「 破戒 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " 破戒 "


監督 市川崑
原作 島崎藤村 明治38年(1906)出版
出演 市川雷蔵
   長門裕之
   船越英二
   藤村志保
   三國連太郎
   岸田今日子


明治の後期

信州東部烏帽子岳山麓
種牛に睨まれる牛飼い
角で腹を刺され死亡

牛飼いは3日後死体が発見され
彼の番小屋で
部落の人たちが死体を埋める算段を相談
彼らは寺に墓を持てない

そこへ訪ねて来る雷蔵
牛飼いの息子

3日前、虫が知らせた
学校の宿直だった雷蔵は
山から父が呼んだような気がした

 父は雷蔵に
 ここへ近づくなと、教えていた
 出自を隠せと、教えていた

 中学にあがる時
 父は雷蔵を小諸の部落から出した

 雷蔵は根津村のはずれに
 叔父夫婦と素性を隠して住んだ

番小屋にいた叔父は雷蔵に
自分の出自を隠し通すことが
父へ報いることだと諭す

 *
雷蔵は信州北部飯山の小学校の教員
彼の親友で同僚の長門は熱血漢


飯山でも部落民への差別は激しい
雷蔵の下宿の主人も例外ではない

部落民であることを隠し
部落民解放を長門に訴える雷蔵

雷蔵の愛読書は
部落出身の連太郎が書いた
部落民解放運動の書籍

長門は雷蔵に忠告
普通の君が肩入れし過ぎるな、と
長門にも部落民への差別意識あり


雷蔵の先輩教師船越
酒浸りで恩給半年前にクビになる

雷蔵は愛宕町の蓮華寺に下宿を替える
ここの住職は見識高い愉快な人だが

雷蔵を出迎える蓮華寺の娘
悲しげな志保
何かに怯える
藤村志保


雷蔵は連太郎に会う
連太郎は妻今日子を連れている
連太郎は南信州伊那の出身

部落差別が無くならないのは
部落民にも責任がある
と、連太郎は訴える


やがて
雷蔵は部落民だと噂が広がる・・・



   市川雷蔵



   部落自体は普通の言葉
   子供の頃の住所は
   南安曇郡◯◯町大字◯◯XXで

   XXを部落と呼び
   地区ごとの集まりを
   " 部落会 "と呼んでいた

   小学校の道徳の時間('70年頃)では度々
   同和教育と称し
   部落差別の話があったが
   同和の意味も分からなかったし
   なぜ部落で差別されるのか
   理解できなかった

   子供たちは知らなかったが
   年配の人たちの間では
   ままだ差別があったのだろう


   同和教育で取り上げられた部落は
   「特殊部落」「細民部落」「被圧迫部落」
   「未解放部落」「被差別部落」   
   などと呼ばれたが
   近年は「同和地区」と呼ばれる

   同和は「同胞融和」の略で
   同和地区は
   同胞として融和を拒まれる地区
   と、不思議な意味合いになる



   差別の対象となったのは
   穢多と呼ばれた人たちの子孫

   穢多の身分は平安時代に始まり
   江戸時代に確立
   明治4年(1871)に廃止された

   島崎藤村が小説を書いた頃には
   まだ差別が色濃く残っていたろうが
   僕が育った昭和の時代には
   教科書の中だけの話だと思っていた    



  島崎藤村は同郷信州出身
  木曽の藤村記念館には何回か行った
   木曽路はほとんど信州だが
   記念館のある馬籠は岐阜県
  小説も昔、読んだはず

  ほとんど忘れてました



  蓮華寺の住職は
  女癖が悪い以外は
  立派な人でした



    弱い人間は
    何をすべきか

    破ったのは
    親からの戒め


    真実は
    いずれ顔を出す



   間違ったと知りながら
   なぜ間違った尺に合わせるのですか


 岸田今日子


1962年 日本映画 118分
 ブルーリボン賞 助演女優賞受賞


   うち(安曇野)から馬籠まで110km
   高校生の時に歩いたが

   1日目に50km歩いて
   これが張り切り過ぎで
   2日目から足が痛くて
   20kmしか歩けなくなり
   4日もかかった

   何事もペース配分が大事

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