" 序の舞 "
監督 中島貞夫
原作 宮尾登美子
出演 名取裕子
風間杜夫
三田村邦彦
水沢アキ
成田三樹夫
佐藤慶
高峰三枝子
三田佳子
岡田茉莉子
***
貧農の娘茉莉子は
1858年(江戸255年/265)9歳の時 養女に出された
養家 島村家は京都市で葉茶屋ちきりや を営んでいた
呉服屋ちきりや は葉茶屋ちきりや の主家であった
呉服屋ちきりや の内儀は三枝子といった
茉莉子が18歳の時 徳川幕府が倒れ
明治2年 養父母が相次いで世を去った
明治3年 婿養子を迎えたが
明治8年 夫は2児を残して急死
茉莉子は26歳で若後家となった
茉莉子は長女アキ、次女裕子を女手ひとつで育てる
*
次女の裕子は小学生で絵の才能を発揮
学校の風間先生も裕子の絵の才能に期待
裕子は小学校を出ると藤慶先生の画塾に通う
*
明治23年 16歳で内国勧業博覧会で一等褒状受賞を獲り
天才画家と評される
その絵を英国王子が60円(3人が1年間暮らせる額)で買う
明治24年(1891) 藤慶先生の妾になる
*
川上音二郎の「オッペケペー節」が流行
権利 幸福きらいな人に 自由湯をば飲ましたい。
オツペケペ。オツペケペツポー。ペツポーポー。
むやみに西洋を鼻にかけ 日本酒なんぞはのまれない。
ビールに。ブランデー。ベルモツト。
腹にもなれない洋食を やたらに喰ふのもまけおしみ。
内緒でこうかでへどついて ましめな顔してコーヒ飲む。
ヱラペケペツポ。ペツポーポー
明治26年
アキは母屋のご隠居(呉服屋ちきりや の内儀)三枝子の勧めで
西陣の病弱な金持ちに嫁入り
*
明治32年または明治35年
裕子は未婚で長男を出産 父親は藤慶先生・・・
モデルは日本画家の上村松園
「序の舞」は能の舞事の初めの静かな部分
それを題材にした上村松園の代表作
でも
映画の冒頭に断りもあるように
映画はフィクション
画家が男ばかりだった時代
女性画家が認められるのは
大変でした
父なし子を生むと
世間から縁者まで
風当たりは
半端なく強かった
昭和16年 帝国芸術院会員となる
昭和23年 女性として初の文化勲章を受章
昭和24年 享年74で死去
1984 日本映画 139分
序の舞 上村松園 画
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