温度差 | 群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬県で税理士・社会保険労務士の独立開業を目指しています。開業までの間、税金や社会保険・その他経営に関することについて書いていきます。

先日、相続関係のみの受託を受けている顧問先(法人の社長さんで、ほかに税理士と社労士に顧問契約をしています。)から、税務・労務とは別に包括的な意見を言ってもらうための顧問をしてほしいとの話をいただきました。


最初は???と思いながら聞いていましたが、聞くに従って、なんとなく話の意図は見えてきました。


話では、顧問の先生の担当職員さんたちは、皆さんベテランで、処理は完璧にこなされるそうです。税務のチェックも、労務関係の手続きも正確に行われているので、問題はないと思いますが、社長さんの受けたいサービスは、「事務処理」ではなく「提案」なんだそうです。


社長さんが言うには、100%完璧でなくても90%でいいので、残りの10%で、法改正や有益な制度の説明や提案などが欲しいとのことでした。


完璧に処理をしたい事務所の職員さんと、少しでも多くの情報を手に入れたい社長さんの要望にはとても大きな温度差を感じたような気がします。


立場の違い、目的の違い、時代の違い、色々な面で、こういった違いがはっきりと出てきていると感じています。


サービスに対する認識の違いもはっきり出てきていると思います。


一昔前は、一円の無駄な税金も払わない完璧な監査や、労務における漏れのない手続き業務など、正確性が問われる(今でも当然そうですが)ものでしたが、最近では、プラス何かがないと、顧客満足を満たすことにはならないようです。


もともと目に見えないサービスが商品の士業にとって、プラスのサービスを認識してもらうのはかなり大変ですし、職員も対応できないかもしれません。


士業の業務のあり方について、今後さまざまな方向性が出てくると思います。(ワンストップ・特化型・格安型etc・・・)


もともとマーケットインのこの業界で、自分の立ち位置はしっかり見据えることは重要だなと感じますし、顧問先との温度差を感じた時は、冷静な対応が必要だと感じました。