グルマン世界料理本大賞,エントリーから受賞までのこと。 | Keep a journal @ 山脇りこ/Riko's Kitchen

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日々の、食、衣、住、旅、好きなことをつづっています。

帰国から数日が過ぎ、

通常運転になっております?


なんだか、興奮から、日常に戻り、

やはりよほど気が張っていたのか、

今はぼーっとしていますが、

それもこれも、本人たちだけでして・・・笑。


さて、でも、備忘録に、グルマン料理本大賞のことを少し。


グルマン世界料理本大賞とは?なにか?


1995年に、あのオレンジ系のリキュールで知られるコアントロー家の5代目?にあたる、

エドワルド・コアントロー氏によって設立された、世界唯一の料理本の賞なのだそう。


今回も、授賞式でグランプリを読み上げていたのが、

コアントロー氏。

※弟さんは、あの、料理学校のコルドンブルーのオーナーで、

今や、パリだけでなく、NY、ロンドン?、そして東京と神戸、ソウル、さらには上海にも。


↓こちらが主催者のコアントロー氏、ww




日本では、栗原はるみさんが日本人初、として受賞され話題に。

※私も、当時は、こんな日が来ることを1ミリも想像していなかったので、

わー!と思って眺めていました。

昨年?は有元葉子さんも。

また今回も、

ヤニック・アレノ(2013年1月まで、ムーリスの★3シェフ)が受賞したり。


しかし、とはいえ、

この賞は、向こうが探してくれるのではなく、

こちらからエントリーして始まります。


たとえどんなにすごい料理家でも、シェフであっても、

大きな出版社さんであっても、

基本的には、こちらから手をあげないと、審査対象にはなりません。


逆にいえば、

私のような、若輩でも、チャンスがあるかもしれないわけです。


日本だけでも、ものすごい数の料理関係の本があり、

世界で考えたら・・・それはそれは、フォローできないでしょうから、

当然ですよね~。


どうやってエントリーするのか?


ということで、エントリー期間は、毎年、10月ごろ。

私たちも、昨年、10月に、

必要な書類を、主催者、コアントロー氏の事務局に送りました。

場所はスペインです。


それは、


当該本を3冊

英語版のレジュメ


というシンプルなもの。


とはいえ、当方の本は日本語ですし、

しかも昆布・・・という、おそらくフランス人は親しんでいないであろう食材と料理。


そこで、日本料理を支える、うまみの要であることなども書き添えて、

送りました。

もちろん、その後、12月に和食が世界遺産になったことも、

大きなバックアップになったのでは?と思います。


その後は、主催者がカテゴリーに分類し、

その中から、6、7冊のファイナリストが選ばれます。

このファイナリストになったという連絡をいただいたのが、

たしか3月ごろだったような????


あとは、授賞式やその後のPARTYの出席の申し込みをして、

待つだけ・・・汗。


さすがに北京の授賞式に参加することにしたほうが、

受賞に近づくのでは?

