北川著『シナリオの魅力』第一章終盤に、新聞小説の類はかなりシナリオ形式の影響を受けている、とある。


ここでいう「新聞小説」は、娯楽小説と言い換えてもよさそうだ。

北川冬彦の「シナリオの魅力」や「純粋映画記」に出てくる言葉。ソ連版レーゼシナリオ論と言ったところか。「戦艦ポチョムキン」で有名なあの映画作家もその種のことを言ってたってことか。


Эйзенште́йн Сцэнарый Роман

北川著『シナリオの魅力』によると、シナリオ文学運動の旗手の一人の中でも、飯島正は台詞重視派だったとか。


wikipediaで調べると、大学の卒論はミュッセの戯曲だとか。

北川の『シナリオの魅力』(社会思想研究会出版部、1953年7月末日刊行)という本を入手。62頁8行目に「レーゼシナリオ」という語が出てきた。シナリオ版『阿Q正伝』も併録されている。


それはともかく、シナリオ文学運動についての記述で、「いまのシナリオについての通念が刷新されたら、『シナリオ文学』という呼称は廃棄して、ただの『シナリオ』で構わない」という意味の一文があって、既視感を覚えた。私はかつて「シナリオが生産財(キャスト、スタッフの間だけで読むもの)でしかない、という通念が無くなって、消費財(製作に先んじて出版されるもの)としても認められるようになったら、レーゼシナリオという語は廃棄してもいいかもしれない」などと、どこかで書いたはずだ。


おそらく、これだな。↓

http://ameblo.jp/maruki/entry-10025140083.html


http://ameblo.jp/maruki/entry-10032323359.html

北川冬彦については前に言及したことがありましたが・・・。


台湾の台南にある立徳大学(現在名は康寧大学)の蔡宜静(ツァイ・イーチン)准教授が、「北川冬彦の長編叙事詩」論を、日本語で発表。北川が、「長編叙事詩=シナリオ」と考えていたことが書かれている。→ http://taiwannichigo.greater.jp/pdf/g25/g2502sai.pdf


「映画から刺激されて書いたが映画に屈服せずむしろ映画を屈服させる」のが、北川の長編叙事詩なのだという。つまり、それはレーゼシナリオってことだろう。朔太郎も芥川のレーゼシナリオについて似たようなことを言っていた。蔡准教授には芥川の『誘惑』についての論文もある。→http://www.jp.fju.edu.tw/userfiles/literature/31/%E7%AC%AC31%E8%BC%AF%E8%94%A1%E5%AE%9C%E9%9D%9C.pdf


「ドラえもん」が台湾でも人気があるというのは「イタズラなKiss(悪作劇之吻)」を見ればわかるが、ヒロイン「しずかちゃん」は宜静(イーチン)という台湾名だという。


しずかちゃんには、北川によるシナリオ版「阿Q正伝」(魯迅・原作)についての論もある。http://www.koryu.or.jp/08_03_03_01_middle.nsf/2c11a7a88aa171b449256798000a5805/2f200e9e01b7dfaa492576f50023c5f5/$FILE/caiyijing2.pdf


riei
http://www.discogs.com/Shades-Apart-Eyewitness/release/3459380


そういう名前のバンドがある。昨日見かけたこのジャケットは、ハメット読後には心にピッタリ来るし、値段も五百幾らと安いので、ジャケ買いしちゃおうかと思ったが、Youtubeでチェックしたらサウンド的に好みじゃないので、買わなくてよかった。ジャンル的には「オルタナティブ・ロック」なのだとか。


ところで、このバンド名は、レーゼシナリオの和名候補「離影」っぽいよね。


こんなサウンド。https://www.youtube.com/watch?v=u70QZ71kLl8  ジャケットからは、もっとジャジーなのを想像するよね。