後悔してることなんて数え切れないほどあるけれど、中でも思い出すのは、あの日、チョコレートを一緒に食べなかった事だ。
最後に兄に会えた時、夕飯後にチョコレートを食べようねなんて話していたのに、夕飯が遅くなって、チョコレートを食べるのを止めてしまった。
兄は食べないの?と聞いたけれど、私は太るから止めとくよ、と答えて結局食べなかった。
兄は少し残念そうにしていた。
兄が亡くなってから、そのチョコレートを見ると、今でも何で一緒に食べなかったのかなと思ってしまう。一粒食べても食べなくても、大して変わりはないのに。それよりも、二人で美味しいねと笑い合える方を選べば良かったのに。
でも、その時は、この帰省が兄に合える最後の機会になるなんて、思っても見なかった。次もその次も、まだまだ何十年先までも、会えるものだと思っていた。でも現実は違っていた。
もっと他に悔やむべきことがあるのだろうけど。こんなことさえ後悔してしまう。