" 沙羅双樹 "
監督 河瀬直美
音楽 UA
出演 河瀬直美
兵頭祐香
生瀬勝久
樋口可南子
***
奈良町
古びた棚に所狭しと
井状に桟積みされた墨
乾燥室から続く古い墨作り場
併設された住居
遠くから聞こえるのは地蔵盆の大念珠回しの鐘の音
作業場と住居の間の打ちっ放しで
戯れる双子の小学生(12歳)
家から飛び出す兄、追いかける弟
狭く入り組んだ路地を走り曲がり
豆腐庵こんどうを過ぎ
元興寺小塔院跡を通り抜け
聖光寺前を通り過ぎ
また狭い路地を曲がり
弟は兄を見失う
弟は引き返し聖光寺前で
母直美
父勝久に出会う
*
*
美術室でデッサンをする高校生俊(17歳)
モデル役の祐香
*
祐香は俊の自転車の後ろに乗り下校
狭い路地をいくつも走り抜ける
祐香は自宅近くで俊の自転車を降りる
更に狭く入り組んだ路地を走り
俊は自宅に着く
ちょうど父勝久が向かいの家から出てくる
家には腹の大きな母直美
*
祭り準備の寄り合いに出席する勝久(実行委員長)
1999年に始まった第4回「バサラ祭り」の準備委員会
「バサラ(婆娑羅)」は鎌倉・室町・南北朝時代に流行した
権威に反発し華美な服装を好む美意識
バサラ 本来の意味は梵語で金剛石
不動明王の御真言に ナウマク サマンダ バザラ ダン とあるが
この バザラ も同じ意味
「バサラ祭り」は参加連がそれぞれ踊る創作ダンスを中心とした
8月下旬に行われるお祭り
踊る阿呆も見る阿呆も大切
審査が主になっては本末転倒
俊も出席
委員会会場は豆腐庵こんどう、女将可南子は相変わらず美人
可南子は祐香の育ての親
*
あれ以来5年、俊の兄は行方不明
警察が来る
発見された遺体がそうらしい、と
*
そして
祭りが来る
祐香も踊る
夕立が通り過ぎる
*
そして
赤ちゃんが産まれる
旅の途中、お釈迦様は
沙羅(サラ、シャラ)の樹の下で亡くなった
その沙羅の樹は
二本並んで立っていたので
「沙羅双樹」と言う
双子の兄を亡くした弟と
両親・幼馴染らの8月の終りを描く
UAが音楽を担当した映画
で、どんな音楽を使ってるのかと
楽しみにみたが
34分から祐香がぽろぽろ弾くピアノ
68分から祭りのダンス曲
エンデングのUAのアカペラ3分
結局
予告編で使われた曲だけ
UAはシンプル
生者必滅
諸行無常
2003年 日本映画 99分
高崎映画祭 最優秀新人賞受賞
バルセロナ・アジアン映画祭 グランプリ受賞
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