" 飢餓海峡 "
監督 内田吐夢
原作 水上勉
音楽 冨田勲
出演 三國連太郎 *殺人犯
左幸子 *女郎(ヒロイン)
高倉健 *10年後の事件を担当する刑事
伴淳三郎 *10年前の事件を担当した刑事
飢餓海峡
それは日本のどこにでも見られる海峡である
(日本には40の海峡があるが信州に海峡がない)
***
本州と北海道を継なぐ津軽海峡は
台風直前の風老の中にあった
昭和22年(1947年)9月20日
青函連絡船は船客856名と貨車12両を乗せて
函館港を定時に出航したが
*
北海道岩内
質屋を襲った2人は質屋に火を放ち
三國と3人で函館行きの汽車に乗る
しかし汽車は台風のため途中で止まる
3人は1時間歩いて函館へ
*
青函連絡船は台風の直撃を受け函館港外で転覆
連絡船で本州へ逃げようとした3人は
やむなく手漕ぎボートで海へ出る
*
岩内では 大火
全町の八割を 消失
質屋の焼け跡から3人の遺体が発見される
3人は頭蓋骨を割られ金庫か破られていた
中には大金が入っていたはず
*
先の遭難で500体を超える遺体が回収される
その中で2体の身元不明遺体あり
函館警察署の伴刑事が遺体を確認
2体とも額に深い傷あり
*
警察署に網走刑務所看守長が来る
3ヶ月前に仮釈放になった2人の行方が分からない
その男の前の手口が質屋殺害事件によく似ている
*
その2人の足取りを調べると
第3の男の存在が浮上する
伴刑事は大金を手にいれた犯人は
内地へ逃げたと推測する
*
下北半島を彷徨う三國
女郎幸子に親切にされる
三國は幸子と一時を伴にし
大金を置いて去る
幸子は借金を返し東京へ出る
それから10年後・・・
元は192分で
あまりに長いので167分に短縮されたが
内田吐夢が激怒し183分に落ち着いた
なので完全版といわれる183分版も
実は修正版
映画の舞台は
1947年の戦後の混乱期だが
1954年9月の台風15号を題材にしている
この台風で
青函連絡船が沈没し1155人が犠牲になり
岩内町の8割 3298戸が焼失した
映画は
撮影の大幅遅延 予算の大幅超過
いろいろの問題を起こしたが
興行的には大ヒット
作品的にも高い評価を得た
貧乏の苦しみは
貧乏した者にしか分からない
警察、大失態
こんな結末は情けない
1965年 日本映画 183分
ブルーリボン賞 脚本賞受賞
・