灯台 真実 溺れる【習作】 | ぽんちゃんDIARY☆

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2015年3月に甲状腺全摘、両側頸部リンパ郭清手術を受けました。
甲状腺癌の経過は良好ですが、50代になり更年期その他諸々の不調に奮闘しています。
最近は病気や健康面の記事が多いですが、あくまでも個人の記録なので参考程度に見て頂ければ幸いです。

星一つない夜の海に、明滅する灯台の光だけが木霊していた。

 

消滅に合わせて瞼を閉じると、

私の瞳は常に光が溢れていた。

 

生成に合わせて瞼を閉じると、

私の瞳にはただ闇だけが広がっていた。

 

光の明滅は規則正しく続いているのに、

タイミングが少しズレれば私の見ている世界はまるで別物になるのだ。

 

 

光だけの世界、闇だけの世界に自分の瞳をチューニングしながら、

ほんの僅かなズレで各々の見ている世界、真実が変わってしまうことについて思いを馳せていた。

 

私が信じたい世界は一体どちらなのだろう。

 

しばらく目をつぶった。

眼球の奥に仄かに温かみが広がり、瞳が窒息していった。

その心地いい窒息に睫毛が震えた。

 

目を見開く。

私は自分の信じたいものを見よう、見たいものを信じよう。

睫毛の先から零れ落ちる滴りに灯台の光が乱反射した。