「よし、行こう!」
突然、うちの中山社長に拉致られた。
電車に乗せられて、気が付けば、新百合ヶ丘…。
日本映画学校の大教室にいた。
実は私もここの卒業生。
映画学校の大教室に置いてあるモニターの調整要員目的の拉致である。
見知らぬ国じゃなくてよかった…。
本日は映画学校の三年生の技術三科(撮影、録音、編集)の卒業制作発表会であるらしい。
三年生である太田くんや町くん、今村くんや毛井くん、先日まで楽映舎の現場で一緒だったケンちゃんが不思議な顔して私に声をかけてくる。
「どうしたんですか?」
「…拉致られました。」
それぞれの一生懸命さが見える卒業制作、ふと懐かしくなったりする。
やがて、この業界の後輩になるであろう彼等が可愛くもあり恐くもある。
負けないように頑張らないと…。
モニターの調整終了後、あの頃とは、だいぶ違う風景の新百合ヶ丘を後にする。
常に時間とともに変化し続ける。
そして前に進む。