星一つない夜の海に、明滅する灯台の光だけが木霊していた。
消滅に合わせて瞼を閉じると、
私の瞳は常に光が溢れていた。
生成に合わせて瞼を閉じると、
私の瞳にはただ闇だけが広がっていた。
光の明滅は規則正しく続いているのに、
タイミングが少しズレれば私の見ている世界はまるで別物になるのだ。
光だけの世界、闇だけの世界に自分の瞳をチューニングしながら、
ほんの僅かなズレで各々の見ている世界、真実が変わってしまうことについて思いを馳せていた。
私が信じたい世界は一体どちらなのだろう。
しばらく目をつぶった。
眼球の奥に仄かに温かみが広がり、瞳が窒息していった。
その心地いい窒息に睫毛が震えた。
目を見開く。
私は自分の信じたいものを見よう、見たいものを信じよう。
睫毛の先から零れ落ちる滴りに灯台の光が乱反射した。