北京五輪体験 その3
8月8日 北京郊外の風景 開幕式と反日感情
この日はオリンピックの開幕式。夜8時からテレビで見る予定。
それまでは北京郊外の、『万里の長城』やら『明十三稜』やらへ観光に行くことに。
天津から北京へ新幹線のような電車で移動。
保安体制がすごい。切符売り場に入るのも荷物検査をくぐる必要があった。
乗客が多すぎるので、ほとんどノーチェック状態。意味ないwww
切符売り場はすごい混雑。ほとんどの人は慣れないながらも、列を作って並んでいる!
駅本体は切符売り場と離れていて、一度建物を出て再度荷物検査を通って、そしてようやく電車に乗れる。
電車は…どう見ても新幹線です。
「二等車」は3-2の五列シート、「一等車」は2-2の四列シートで、日本のグリーン車と同じ。
料金が、天津-北京南だと二等で58元、一等で68元だ。わずか160円の差!
だから必ず、一等から先に売り切れていた。
そして…。全車指定席なんだけど、電車の先頭から機械的に発券されているみたい。
席順とか混雑とかを全く考慮せずに決めるのね。
1号車から5号車までは全て満席、6号車は誰もいないみたいな状況が平気で起こったり、
3連番で切符を買っても、1号車の末尾と2号車の先頭、みたいに別れて売られたことがあったwww
発車。すげー速い!最高時速347km(車内に速度表示がある)だった。本気出したらもっと出るのかも。
わずか30分で北京へ。
この日は一日、ガイドと運転手をチャーターしていた。ガイドの人は馴れ馴れしい日本語でしゃべる。
まずは明十三稜へ。明の時代の皇帝は全部で16人、そのうちの13人のお墓があるという場所。
残りの3人は?諸般の事情で除名かなんかされたらしい。
広大な土地で、お墓も全て公開されているわけではないので、そのうちの一つだけ見学する。
巨大な石造りの、地下神殿みたいなところだった。
そして近くのレストランで食事をしていると…、悲しい知らせが。
この次は万里の長城に行く予定だったんだが、オリンピックのせいでなぜか封鎖されているらしい。
(後日聞いた話だと、世界のVIPが観光地を訪れる時間帯だったため、一般人を立ち入り禁止にしたらしい)
北京の近くには4つほど万里の長城観光スポット(一番有名な「八達嶺」に行く予定だった)があるが、
そのうちの3つは封鎖、1つだけ営業しているがかなり遠くだという…。
ガイドの人に「今回は万里の長城が目的だったのに、ガッカリだ!」みたいに文句を言うと、
プラス100元で遠くの万里の長城(「慕田峪長城」というところ)まで行ってくれることになった。
近道するために、いくつか地元の村落を超えてショートカットすることになった。
この時見た光景が、今回の旅行中で一番びっくりした。
村落の入り口にロープが張られていて、封鎖されていた。
そしてオリンピックのボランティアとかオフィシャルとかの人が見張っていた。
3つほど村落を抜けたんだが、全てそうだった。
でも、ガイドの人がサインすると、僕らは通り抜けることが出来た…。
どうやら、村落から人が出ないように、監視・封鎖しているようだった。
開幕式に備えて北京市内に「汚いもの」を入れないように、中国当局?が村落ごと封鎖していたみたい?
汚物は消毒だ~www みたいな??
確かに、小汚くぼろっちい村落ばかりだったけれど…。
路上で上半身裸でマージャンしてるおっさんがたくさんいたけれど…。
それにしても、ボランティアの人が輝かしい笑顔で、入り口で棒をもって見張ってる姿が…。
すさまじく異様なものを感じた。
まあ、村落の人たちもなぜか楽しそうにしていた。市内の衛生状態も改善されるので、観光客もハッピー。
人権とかうるさいことを気にしなければ、これはこれでいいのかもしれない。
少なくとも当事者は気にしていない。部外者が口出しすることでもないのかも。
(写真はありません)
なんやかんやで万里の長城のあたりに到着。リフトみたいのに乗って長城へ。
いやー…でかい。
日本の北海道から沖縄までの長さで、3往復半に相当するらしい!
観光は堪能したので、北京南駅まで送ってもらって、また新幹線で天津へ戻る。
公園の広場に設置してある巨大画面で、オリンピックの開幕式を見ることにした。
天津に戻り、『銀河公園』に設置されている巨大スクリーンで、北京五輪の開幕式を見る。
大げさでなく、数万人規模の人だかり。
画面には各国選手団が次々と映し出されている。
やはり中国といえば、『反日』が気になってしまう。
果たして日本選手団へのブーイングはあるのか?
知り合い?の日本人5人ほどで固まって見てたんだけど、やはりみんな反日感情が気になるみたいで、
「日本の入場は20番目ぐらいだから、それ見た後で夕飯食べに行こう」
みたいな感じでチェックが入っていた。さあどうだろう。
赤道ギニア?入場。 みんな笑っている。
また黒人の選手団が入場。ウケている。中国人は黒人好きか?
さあ日本です!
「ぶ~~!」
キタ!あーハイハイ、毎度すみませんねえ…。
でも、ブーイングというには迫力がない。
しかもみんな、笑いながらブーイングしている。
形だけブーイングしているみたい。
例えるならこんな感じ。
『笑っていいとも』という番組に、テレフォンショッキングというコーナーがある。
あのコーナーの最後で、タモリが「じゃあお友達を…」というと、会場の観客が「え~~?」と、
コーナー終了を残念がるような声を出す。
もちろんキムタクとか?みたいな人気のあるゲストだと反応は凄まじいことになるんだけど、
もっと微妙なゲストのとき、大して残念じゃない時とかに、それでも一応「え~~?」と言ってあげる、
そんな形だけの儀式。
公共の場では、日本という国に対して「ぶー!」とやらないと場が白ける、『お約束』になっているのかな。
(周囲にいた中国人女性は、『ぶー!』とやりながらも、こちらに会釈していた)
その後、台湾の入場時には乾いた拍手(日本への反応よりも生々しく感じた)、
香港の時は大歓迎ムードだったりしたが、この辺で切り上げて帰ることにした。
明日はオリンピックの、他の競技を見てみようか。