1月29日 憧夢超女大戦~25年目の真実~ | 岩丸の携帯日記

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CinemaSoundWorksという会社で
遅延気味な日々を追いかけ記録…(かなり…)

元週プロ記者の小島さんの著書だから、購入。


女子プロレスがブームとなったのは、過去3回。

70年代後半のビューティーペアのブーム

80年代のクラッシュギャルズのブーム

90年代の団体対抗戦時代のブーム

この対抗戦ブームの終着点が東京ドーム大会。


そこから業界最王手の全女が倒産し、女子プロレス自体が地番沈下を起こし、2000年時代には東スポの女子プロレス大賞も該当者無しという事態が5年も続き、日本から女子プロレスの灯が消えかかる。


その90年代の記録をまとめたもの。



当時、週間プロレスで女子プロレス番だった小島さんが、女子プロレス史上初の東京ドーム興業までを当事者達のインタビューから再構成した1冊。

90年代の団体対抗戦をリアルタイムで熱心に見ていた、あの記憶が蘇る。
確かに、無茶苦茶あの時代の女子プロレスは、面白かった。

最初に面白いと思ったのは…、
ビューティーペアからクラッシックギャルズまでのブームは、今まで酔っ払いのオッサンしかいなかった会場に、女の子が宝塚歌劇団の男役を見るように押しかけた結果のブームだった事。

女子の応援の仕方は、特定のレスラーを見に行く観戦の仕方。その特定の誰かがいなくなると去って行く。次の何とかペアや何とかギャルズを待つ為に冬の時代を何とかやりくろうと、インディーと呼ばれる男子プロレス団体に、全日本女子プロレスがリングを貸し出し、女子プロレスもセットで提供する。それで次のブームを待つつもりでいたのだが…。

男性ファンの特徴は、試合内容の評価で、その団体の試合が面白いと感じたら、個人ではなく団体を応援する。試合内容の高さから女子プロレスの面白さに気づいた男性ファンが90年代の団体対抗戦時代を後押しする。

交わって欲しいけど交わらない、猪木と馬場の関係を見続けていた男子のプロレス。越えられない壁が、世の中には存在し、どうしようもない事は、諦めるしかない。会社間の政治的な部分が見え隠れし、仕掛けられた対抗戦しか見れないと思っていたファンが、飛びついた。
越えられないはずの団体の壁を壊し、犬猿の中と言われた団体同士が交わり、団体同士の意地の張り合いと殺伐とした潰し合いに、心躍らないはずがない。

その団体対抗戦の口火を切ったのは、デスマッチで世間に名を馳せた新興勢力のFMWの女子部。禁断の扉を開けてしまったのは、元全女の名前のあるベテランでなく、女子プロレスファンですらまだ名前を知らないシャーク土屋と言う選手だった事。

そのシャーク土屋のインタビュー
女子プロレスの王道、全日本女子プロレスのスタッフから、ロッシー小川
全女対抗勢力だったジャパン女子プロレスから分裂し過去の失敗を繰り返させまいとしたJWPの山本さん。
同じく分裂し、JWPと犬猿の仲と言われ、神取忍をようするLLPWの女社長の風間ルミさん
若くして全女を退団したが、FMWで見事復帰し、邪道姫としてFMW女子部をまとめた工藤めぐみさん。
それぞれのインタビュー。

どうして団体対抗戦へと、それぞれの団体が舵を切り、女子プロレス史上初のドーム興業へたどり着いたのか?あのドーム興業は、失敗だったのか…。

そんな90年代を思い起こす1冊。

結構…面白かった。
当時の記憶がよみがえりました。

「ドーム興業は、失敗じゃなかった。黒字だったんですから」という元全女のロッシー小川さん。現スターダムのGM。
今や、女子プロレスのスターダム人気は、国内男女プロレス団体の観客動員数2位まで復活させている。

新たなムーブが、起きようとしてます。
起きますよ。
今のスターダム、面白いですからね。

全ては、歴史の教訓の上に立っている。