監督 堤幸彦
原作 荻原浩
出演 渡辺謙
樋口可南子
坂口憲二
田辺誠一
袴田吉彦
吹石一恵
水川あさみ
及川光博
重泉充香
高樹マリア
松岡璃奈子
香川照之
2010年 秋
車椅子でぼんやりする謙
コルクボードに写真を貼る可南子
コルクボードには謙の大切な人達の写真
それを見せられても謙は無反応
可南子は懐かしそうにお茶を飲む
田舎のとある家で
秋が来て、夏になり、春が過ぎ、冬が来て
また秋が来て、夏になり
2004年 春
東京のビルの一室
広告代理店に務める謙49才 は
厳しい営業部部長
部下は
田辺とか袴田とか水川とか
バリバリ仕事をこなす謙だが
最近、人の名前をど忘れする
そんな折
営業部は
特大プロジェクトの契約を獲得
これからが正念場
謙も部下も気合いが入る
謙は部下を連れて
クライアントの宣伝課長香川を
キャバクラでオールで接待
謙は
有名俳優の名前が出てこない
有名映画の名前が出てこない
でっかい船が沈む映画、、、何だっけ？
次の日
今日は一人娘一恵の婚約者と会う日
最近、探し物が見つからない
頭痛がする、道を間違える
中華料理店で
婚約者憲二を交え家族で食事
酔い疲れて眠る
次の日
制作部と打ち合わせ
最近、目がかすむ
クライアント香川との打ち合わせを忘れる
社員食堂で食事
食欲がない
部下の顔を見分けられない
謙も自分がおかしいと思う
家に帰って家庭の医学を調べる
うつ病か？
最近、
同じ物を毎日買ってくる
昨日買ったのもおととい買ったのも
思い出せない
可南子も夫がおかしいと思う
次の日
可南子は謙を会社を休ませ
病院に連れて行く
神経内科の及川先生が問診
記憶力の簡単なテスト
謙はおろおろ
午後から会社へ
部下との打ち合わせ
謙はカリカリ
部下は戸惑う
病院
MRI検査
謙の病気は
うつ病と混同されるが
おそらく、アルツハイマー病の初期症状
海馬に萎縮が見られる
謙は
アルツハイマー病の本を何冊も買って帰る
これは若年性アルツハイマー？
会社には今まで通り行く
仕事をこなす
病院にも通う
及川先生の診断
後部帯状回の血流が落ちている
アルツハイマー病で間違いない
この病気の進行には個人差がある
進行を止める薬はない
でも、遅くする薬はある
怒り出す謙
なだめる可南子
謙は自分の病気を受け入れられない
謙は本を読んで少し知ってる
若年性アルツハイマーは進行が速い
若年性アルツハイマーは薬が利き難い
死にたくなる
謙は及川と可南子に説得され
治療を始める
病名は
娘にも会社にも内緒
2004年 夏
会社には今まで通り行く
でも
仕事に支障をきたすようになり
上司に病名が知れる・・・
ハリウッドでも活躍する渡辺謙
驚くべきことに
これが映画初主演
若年性アルツハイマー病
40才~65才で発症するアルツハイマー病
65才でも若年
たとえ良き妻が
支えてくれたとしても
まだらに残った記憶も消え
妻の顔を忘れ
妻を忘れ
結婚していたことも忘れる
若き日の樋口可南子を演じた
松岡璃奈子
こんなに変わったら
記憶が混乱する訳だ
明日の記憶は
今日の記憶より少ない
明後日の記憶は
あしたの記憶よりもっと少ない
人体は
最初の十数年を除いて
あとは滅んでいくだけ
僕も最近物忘れがひどい
心配だ
でも
よくよく思い出してみると
昔から物忘れがひどい
そんな事も忘れるようじゃ
益々心配だ
でも心配しても
どうにもならないんだよね
この映画を見る限り
この病を発症したら
本人も家族も
あきらめるしかない
2006年 日本映画 122分
ブルーリボン賞 主演男優賞受賞
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