やや批判的な内容も含むので、ファンの方はご注意を。

 

 

エロでも有名な真鍋譲治先生のSFファンタジー漫画。

作風を説明するのがかなり難しい珍しい作品で・・・

「宇宙を舞台にした熱血三国志+WW2の海戦」「銀河英雄伝説に熱血三国志+WW2の海戦」・・・とでも言えばいいのか、兎に角、見てもらった方が早いというしかない作品

 

ヤフートピックスか何かで触れていたのを見て、懐かしくなって一気読みをしたのだけれど・・・

読んでいて、「後半はかなりダルい」という事を思い出した。

 

理由はシンプルで、作品全体の中で主人公の最大ライバルとされている「羅候」というキャラにまったく魅力が無い。

誇張や勢いで言っているわけではなく、本当に・・・一切、魅力が無い。

 

主人公であるライと同じく王道少年漫画的な「馬鹿な熱血漢」なのだけれど、主人公のライが・・・

 

兵士として成長

上官として成長

要職として成長

国王として成長

 

が、確実に見て取れるのとは真逆に、「羅候」はそれが一切無い。

しいて言えば、兵士としては強くなっている・・・だけ。

 

ライの出自が平民である事に対して羅候は王族出身なのだけれど、兎に角「我儘で馬鹿」が最後まで一貫している上に、それ系のキャラにありがちな「でも、器が大きい」も無い。

 

負ければ号泣しながらメンタル崩壊し、親友が死ねば号泣しながらメンタルが崩壊する。

で、それを諌めようと上申してくる側近を切って捨てるか油で煮殺してしまう。

それが、最後まで続く。

 

主人公ライの出世物語である本作において、主要なライバルや敵は・・・

 

・恩人であり尊敬する上司でもあった「狼刃」

・敵国の要人であり大将軍であるカリスマ性の高い「正宗」

・敵国の王族であり作品の後半全てにおいてライバル扱いされている「羅候」

 

・・・なのだけれど、この三人をドラゴンボールで例えるのなら、狼刃や正宗はベジータやフリーザ。

で、羅候はナッパかドドリアといったところ。

 

作品の後半は、その羅候との覇権争いが軸なので、だから・・・つまらない。

作画崩壊も作者の意欲低下も無く、「キャラ」一人の為にここまで没入感が無くなるというのもめずらしいように思う。

 

元々、冒頭で述べたように作品の舞台設定がかなり変わっているので、「三国志+第二次世界大戦の海戦」を無理やり宇宙を舞台に繰り広げて、SF考証や宇宙のリアルな諸々は無いに等しいのだけれど、面白かった前半はそんな部分は気にならないのに、後半は羅候によって没入感が無くなっているせいか、そういった無茶苦茶な舞台設定も「なんだかなぁ」になってしまう。

 

いや、本当に・・・前半の正宗との戦いまでは非常に面白いので、なんとも勿体無い作品だと感じる。