営業社員と委託契約を交わして、社会保険料等を減額するのはよく聞く話です。また、委託契約の場合、会社の源泉徴収義務もなくなりますし、支払った委託料は消費税の仕入れ税額控除の対象となって、消費税の納付が少なくなります。
社会保険・税金ともに有利になるこのような契約についてですので、社会保険関係の加入に関する調査についても、税務調査においても当然に問題になる項目です。
実態として確認される事項は概ね次の項目です。
①仕事に対する指揮命令を委託者が行うことができるかどうか。
②就業規則等による縛りがあるか(休日・休憩等が他の従業員と一緒でなければならないなど)
③委託契約以外の仕事について、受託者が行うことはないか。
④本人が所有する機械・備品等の使用を認めているか。
⑤本人に代わって、他の者がその業務を行うことを認めているか。
⑥報酬の計算が時給や日給などの時間を基にして行われていないか。
etc・・・
いろんな項目がありますが、労働契約を結ぶ相手と類似する項目があれば、否認される可能性が高いということです。
とくに、委託者の指揮命令系統下にある場合は雇用関係があるものとされるケースが多いので、ご注意ください。
なお、請求書があるとか、本人が確定申告している等の形式的部分よりも、実際の現場における指揮命令下の有無や、労働時間の関係、営業の場合は営業日報等による業務への縛りなど、実質的な部分で判断されることが多いのでご注意ください。