私は理系出身ですが、社会人になってからドクター取得しました。ただし、一般的なコースドクターとは異なり、査読ありのジャーナルへ論文を提出することにより論文数を所定数以上出して、それらの成果をまとめることにより得られる、論文博士というもので、日本独自のシステムだと思います。

論文博士を取得できるのは、主に旧帝国大学で、取得される方の中には、管理職になるため、もしくは定年近くの企業の研究者がライフワークをまとめて取得される、などの例を見たことがあります。あと、企業に属しながら大学との共同研究や国家プロジェクトに参画して取られる方もいます。私の場合は、社会人になってから取得したものの、学生時代に大学院で研究した成果で論文発表して、その成果をまとめただけなので、かなり異例かもしれず、20代後半で取得したもの、他にあまり例を聞いたことはありません。

査読付き論文には、ファーストオーサー(自分で書いたということ)であることが価値が高いですが、私の場合はファースト5報、セカンド3報、サード2報の計10報で大学に提出し、審査料30万円を払って取得しました。

実験などは大学院時代以外にはしていませんが、社会人になってからの5年弱はお盆や正月休みなどで論文を執筆していたので、会社の長期休暇はほとんどなかった感じです。

 

なお、博士を取得した利点としては名刺に載せることができ、名刺渡すたびに凄いですねの一言を得られるだけで、給与や出世などへの加点は私が属していた会社ではほとんどなかったです。転職時の加点も無いようにも思えましたが、エンジニアとしてキャリア転職活動する中で、面接時には言えるのは少しプラスになったかもしれないです。

トータルコストは50万円ほどでしたが、それよりも心身の疲労が大きく、周りにも取ってみたいが尻込みする人が大半です。ただし、大手企業のリクルータを5年以上務めてきましたが、就活生からのドクター取得の質問も結構頻繁にあった記憶があり、こちらからそういった話を振らなくても、キャリアの一部として興味ある方は多そうです。

 

日本にいる限りでは、ドクター取得はあまり優位な点はない感じですが、海外では給与差・待遇差が大きいです。また、私は英語論文の読み書きしかできませんが、英語を科学用語で話せて研究できれば、現在であればかなりの給与アップが望めると思います。ご参考まで。