3月17日 「三体Ⅲ 死神永生」完読 | 岩丸の携帯日記

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CinemaSoundWorksという会社で
遅延気味な日々を追いかけ記録…(かなり…)

Netflixで配信が始まる前に読んどかないと…と、「三体Ⅲ  死神永生」に手を出しましたが、何か…読み飛ばすのが勿体なく、ジワジワと読んでました。

 

 

感想…

 

エンタメに特化した第2部の「暗黒森林」の方が面白いとか言うネットの意見を聞いてしまったので、どんなもんかと思っていたのですが…

 

凄い…、凄すぎる…。

目茶苦茶面白いじゃないか!

 

Netflixの配信が始まる前に、読み終えて良かった…。

 

どんな話か、書いちゃいますからね。

ネタバレしますよ…。

 

 

 

良いですか…。

 

 

 

知りたくない人は、ここまでにして下さい。

 

 

 

ネタバレですよ…。




知りませんよ…。



 

 

1960代から始まった、中国の文化大革命。

第1部の物語は、ここから始まります。

三体世界との交信の最初のメッセージは、「応答するな」。人類の行いに絶望している葉文潔は、三体世界と交信を始めてしまう。秘密裏に交信は続けられ、移り住む星を探していた「三体」は地球への侵略を開始する。秘密裏に組織されたETO(三体の地球での侵略計画を支援する地球の組織)と「三体」の通信の内容が暴かれ、400年後に侵略戦争が始まるという認識を世界中が持つようになる。

これが、「危機紀元」時代の始まり。

 

第2部は、彼らが到着するまで「危機紀元」時代の中の話。西暦になおすと、201X年から2208年の間の出来事が、第2部「暗黒森林論」のお話。

国連主導のもと、惑星防御理事会(PDC)が発足され、面壁計画が発動される。選ばれた4人の面壁者のうち3名は、ETO残党による破壁人に対「三体」防衛計画を暴かれ、計画は失敗に終わったかに見えたが、宇宙社会学博士の羅輯(ラ・シュウ)の計画により、「三体」の宇宙艦隊は、地球への進行を止めたのだ。

これが、「抑止紀元」時代の始まり。

西暦になおすと、2208年。

 


第3部「死神永生」は、ここからと思いきや…

「危機紀元」に戻ります。

PDC戦略情報局は、迫りくる「三体」へ人類をスパイとして送り込むという作戦を決定する。「階梯計画」と呼ばれたこの作戦は、人間そのものを送り込むのではなく、軽量化の為に人間の脳だけを送り込む計画。その計画の発案者は、程心という航空宇宙エンジニアの女性だった。そして、その脳の提供者として選ばれたのは、不治の病で安楽死を選択した雲天明という、程心の大学時代の友人だった。

死を決意した天明は、学生時代の天明のアイディアで大儲けした友人から送ってもらった金で、恒星DX3906という星を自分の生きていた証として、密かに慕っていた程心に匿名でプレゼントしていたのだ。

「階梯計画」は実行され、天明の脳は「三体」へ向かって飛ばされる事となる。計画に関わった人間が1人、人工冬眠で未来へ送られる事となり、程心が選ばれるが、「階梯計画」は僅かな誤差で、方位を失い、地球から観測できない宇宙の彼方へ消えてしまう。

 

「三体」の侵略の危機を脱した地球は、「抑止紀元」時代へ移行します。「抑止紀元12年」、第2部で「三体」艦隊から先に太陽系へ送られた「水滴」によって、地球の宇宙艦隊が絶滅させられる前に、戦線を離脱した「青銅時代」と「藍色空間」という宇宙船がいます。「三体」の侵略戦争が行われないことを知った「青銅時代」は地球に帰還しますが、罪に問われます。戦線離脱後、行動を共にした「量子」という船を攻撃し、「量子」の乗組員を食料とする為に殺した殺人罪で捕まります。

まだ地球へ戻ってこない「藍色空間」は、事の事態を察知し、地球以外の星への進路を変えません。地球側は、「万有引力」という新型の船で「藍色空間」追います。

 

一方、程心は、天明から送られた恒星DX3906に関する利益問題で、人工冬眠から目覚めさせられます。

「階梯計画」は、その後、何の進展もしてません。


暗黒森林抑止で地球と三体との間に、和平をもたらした羅輯はいまだに健在、「執剣者」として、両世界の抑止をいまだに担っていたのだ。しかし、あまりに高齢の為、「執剣者」を2代目へと移行する準備が進められています。そして、程心が2代目「執剣者」への職に就くことになります。

 

「三体」は、この機会を狙っていました。

「執剣者」が程心に変わるタイミングで、太陽系に送り込んでいた6つの「水滴」に活動を命じました。

地球側の管理する重力波宇宙送信システムは全て破壊され、「抑止紀元」は終了しました。

地球の文明と触れることで爆発的に科学力を進化させた「三体」は、次の占領計画を進める為に新型の艦隊を編成し、地球へ到着する時間を4年と短縮させていた。

次の占領計画は、もはや人類を壊滅させるのでは無く、人間の居住区をオーストラリアと火星に作ると。世界人口のオーストラリアへの移住が始まる。期間は、1年以内。陣頭指揮をとるのは、ヒューマノイド型へと変化した量子コンピューターの「智子」と、募集で集まり「三体」に身を売る代わりに身柄の安全を確保された500万人の地球維持軍。

