としては良いとされていることとして、「口癖にしたい言葉を、よく目にする場所に貼る」がある。
特に、リラックスできる場所では、潜在意識の働きが活発化しやすいトイレの壁などは、言葉の刷り込み効果が高まるみたい。
よく受験生の部屋に掲げる「〇〇大合格!」というのは、自分の意識を変える方法としては有効。
普段の生活で目にする場所に、目標などを掲げると無意識に自分が「できる」というマインドに変わっていくというのは有名な話でもあるね。
自分の場合は、縁起を担ぐことが多いから縁起物コーナーを必ず目にする場所におくことで、「今日もきっといい日になる!」って無意識に思わせるようにしている。
だから、我が家は縁起物でいっぱい(笑)
⚫︎集中力を高める環境作り
集中力を高める方法としても、プライミング効果は活用できる。
過去に「集中できた」と感じられた環境・時間帯などを記録しておくとよい。
プロスポーツ選手のルーティンはまさに集中力を高められる行動を自分で決めることでパフォーマンスを上げる手段。
自分が集中できる時間、音楽、場所をあらかじめ知ることでプライミング効果によって「自己暗示」がかかり、同じ条件下で自然と集中できるようになっていく。
■自分にあった方法を見つける
自己暗示をかける上で重要なのは自分が最大限パフォーマンスを発揮させるためには、ポジティブに思える環境を自分で作るしかない!
無意識に行動できるように情報を前もってインプットさせることは良いことにも使えるけど、ネガティブなことにも引っ張られる。
過去に裏切られたことがある人は人を信用できなくなるのと同じように根が深い問題。
過去のネガティブな体験や情報が自分の行動も変えてしまう。
ただ、これからを生きていく自分にとっては悪い過去に引っ張られることは自分にとってもデメリットになることがある。
人は大きくは変わらないけど、過去のトラウマで全てを拒絶してしまうのはよくない。
過去は過去、現在は現在と割り切って判断できるようになればいいけど、こればかりは改善が難しい。。。
まずは自分にできる改善からスタート!
その1歩が良い方向に向かう最初の1歩だね!