面談や面接、プレゼンや講演、エンタメの設計、さらには顧客満足度を上げるなど「相手に興味をもってもらいたい」「好印象を持たれたい」と考える機会は非常に多い。
「記憶に残る」
「好印象を与える」
「興味を持ってもらう」
印象の作り方で重要なのが、最初と最後。
最初だけ良くても好印象は続かないし、終わりだけ良くても続かない。
印象に関わる心理効果はいくつもあるけど、1番基本となる考え方。
「終わりよければ全てよし」と聞くけど、これはあくまで結果論で多くの場合はその前の印象や結果が悪く大逆転で終わったことをあわらしている。
このような印象や結果が逆転するケースは少ないし、さらには逆転させなければいけない状況になってしまっていることが問題。
1番いいのは最初から最後まで印象、結果がよいという状況を作り出すこと。
印象作りの基本として言われているのが、
初頭効果と終末効果。
この効果を知った上で、面接や商談、漫才や映画を観察すると印象に残す方法として「なるほど」と思う。
■相手の印象は最初と最後
⚫︎初頭効果と終末効果とは?
人は一連のプロセス全てを均等に見て判断するわけではなく、通常は最初と最後の印象に引っ張られる効果が初頭効果と終末効果。
初めの印象がよくなければ、そもそも興味すら持たれない。
興味を持たれないということは、集中して話を聞く、受け入れる状態ではないということ。
興味があることは集中して話を聞く。
一方、全く興味がないことはすぐに眠くなるのは集中力が続かないから。
面談や面接で終わりよければ全てよしとなるケースが少ないのは、短時間で判断しようと思うと必然的に最初の数秒の印象が大切。
最初の印象がよい人には興味を持つから話を聞く体制になる。
一方、どんなに凄い人でも最初の印象が悪かったら話を聞いてもらえる体制にない。
だから第一印象を作るための挨拶が重要となってくる。
関連ブログ⬇️ 初頭効果;挨拶の重要性
⚫︎相手の興味が集中する時間と関係
自分に当てはめて考えて欲しい。
興味、関心がある話や話題は長く集中できる。
一方、興味、関心がない話や話題は集中できる時間が極端に短い。
例えば、
世界中で何度も上映されている映画の007シリーズ。
この映画を見たことがない人で映画で使われている音楽は印象に残っていると思う。
007シリーズは、音楽で最初にサビ部分をいきなり展開するのは初頭効果を狙った戦略。
1時間〜2時間以上、時間を拘束するような映画などのエンタメの有名作は最初と最後の印象、さらには定期的に感情の山を作ることで関心を惹きつけるテクニックを多用する。
長い時間拘束されているのに、
「あっという間に終わった!」と思うエンタメは、感情や場面設定を効果的に作り、興味、関心を惹きつけ集中させることに成功した作品が多い。
⚫︎集中力の山を意識する
初頭効果、終末効果の大切なことは、人の集中力は「長く続かない」「一定に保てない」ということを意識しなければいけない。
印象に残すとは相手が集中している時間をどうやって作り出し、集中している時間に何を与えるかのバランスだと思う。
相手が集中していない時に、どんなに正しいことを伝えたとしても響かないし印象に残らない。
相手に印象を残すことは、まず相手に興味、関心を持ってもらい集中してもらうことから始まる。
この相手に対する興味、関心の度合いが印象に残るか否かになる。
■ビジネスで使われる戦略
⚫︎アンカリング効果
初頭効果を活かした戦略の1つがアンカリング効果。
自分も含め「お得かも」と思ってしまう印象操作で人の行動心理巧みに利用している。
販売価格に元値が記載されていて赤字で今の価格を見た時に、その価格差でお得と感じてしまうということ。
最初に目がいく元値から安くなっているように記載されるているとなんとなくお買い得と感じる。
関連ブログ⬇️ お得と思わせる印象操作
⚫︎フロントエンド、バックエンド
集客と売上を作る代表的な手法でもあるフロントエンド、バックエンド戦略も初頭効果。
ドラックストアの定番の戦略でもある戦略で、顧客の注目を得るために入り口付近には、お買い得商品を用意し集客をし店舗に誘導する。
お客さんはすでに1点お買い得商品を手に持っており店内に入ってしまい「日常品のついで買い」をしてしまう。
結果、買う気もなかった商品を何故か次々と買っている。
お客さんに対してファーストアプローチになる初頭効果は結構色々なところで集客の方法として使われている。
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■重要なのは集客からのリピート
⚫︎初頭効果より終末効果
初頭効果はビジネスでは集客などのPRに起用されることが多い。
これはお客さんに興味を持ってもらうための『きっかけ作り戦略』。
重要なのは興味を持ってもらった後。
企業の役割はお客さんの獲得と同時に継続。
顧客からファンになってもらうこと!
ファンになってもらう為に使われるテクニックが終末効果。
お客さんが1番印象に残ることは、実は最初でも途中でもなく最後。
最後の印象が強烈に残る。
例えば、
美味しい調理を堪能した満足して気分がよかった後にレジで店員の対応が悪かった場合、その店の印象はすごく悪くなる。
店内は綺麗で清潔感があり満足していたのに、帰り際入ったトイレが汚かったらその店の印象は悪くなる。
一方、高級旅館では当たり前のスタッフ総出のお見送り。
お客さんは凄く気分が良くなり、また行きたいと強く思うようになる。
ファンサービスの一環でアイドルや役者が舞台後の出口でファン1人1人に挨拶するのも最後の印象が強烈に残り「また行きたい」と思う。
このように小さい規模の場合は当たり前のようにできていた終末効果が規模が大きくなると集客だけに目が行くことが多く、最後の印象作りを疎かにしている場合が凄く多い。
実は1番大切なのは最後の対応。
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⚫︎企業あるある
企業あるあるの1つで商品やサービスを購入することばかり注力をあて、1番重要な商品、サービスの購入後のアフターフォローを一切しないところが多い。
本来は、商品、サービスを購入してもらうことが始まりであって終わりではない。
そして、購入後対応がファンに繋げる唯一の方法なのにどうしても購入してもらうことだけ注力してしまう傾向がある。
ファンの獲得が売上安定の必須条件だとはわかっていても、目先の新規客に振り回される企業の特徴はブランドが育たない。
ブランドが育たなければ、売上は安定しないし当然利益も安定しない。
ファン作りを目指す場合、1番重要なのが終末効果だと思う。
関連ブログ⬇️ ファンとの関わり方
■初頭効果と終末効果の併用
最初の印象をコントロールしなければ興味すら持ってもらえない。
そのために必要なことは最初の印象作り。
ただし、最初の印象作りは興味を持っただけにすぎない。
興味や関心が薄い人に対しては最初のインパクトを重視する初頭効果を意識し、すでに興味、関心を持っている相手であれば徐々に盛り上げて、最後に印象を残す終末効果を意識する。
この戦略的準備が印象操作のテクニックの基本と言われている。
「終わりよければ全てよし」
よく聞く言葉だけど、興味、関心を持ってもらえなければ始まりもない。
始まりの印象だけ良くても終わりが残念だと一次的な結果でしかない。
初めと終わりどちらも大切だけど、今後特に注意しなければいけないのは終わりだと思う。
最後に雑学
ウィキペリア先生の情報では、
『終わりよければ全てよし』(おわりよければすべてよし、All's Well That Ends Well)とはシェイクスピアが1603〜1604年に書いた戯曲みたい。
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