先日相談をいただいた話ですが、とある会社で、機械購入の設備資金について融資を受けました。融資は地方自治体の制度融資を利用していましたが、機械の販売会社が、後日値引きをしてくれると言ってきて、口座に値引き額を振り込んできたそうです。
これってどうなんですか?と聞かれたので、返金してください。と回答しました。
実はこれってすごい大変な問題です。
通常、地方自治体の制度融資は保証協会の保証が付いています。保証協会付き融資の場合、保証協会の審査に出された資金使途と別のことに資金を使った場合は、使途違反という「保証免責事項」に該当し、保証が受けられなくなります。
今回の場合、例えば機械100円で申請していたのに、10円値引きを受けて90円で最終的に購入すると、10円は運転資金に回ることになります。ここで、10円部分について使途違反になることになります。
保証協会の保証を受けれなくなるということは、今後の借り入れは全部プロパー(金融機関の単独融資)の融資を受けることになりますが、当然業績の良い会社にしか金融機関はプロパー融資をしませんし、プロパーを受けれるなら、当然今回の設備資金も金融機関のプロパーを受ければいいということです。
今後、融資を受けられずに経営していくのがいかに大変かと思うと、冷や汗の出る事例でした。
保証協会はなかなかつながりもないし、金融機関が委託契約で窓口となっているため、長く経営者としてやってきたかたでも接点がないため、どういう機関かわからないという方もいます。(実際私も、直接の接点はないですし、知り合いの金融機関の方との情報交換の中でこういう話をするだけです)
保証協会付き融資の際には十分に気をつけて融資を受けることをお勧めします。特に設備資金の見積もりは、値引き交渉後のものを出すようにしましょう。