ひとは、どうやって特別な日のレストランを選ぶのか?
そんなことを、ときどき、つらつら、考えます。
1月、自分の誕生日。
いつも、撮影や教室を助けてくれる美人アシスタントチームが、
BIRTHDAYランチに誘ってくれました。
おりしも、土曜日のこと。
『待ち合わせは六本木で、フレンチです。』
うん???
六本木でフレンチ・・・もしかして、ブルギニヨン???
当たり!でした。
彼女たちは、本当は、お店は当日のサプライズにしたかったみたいなのですが、
フレンチだということは言わないと、
私がいつものように、ボタンダウンのシャツとかで登場してもな~ってことで、
教えてくれたみたいです。
『もしかして、ブルギニヨン?』と思わず聞いてしまいました。
3人が行きたい店で、
私が、文句言わない好きな店となると・・・3人一致で
菊地シェフのル・ブルギニヨンだったのだそう。
でも・・・これ、ものすごくびっくりでした。
実は、その翌日の日曜日。
うちの夫が予約していた店も、
ル・ブルギニヨンだったのです、笑。
夫も、彼自身がくつろげて、→ これいちばん大事らしい。
間違いなく気持ちよくて、
私が、
絶対に文句言わない店、と考えたら、
ブルギニヨンだったそう。
これって、すごいことです。
ということで、土曜日のランチと、
日曜日のディナー、
続けて、ル・ブルギニヨンへ。
菊地シェフのはからいで、
ちがった表情の2回の食事を、
120%堪能しました。
しかし・・・このふたつの予約、
唯一、俯瞰(ふかん)で見ることができたお店の方は、
ともに、私の誕生日と言われ、
さぞや、可笑しかったでしょうね。
というわけで、
人は特別な日のレストランを
どうやって選ぶのか?
いえいえ、
外食する場所を・・・と言ってもいいのかも。
あらためて、このときも、考えました。
ブルギニヨンは、
今年14年目になるそうです。
私が初めて訪ねたのは、忘れもしない、オープンした年でした。
たしか、スぺシャリテの豚足を頂いたような?
もしかしたら、それは2回目だったかも。
でも、私は、それから、去年まで、おそらく、5回は行っていなかった気がします。
気持ちのいい、おいしいお店だと思っていたのですが、なかなか行く機会がなく。
そんなある日、
とあるトークイベントで、
料理通信の君島編集長が招いたゲストとして、
菊地シェフのお話を聞く機会がありました。
なぜシェフになったのかから始まり、
何度もやめようと思った修業1年目の話や、
フランスでの修業時代のこと、
また、師匠への思いからフランス行きを1年延ばしたエピソード、
今、お店にいるお弟子さんのこと、
フロリレージュや、アニュなど、
名だたるお店で活躍する、菊地シェフの元から独立していった方々のこと。
いまだに、毎年フランスのさまざまな店の厨房に入り、学びに行かれること。
正直、とても、感動しました。
日本人に限らずいろいろなシェフの話を、
いろいろなところで、聞いたことがありますが、
いやはや、飛びぬけて、素直に、素敵な人だなあ、と。
なにしろ、料理を科学したりしない、
食べる=愉楽だっていうことから、
それを求めて私達が訪ねるってことから、
離れないのがすごくいいなと。
そして、
うそつかない(つけない)、
真摯、
ていねい、
優しい目線を忘れない、
初心を常に持ち続ける、
そういうことは、そのまま食材や料理への姿勢です。
とてもとても、共感しました。
そして、この方の料理を、もう一度、食べたいなあ、と思ったのです。
以来、ただ、おいしいのではなく、
ともかくは安心して、存分に、楽しめる、
確実に幸せな時間をすごせる、
私にとって、まちがいない、お店になりました。
料理は、誰が作るか?
どんな気持ちで作るか?
というところから離れられないものだと、私は思っています。
最近、料理のおいしさだけを、純粋に評価しよう・・という評価サイトもあったりして、
それはそれで、参考にしたいのですが、
私には、なかなかそれはできないなあ、と思っています。
たとえば、(わかりやすいので) 寿司。
私は、どうしてもだれが握るか?が大事です。
そもそも、考えれば、手で最後まで、文字通り握ったものを食べる稀有な料理。
生理的な面含め、
信用を超えて、信頼して、ゆだねられる、と感じる人のが食べたい。
おおむね、他の料理も同じだなと思うのです。
※最近増えている、フルオープンキッチンのお店で、しみじみ思います。
実際、人柄も、感情も、もしかしたら、生き方までもが、
料理に、店に、出るものだと思います。
※チェーン店はだから苦手さ。
旅先でも、
必ず、シェフに会うようにしています。
向こうから客席を周ってくださいますしね。
ところで、そんなこんなで、
たまーに伺うようになって、
FBなども拝見していると、
そこでまたひとつ、唸ったことがあります。
どこかへ出かけるとか、
件のトークショーのような日は、
いつも水曜日。
定休日です。
まあ、そうだよね、と言うなかれ。
平然と営業日に店にいないシェフや板前さんも、世の中にはいるのです。
そして、再び伺うようになって思ったこと。
フレンチってどんな料理?
ということをぐるぐる考えるときに、
うん、やっぱり、このお店っていいな・・と思うのです。
きっちりつくられたソース。
ちゃんと使われているバター。
時間をかけられている食材、
冒険しすぎない、基本に忠実な食材との向き合い方。
ガツンとくる感じも、ちゃんとあり。
生意気ですが、同じことをフランスに行っても思うのです、
軽さを追求しまくっている昨今、
ガツンと、きてくれ~と。
で、やはり、すごいシェフは、どっかでガツンときます。
ジビエなど、肉で知られる方ですが、
お魚もとてもおいしい。
北海道、函館生まれなのだから、
ウニのスぺシャリテにも納得だし、
蟹の使い方も。
実は、シェフの出身地って、私にとってすごく重要なんですが、
この話はまた。
もちろん、とてもとても有名な、知らない人はいない?
東京フレンチの永久定番のお店。
でもね、定番って・・・私の好きなボタンダウンシャツも、ダッフルコートも、
その良さを、すごさを、忘れていることも多いじゃないですか??
ときどき、思いだすためにも、行きたいなとおもうのです。
ひとは、どうやって特別な日のレストランを選ぶのか?
最近は、特別な日だからこそ、
特別な店でなく、
絶対にはずさない、ホッとする店に行きたいなと思うようになりました。
お祝いしてくださったみなさま、ありがとおおお!!!
※ル・ブルギニヨン
ちなみに、菊地シェフは、日本のフレンチ界でも、1,2のフランス語力だそうですよん。
http://www.japantwo.com/ja/people/YoshinariKikuchi.php
http://r-tsushin.com/chef/099/
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