核兵器のない世界へ | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
<私の目指す政治活動>
 ○自立的な生活経済圏     ○誇りの持てる教育
 ○一人でも多くの三浦ファンを ○より身近な市政に

8月6日「原爆の日」。


7月31日に岸田首相は、総理大臣として初めて核拡散防止条約再検討会議に出席し、演説しました。
「今回、私は強い懸念と危機感をもっ て、日本の総理大臣として初めて、NPT運用検討会議に臨んでいます。『核兵器のない世界』への道のりは一層厳しくなっていると言わざるを得ません。しかし、我々はいかに道のりが厳しいものであったとしても、この理想に向け、現実的な歩みを一歩ずつ進めていかなくてはなりません。その原点となるのはNPTです。」


被爆地出身国会議員として初の総理大臣、岸田文雄による著書『核兵器のない世界〜勇気ある平和国家の志』。

レーガン、ゴルバチョフ、そしてオバマといった指導者たちがこれまで幾度となく『核全廃』の松明を掲げ、それに向かって挑戦してきた。
今、それを誰が引き継ぎ、誰につないでいくのか?
岸田首相の政策で私が期待しているのは、「核全廃」の道標とその発信です。
2012年からの外務大臣時代、核保有国と非核保有国の有識者による「賢人会議」を設置し、核軍縮に取り組んできました。
岸田総理の親戚である反核活動家のサーロー節子さんも総理就任に当たり、
「市民や被爆者の声に耳を傾け、リーダーシップを発揮してほしい。… 
軍事的な側面だけから捉えるのではなく、人道的な観点からも、核問題を捉え、核廃絶の先頭に立ってメッセージを発信してほしい」
と大きく期待を寄せています(『毎日新聞』インタビューより)。
平和国家への志を持つ、第100代岸田文雄総理大臣に大きな期待が寄せられていますが、
しかし、決して平坦な道のりではありません。

核戦略は極めて高度な心理ゲームとなっており、「核の傘」の下に安全保障政策の根幹を堅持していながら核の保有禁止に応じることは矛盾しており、ゆえに国連の核兵器禁止条約に賛同できないのです。
「虎の子」の核で脅し領土侵攻を企むロシアや国際ルールに反し核超大国化する中国、
核保有の野心を決して捨てない北朝鮮といった周辺国、
「核兵器による総合的な抑止力」を強める米国、そして非核保有国に対して、理想と現実に挟まれた厳しい交渉や協調が必要となるのです。
 

「地球人の地政学的環境が劇的に変わらない限り、核全廃は現実的には難しい。そのプロセスが続く間、米国自身のための核抑止力だけでなく、
日本など同盟国・友好国への拡大抑止力(核の傘)も維持しなければならない。
これに伴い、『核の先制使用』を巡る『戦略的あいまい政策』は、当面、維持するのが望ましいーー」
2009年5月6日、米戦略態勢委員会が発表した最終報告書でウィリアム・ペリー元々国防長官らが記した提言

「核廃絶というアジェンダは紛れもなく、地球温暖化やパンデミックなどと並び、地球環境の課題、
つまり、グローバルな案件であり、人類共通の懸案事項なのです。
もちろん、『核なき世界』の実現もそれらと同時に語られるべきものであり、決して米国や、日本だけで解決できる課題ではないのです。
加えて言えば、私は常々、内外の政治の方向として、『分断から強調へ』と広く訴えています。
まさに、これらの課題解決にはそうした方向への努力が強く求められていると思うのです」

「もちろん、『この地球上から全ての核兵器を無くしたい』という思いは人一倍、胸に秘めているつもりです。
しかし、一方で『だから、直ちに廃棄しろ』と言っても多くの人、国家が『はい、そうですか』と
応じるわけでらないことも明白なのです。
私は政治家として何が困難に向き合う時、常に『リアリズム』を重視する姿勢を忘れないようにしています。
私が政治の世界で所属する自由民主党、わけても私がリーダーを務める『宏池会』という伝統ある政治集団の本質、神髄もそこにあるのです」

「オバマ大統領による広島訪問の実現について、最も貢献した人物は誰なのでしょうかーー。
そう問われれば、私は迷わず、最初にキャロライン・ケネディ駐日大使の名前を挙げます。
というのも、私とケネディ大使は彼女の就任後から断続的に広島について語り合い、多くの共通項を見出すことができたからです。
実は、ケネディさんは二十歳の時、広島市の平和記念公園などを訪れ、被爆者とも面会しています。…
『私は広島を訪れ、より良い平和な世界の実現に貢献したいと切に願うようになりました』と明かしています。…
何度も外務省に足を運んでくれたケネディさんに対して、私は大統領による広島訪問の意味や、
地元の人たちの思いを誠実に伝えました。…
(大統領による広島訪問数日後)私は彼女ひこう返答し、心からの謝意を伝えています。
『現職の米国大統領が広島を訪れ、世界に向けて「核兵器のない世界」を目指すというメッセージを
発信してくれたことを、一人の広島市民として、
そして被爆地出身の外務大臣として心からうれしく思います』」
   
「『資料館に展示されている貴重な資料を見て、被曝の実相に触れなければ、その後の演説も献花も意味合いは半減してしまう』
私は何度となくそう主張し、米側を粘り強く説得しました。今、振り返ってみれば、オバマ大統領自らが資料館を訪れて、被爆の実相に触れることで『「核のない世界」を実現しなければならない』というより強いメッセージを世界のに向けて発信してもらいたい、という衝動が私を強く突き動かしたのだと思います。…
約十分間という短い滞在時間の中で、本当に伝えたいエッセンスを理解してもらうため、
資料館のスタッフたちが特別に並べた展示品について、私は誠心誠意、英語で直接、オバマ大統領に説明しました。…
唯一言えるのは、記念館でオバマ大統領が特に関心を寄せたのが、被爆後に闘病生活を続けながら、
わずか十二歳で白血病を患い、
この世を去った(原爆の子の像モデル)佐々木禎子さんがその短い生涯の間に紡いだ物語だったということです」

「この世界から全ての核兵器を無くすためには北朝鮮のように国際社会の目を盗んで核兵器開発を進める行為を断固として許すことはできません。
それと同時に、すでに保有している核を全て廃棄させなければなりません。
ただ、その道のりは長く、険しく、今後も紆余曲折があろうことは、これまでの説明でおわかりいただけたと思います。
私も外務大臣として長らく取り組んできた対北朝鮮外交ですが、その中核をなす核廃棄問題における
『失われた30年』は、残念ながら日本が『核兵器のない世界』を目指す上で、最も厄介と思われる『不都合な真実』の一つなのです」

「2015年3月15日、プーチン大統領はこの日の夜に放映されたテレビ番組で、ウクライナからクリミア半島を併合する際、核兵器の使用の準備を始まる可能性があったことを明らかにしました。…
ロシアは核に対して、独特の考え方を醸成しています。それはすなわち、『紛争を緩和するために紛争を煽る』というものです。
つまり、ロシアが関与する紛争について、局地的な核の先制攻撃、あるいは核を使用する構えを見せることで全ての関係者の緊張感を高め、結果的に敵を引き下がらせるーーという考え方です…」