世界各国でウィグル自治区の人権問題のニュースが流れ欧米諸国は中国に対して経済制裁等を行なっている。

一方日本は恵まれた環境の中で生活をしているため、そもそも非現実的な生活を送らなければいけない人達が存在について「本当!?」と思うだけで結構他人事。


実際にウィグル自治区で何が行われているかを体験した身からすると、TVで流れる情報は本当だし、わかりやすく言えば今や経済大国中国。

ウィグル人も当然中国人として扱われるけど、人件費で言えばバングラディッシュと同等もしくはそれ以下の環境。



その人権を無視した労働環境の恩恵は実は日本人全てが受けていることを知らない。

この現状を知った上で、他人事と思えるか?



■ウィグル自治区の恩恵

⚫︎ウィグル自治区

ウィグル自治区の場所。


ロシア、モンゴル、インド、カザフスタンの間に位置していて、元々はイスラム教を信仰する民族が多く顔もどことなくホリが深いハッキリした顔立ちで、美人が多いエリアとも言われている。


地図を見ると中央アジアの位置で隣り合わせの国を見ていると圧倒的に中国本土と接触し、海までも遠い地区ということもあり経済が発展しづらい貧しいエリア。


ウィグル自治区へは北京からの直行便はあるものの上海からは中国国内をトランジットしなければいけない不便な場所になる。

上海から荷物を陸送で運ぶと最低でも1週間以上かかる。


経済が発展しない貧しいエリアは、近隣の経済大国からターゲットにされやすい。

情報もなく、仕事もない。

生活するためには経済大国の指示に従って、決められた日給で強制労働させられても、低い日給で働いているということすら知ることもできず毎日を過ごす環境。


日本では考えられない環境。


⚫︎中国製 綿製品 約85%〜90%

ウィグル自治区には広大な敷地と仕事がない人が大量に溢れかえっている。

そこで育てられているモノが新疆綿。


世界三大綿糸と言われ、肌触りや独特の風合いを持つ綿で幅広い綿製品に使用されている。


新疆綿の大きな特徴でもある肌触りを作っているのはひとつひとつ手作業で管理し、小さなゴミなどを綺麗に処理敷いていることで綺麗な綿糸が作ることができている。


そう、ひとりひとり手作業。

その作業をしているのがウィグル自治区の人達。

産業がなく人が多いからタダ同然の日給で働かさせてできた綿が世界三大綿糸と言われる新鏡綿ってこと。


最近エコ素材として話題になっているオーガニックコットン。

肥料を使わずに手間暇かけて育てられたオーガニックコントンの産地もウィグル自治区。

自然に優しい方法で、手間暇かけて育てた素材がエコの精神という。

その手間暇をかけている働いている人がウィグル自治区で生活をしている人。


ちなみに、中国で作った綿製品の85〜90%が新疆綿。

当たり前のように着ている、使っているモノがほとんどウィグル自治区で作られたモノってこと。


ウィグル=新疆 って思えばもう少し身近に感じると思う。


■新疆綿の規制


⚫︎世界各国ブランドが規制

最近ユニクロの製品がアメリカで輸入規制されて話題になったと思う。


中国製綿糸の85〜90%が新疆綿であれば、綿製品を作った段階で「新疆綿ではない!」といったことはほぼ不可能に近い!


高品質低価格のユニクロやしまむら。

オーガニックコットンで自然に優しい良品計画。

その低価格高品質の裏で苦しむ人の恩恵が今の日本の生活を支えている。



⚫︎あまり知られていないH&Mの輸出規制

世界的大企業H &Mは実は環境保護に最も力を入れている企業でもある。


ルイヴィトンなどの世界的メゾンやアディダスなどのスポーツブランドも加盟しているBCI cotton協会の中で1番世界貢献しているのがH&M。


BCI cottonを簡単に説明すると、綿花を通常値段の約10%高く買うことで少しでも綿花を育てている農家が儲かるような取組みで、高く買った綿花のポイントを最終製品に付与していくことで、年間幾ら分を通常綿花より高く買ったかが見える。

このBCI協会には賛否はあるけど、手間暇かかるため高額になり流通量が少ないオーガニックコットンよりは多くの綿花農家を救う取組みの1つ。

ちなみに日本で小売業として登録しているのはユニクロとアシックスのみ。


これが日本の現実で、環境配慮というトレンドに乗っているだけで、本心では結局値段が高くなるなら嫌だというのが日本人。



そんなH&Mは人権問題には非常に厳しい。

ウィグル自治区での人権問題に対して真っ先に反対を表明した企業。

その結果。。。中国からの輸出規制!