と思い、受賞できるかどうかはわからないまま、

参加はすることにし、

当日を迎えたわけです。


日本ってすごいのですよ、やはり。


今回、会場に行き、初めて、主催者であるコアントロー氏とお会いして、

お話して、とても印象に残ったことがあります。




※こちらは、コルドンブルーのほうの、コアントロー氏のご子息



ひとつは、彼が言ったこんな言葉。


「フランス料理は、だいたい200年くらいのもの。日本や中国の食文化は1000年」


かのフランス人の彼の言葉としては、おもしろいな、と思いました。

実際は、フランスが今のフランスになったのが、最近だからということもあるとおもいます。

※トスカーナのメディチ家のカトリーヌが、カトラリーやサラダを持って嫁に行って・・とか、

ハプスブルグ(Haus Habsburg)から、アントワネットが、ケーキの数々を・・・と言いますから。

余談ですが、ハプスブルグ家は美食ラブで、ヌーベルラブで、醤油も食べていたという記録があるらしいです。


また、日本の食も1000年ってことはなく、鎌倉後期、仏教による流通があってからとか、

室町、戦国時代以降、茶会席文化から・・・というとらえ方が多いようです。


もうひとつは、


「世界中の料理で、本国で食べる以上においしい料理ってあまりないものだけど、

日本の場合、世界中のトップクラスの料理が集まっている。

また、日本料理も、世界中にトップクラスの日本料理屋がある。

それはほんとうにすごい。」


私もまったく同感です。

ま、東京に集まっているってことだし、世界も、主要都市、ということだと思いますが。


※しかも、世界のトップクラスの日本料理屋=私たちの思う日本料理ではないかもしれませんが・・。


これは、とりもなほさず、

私たち日本人が食に対して、無意識の中であっても、

厳しい基準を持っているってことだと思います。


最後にもうひとつ、


「日本の料理本のクオリテイはとても高い。世界のトップ5には間違いなく入っている。

想定の美しさ、写真の美しさ、レシピの多様さすばらしさで。」


これはほかでも耳にします。

このことって、よく、出版業界が成熟しているってことだという声を聞くのですが、

私は、日本人が、どこの国民より、

普通の人が、家で料理をするからだと思っています。


いつもいつも話すのですが、

普通の家で、普通の妻や母(夫でも父でも)が、

刺身から、焼き魚から、カレー、ハンバーグ、チャーハンに餃子、

パスタにグラタンに、今やタイカレーまで、

作れちゃう、作っちゃう・・って世界で日本人だけです。


和食が世界遺産になり、

それはそれはうれしいのですが、

私はこの多様性のある食卓を、

なんと!家で!実現している・・・日本人の食文化のすごさ!も、

世界中の人に知ってほしいな、と

いつも、思っています。


フランス人シェフが、コンビニのチョコレートを食べて、

こんなおいしいのが、100円であるなんて!と驚愕した話とか、

デパートのお惣菜に、中華からフレンチからイタリアンから、エスニックまで

ふつーに全部あることに、

びっくりする、なんて話はよく聞く話です。


ややそれましたが・・・

そんなことで、

グルマン世界料理本大賞で、日本の本の受賞が多いのもすごくうなづけるのでした。



今回は、史上最多の5冊。

そして、ここでも、私が少しびっくりしたのが、

いわゆる一般的なレシピ本が、

私たちの「昆布レシピ95」だけだったということ。


おすすめ日本酒を紹介した酒ガイドの本、

マンガで書かれたアラン・デュカスの本、

テレビ番組が本になったもの?、

そして、フランスのシェフの伝記?ともいうべき本。


なんと多様な、料理関係の本があるんだろう・・と改めて思いました。


このほか、IT部門では、

COOKPADさんも、ファイナリストに残っていたのですが、

そういう分野でも、

日本ってすごいんだなーと思いますし。


いろんな食関係の本を書かれている方々が、

そして私も、

これからも挑戦できたらいいな~、と。


きっと、食という分野は、

大いなる平和外交の分野だし、

おいしいものを食べながら怒っている人もいませんし、

日本のチャームを伝える重要な要素なんじゃないかな、

しかも、すごい芸術にまで高められた食ではなくても、

力があるんじゃないかな、僭越ながら、しみじみ思っております。


いやはや・・しかし、北京の空気は。。素敵な街なのにほんとにもったいない。

この話はまた。


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よかったら手に取ってみてください。


●ノンオイル&10分でできる『昆布レシピ95』

 http://goo.gl/bzE6aT

※グルマン世界料理本大賞、グランプリ受賞(2014年5月、seafood)


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外部教室のご案内です。この機会に、こちらでお目にかかれますのを楽しみにしております。


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昆布だしのあれこれ、昆布とかつおの一番だしの引き方、

昆布の扱い方、保存方法ほか、
これからの季節に嬉しいMY麺つゆや2杯酢、3杯酢もご紹介。
各おだしやそれを使ったお料理のお味見もご用意しています。

お申し込み・お問い合わせは 03(3274)8843

こちらの、6月7日のところをご覧ください。
http://hajimarinocafe.jp/workshop/


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各回1500円(コンビーフなどお土産付き)
http://www.asadaame.net/shopdetail/000000000042/