1年後、オーストラリアに移住した人間は42億人。レジスタンスとしてオーストラリア外で活動するもの200万人、火星基地に100万人。「智子」は、オーストラリアの42億人にこう約束する。三か月後、「三体」の第二艦隊が地球に到着する頃には、快適な生活を約束する。ただし、その三か月間、電気も動力も軍備もない、この大陸で生き延びろと。少ない食料は、自分たちでなんとかしろ…と。…人類に、オーストラリアで壮絶な生き残りをかけた共食いをしかける。

程心も、その混乱の中にいた。ただし、失明した程心には、周りで起きている惨劇を見ないですんでいる。

 

一方、オールトの雲の外にいた「万有引力」も、同じタイミングで「水滴」に攻撃を受けていた。ただし、宇宙で幾つか発見されたブラインドゾーンの影響で暴走した「水滴」から、身を守ることに成功し、生き延びていた。その「万有引力」の前に現れる逃亡中の「藍色空間」。地球の異変を察知した「藍色空間」は、「万有引力」装備されている重力波送信システムを使い、二度と戻る事のない地球の為に、「三体」世界の座標を送信する事を提案する。2つの船の全乗務員1415名の投票により、座標は送信され、送信を確認した「三体」は、艦隊と「水滴」を太陽系から引き揚げた。

そうして、「抑止紀元後」の2年は過ぎ、2272年からの「送信紀元」が、始まる。

 

「送信紀元」が始まって数日後、「藍色空間」と「万有引力」の乗務員は、ブラインドゾーンが四次元のかけらという認識に立つ。その空間で、鏡のような表面をもつ巨大な円環体と接触する。

三次元の時間でいう2時間の航行時間で、20万km先にあるその物体と、6個の素数を現す6列のドットに翻訳できるビット配列での会話を試みる。彼は「自分は墓だ」と名のった。そして、「自分は、もう死んでいる」「次元の数を異にする空間同士の間に、暗黒森林は存在しない」と伝えてる。

四次元のかけらを目撃した彼らは、ある選択をした。このまま旅を続ける者、地球に帰還する者、それぞれがそれぞれに旅立った。

 

失明した目をもとに戻した程心は、「送信紀元」時代の中にいる。平穏を取り戻した地球だが、それはいつ暗黒森林理論で破壊されるかもしれない恐怖の中での生活。

ある夜、星空を見上げるように言われた程心は、今までに見たことのない光を夜空に見つける。その光こそ、3年かけて地球に届いた「三体」の3連恒星の1つが破壊されて行く姿だった。

「送信紀元3年と10か月」、「三体」世界は、恒星の破壊と共に滅亡した。

 

「万有引力」からも、その攻撃は確認できた。

光粒の痕跡を確認し、「三体」の3連星の恒星の1つに対し、何者かが攻撃したのだ。

ヒューマノイド型の「智子」は、程心と羅輯をお茶に招き、3年前に起きた「三体」世界の最後を語りだす。今現在「智子」は、絶滅を免れた艦隊の「三体人」にコントロールされているのだ。

絶滅を免れた「三体人」は、1000分の1。

彼らに、羅輯は問いかける。

「暗黒森林攻撃を回避する事は、可能なのか?自分たちは無害で安全であると、全宇宙に示すことは出来るのか?」

「三体」の答えは、一言だけ「はい」

 

やがて、「智子」とお別れの時が来た。

最後の茶会で「智子」は最後の使命を果たしますと言う。「雲天明が、あなたに会いたいそうです」

 

「三体」の監視下、天明と程心の対話は行われた。

会話できる内容は限られていて、「三体」世界に関する事を話そうとすると会話は止められる。

天明は、程心に対し、3つのおとぎ話を語り始める。

2人が子供時代に語り合ったおとぎ話だと天明は語るが、程心は天明が物語の中に隠された何かを伝えようとしている事を理解している。

 

やがて、「智子」と「水滴」は、太陽系から去り、3世紀に渡る「三体」との歴史は、幕を閉じた。

 

ここまでで、上巻です。

この先、話はまだ続きます。

むしろ圧巻なのは、下巻です。


雲天明の作ったおとぎ話を解読しようと試みる地球の学者達。

太陽系に対する暗黒森林攻撃の想定

人類生存計画の発案

空間の曲率を利用する航法

木星の裏側に移住する、掩体計画

太陽系を低速ブラックホールで包む、暗黒領域計画


かつて天明より送られた恒星DX3906に関する利益を管理する会社の経営権を、かつての上司であるウエイドの預け、程心は再び人工冬眠の機械に身を預ける。


掩体紀元11年、程心は目覚める。

そこは、掩体計画が実行された後の世界。

人は、宇宙に進出しても、揉め事を解決出来ずにいた。


更に、その先、暗黒森林攻撃は思いもよらない形で、太陽系に訪れる事となる。


これでも終わらないのです。

最後の200ページは、完全に想像を越えて来ました。

というか、私の頭では、こんな発想…無理です。


さぁ…準備は出来ました。

Netflixの配信を待ちましょう。




おまけの「死神永生」の年表です。

 

抑止紀元、2208年から2270年(62年間)

抑止紀元後、2270年から2272年(2年間)

送信紀元、2272年から2332年(50年間)

掩体紀元、2333年から2400年(667年間)

銀河紀元、2273年から不明

 

DX3906星系

暗黒領域紀元、2687年から18906416年

宇宙#647時間線、18906416年から



知りませんよ、ネタバレって言いましたからね。