中国政府の逆鱗に触れ、H&Mの中国製品は中国国内からの輸出を突如禁止された。

それの現状を知っているからユニクロも良品計画も新鏡綿について発言を求められても反対を表明できないというのが実情。

良品計画は「新疆綿を使っている!」とH&Mが規制されてすぐに発表した!



■ 「新疆綿を使いません!」

⚫︎ユニクロが明確に表明できない理由


「新疆綿を使いません!」と表明するということは、「中国で作る綿製品は作りません!」と言ったことと同じこととなる。

中国政府の規制が怖くて発言できない!

それ位、日本企業は中国製品への依存度が高く、人権問題は悪いこととわかっていても、綿製品がなくなれば会社が傾く位の打撃になることも理解しているから発言を濁すしかない。


僕たちも他人事と思っていても、普段使うユニクロ綿製品や良品計画のオーガニックコットン商品が店頭からいきなり無くなったら、困るという人はかなり多いと思う。


ウィグル自治区で作られている新疆綿。

その恩恵を知らず知らずのうちにみんなが受けている。



⚫︎わかってはいるけど、、、

綿製品がない生活は想像できない。

身の回りの製品が全てポリエステルなどの合成繊維で生活できる人はかなり少ない。


それ位身近な綿製品。

中国で作られた綿製品を全て無くして生活するというのはほぼ不可能に近い。

少しでも「この安い商品はウィグル自治区の人達の強制労働の恩恵」と意識することで、簡単にゴミとして製品を捨てることは少しでも少なくなればと思う。



■ウィグル自治区中国政府規制

⚫︎体験談

以前、販促物としてお客さんに配る数十万枚の商品を作る依頼があった。

求められる値段は恐ろしく安い。


販売価格は約400円。

同じものを中国で普通に100枚作ったら2500〜3000円は軽くしてしまう。

同じ中国国内で、同じものを作っても数量が異なるとこれ位値段は変わる。


自分が行き着いたのはウィグル自治区。

バングラやミャンマーなどの途上国で作る値段よりも安い。

現地視察には中国国内からでも行くのに1日、帰りで1日と最低3泊が必須ってこともあり、現地日本人に2度行ってもらった。


当然空港についてすぐに中国政府関係者の監視が始まり、当然現地ではカメラ撮影は厳しく注意される。

夜はウィグル自治区政府関係者との食事は自動的にセットされ根掘り葉掘り聞かれる。


ホテルから工場までは約40km。

でも片道でかかった時間は約4〜5時間。


5㎞おきに中国政府の拳銃を構えた人達に検問とその都度荷物確認と毎度お馴染み現地撮影禁止の指導。

工場までにだどり着くまでに検問が最低でも8回。

この状況こそが中国政府がかなりの人をかけてウィグル自治区を規制している証拠。



現地工場につくと、工場内の撮影だけはOKされ確認すると明らかにイスラム系の人が多い。

そして何より20代〜30代までの若者が異常に多いという現場。

現地視察スタッフに後から聞いた情報だと工場同敷地内に頭を丸めた中国人らしき人が大量に作業をさせられたいたとのこと。。。

中国に住んでいる日本人ですら恐怖を感じる環境だったと後から聞いて本当に驚いた。


それまで新疆綿は知っていたけど、ここまで劣悪な環境だったとは想像もしていなかったけど、やはり安いということには理由があるということ。

その時は仕事として割り切っていたけど仕事の後味の悪さがずっと残りやめた。



高品質低価格の流れを考えると消費者ファーストといった安易な結論は出せない。

高品質低価格の裏では世界のどこかで想像できない位人権を無視した人達が支えているという現実を目の当たりにするとあまり安い商品は買えなくなる。



今流行りのワークマン。

中国製品なのにユニクロよりも機能があって安い商品が並ぶ。


なぜか?


ユニクロより店舗数もないから当然発注数量も少ないのに値段は安い。

しかも中国製。


その答えば日本では考えられないような場所で作っているからだからね!ってこと。

※全部ではないけど結構ある


安いには必ず理由がある。

理由を辿ると必ず納得できることがある。

ワークマンが持てはやされているのニュースを見ると、そんな作り方をしているのを知っていても見て見ぬ振りをしている企業スタンスで大丈夫?って思う。



安さを追求した結果、道徳感情を無くすような商売は消費者は喜ぶかもしれないけど企業スタンスとしては好きではない。