2回目のデートは海沿いのドライブだった。
会って2回目でドライブなんて、危険かもと一瞬思ったが、
そんな悪い人には見えなかったので
大丈夫だろうと思った。
(大体、1回会って話をすると、いい人かどうかはある程度わかる気がする)
サザン大好きの私としては、湘南をドライブすることが夢だったのだ。
偶然にも彼の住まいは湘南。
海の見えるレストランでランチをした。
窓から、海へ向かっている歩道が見えたので、
ランチ後にそこを散歩した。
私がはめている手袋が、手作業がしやすいように指のところだけが開いたり閉じたりできるものだったため
彼が「この手袋面白いね」と、珍しそうに私の手を取って手袋を見た。
その流れでいきなり手を握られて歩く形になった。
正直「いやだな」と思った。
会って2回目で、まだ好きかどうかもよくわからないのに。
握られたまま歩いて車に到着。
この1件で、今日は早く帰ったほうがいいと思った。
実は、昨日親友と会って、彼のことを話したら
「ネットで知り合って、2回目のデートでドライブなんてちょっと危なくない?
もし何か変なことされそうになってSOSが必要なら、私にすぐ電話してきなよ。ワン切りでもいいから。
それから、夜遅くまで一緒にいないほうがいい、明日は早めに帰りな。」
そう忠告されていたのもあった。
よって、車の中で
「今日は夕方から友達と約束があるので、5時~6時に退散していいですか」
と伝えた。
三浦半島にある城ケ島という所へ向かう道中、
「今、彼氏いる?好きな人はいる?」と聞いてきた。
いないからこうしてサイトに登録してあって、デートしているんじゃないかい。
また、恋愛、結婚観も聞かれた。
どうしてサイトに登録しようと思ったのか、
恋愛はしたいけど、結婚は、今も昔も子供があまりほしくないということがあって
そんなにしたいとは思わなかった。
今も、結婚は二の次で、とにかく好きな人がほしいと思ったから登録した、などと正直に伝えた。
それを聞いた彼は
「俺も子供はどっちでもいい、いてもいなくても」とぽつりと言った。
他にもこれまでの恋愛のことも聞かれた。
「きれいだから、モテたでしょう。一番モテたのは何歳のとき?」
「全然。普通の人より恋愛経験は少ないと思う。モテるタイプでもないし、仕事に夢中で彼がいないほうがいいと思った時期もあったし、それに職場は女性だけで出会いもないし。ちなみに一番モテたのは小学校高学年」
聞かれて付き合った彼の話も少しした(数は少ない)。
見た目は、周りの人皆が褒めるほどイケメンだったが
自分と性格が似すぎていたため(シャイで受け身)、平行線で、うまくいかなかった、
また、決して嫌いではなく、デートするたびに、また会ってもいいな、とは思うのだが、
なぜ、星の数ほどいる男性の中で、敢えてこの人を選ばなければならないのか
プラスαがなかった、たぶんそこまで好きではなかったのだろう、など。
彼がバツイチなのはプロフィールで知っていたので
できれば、その辺を話してほしかったのだが、
そのことは何も話さなかった。
離婚の理由などを聞きたかったのだが、う~ん、私からずばり聞くのもなあ。
ずばりは聞けないから、関連のあることから聞いて、何とか向こうから話してもらうように持っていくか。
「りょうさんこそどうなんですか。今までの恋愛経験は?」
「俺も恋愛経験は少ないよ。
かえでさんと同じ銀行員で(私は元銀行員)、A大学出身で頭が良くて
かえでさんみたいな性格だった。やさしくて心のきれいな人と付き合って、
結婚しようかと思ってたけど
一緒にスキーに行ったとき、提案したスキー場が一杯で
そのとき、いつもおだやかな彼女が怒り出して
それが普通じゃない怒り方で
それを見て冷めてしまって、その後うまくいかなかった。
でも、今思えばその人が一番良かったと思う」
彼はそれしか口に出さなかった。
城ケ島に着き、また手をつなごうとしたが、
正直、つなぎたくなかった。
彼はそれを察知し「手、つなぐの、だめ?」
「うん、まだ。そういうのは恥ずかしいから・・・」
海の見える絶景まで歩いて行き、
駐車場まで歩く帰り道、やけに口数が少なくなったと思ったら
「ねえ、かえでさん、あの・・・付き合ってもらえませんか」
「え?!」
「ずっと、いつ言おうかと思ってたんだけど・・・」
「まだ会って2回目でわからない、私は時間がかかるから・・・」
「可能性はある?」
かえで、頷く。
「じゃあ、待ちます」
その日は、次に会う日を約束して、別れた。
この日のメール
「今日はありがとうございました。
会えば会うほど好きになってます。軽い人間でもないんですが。
今度も楽しみにしています」
「こちらこそありがとうございました。
せっかくのお気持ち、私も真剣に考えて、いつか返事します」