前回のもやもやしたまま別れたデートから
今日会うまでに、何度かメールでやりとりして
私がすっきりしない気持ちでいることは
彼は知っているはず。
にもかかわらず、この日は会ってすぐまたいつものように手を繋いできて
何事も無かったかのように、明るく話し出した。
私も、普通に話した。
いつもと違ったところは、
前回、ファーストキスを済ませていたので
今日は、歩いているとき、周りを見渡して、人がいないことが分かると
屋外の明るいところにもかかわらず、さっとキスをしてきた。
ホント、ラテン系の外国人みたい。
夕食に入った居酒屋で話した。
「私たちちょっと突っ走っていない?まだ出会って間もないのにもう結婚だなんて。
りょうさんだって、離婚したばかりでしょう?
それに嘘つかれたこと、私はショックだった。
前に話したでしょう?覚えている?例のサイトでメールのやりとりをしていた人の中で
最初は、旅行会社の営業をしていると言ってたのに、あとで、実はタクシーの運転手をしている、と嘘をつかれていたのがわかったこと。タクシーの運転手が嫌とかでは決してなく、嘘をつかれたことが嫌だったの。それで、この人信用できないと思って、もうメールの返信をしなくなった。それと同じ。子供がいるってことはどうでもいいの。それを最初に言ってほしかった」
彼は何も言わずうつむいたまま。
「じゃあどうすればいいの」
「私もよくわからない、でも、別れを言おうかとも考えた」
「かえでは俺のことが嫌いなの」
「好きだからこそ、悩んでいるの」
「じゃあ、お互い好きな気持ちがあるのに、別れるなんて納得できない。別れることを考えたら首をつって死にたい気分だよ」
「かえでが(前の家族と一緒に住んでいた)俺の家に住みたくないのなら(その家のローンがあと25年残っている。ただしたくさん払ってあと15年で返すつもり)、住まなくていい。他にアパートを借りてそこにかえでと一緒に住んでもいい、と思ったんだ」
「そんな。せっかく立派な家があってローンを払っているのに。そこにそのまま住めばいいじゃない」
やはり好きな気持ちがあるからだろう。結局は、別れ話になることもなく、話は終了した。
居酒屋を出て、バーに寄った。そこではもう、もやもやは消え、彼への不信感を感じたあの1件が起きる前のように、何事もなかったかのように話した。
バーを出てエレベーターを待っている際にまたキスされた。エレベーターの中でもキス。
このとき、私も彼も熱に浮かされていたのかもしれない。