8月23日、823戦役(金門島砲戦)60周年の本日、「金門島」に上陸しました。
島は台湾から約1時間のフライトで、中国がすぐ目の前。台湾側と中華人民共和国福建省廈門市とは、海を隔てて最小2.1kmしか離れておらず、
国共内戦期間中の最前線となりました。
1958年8月23日、中国共産党が金門島奪還を図り、激しい砲撃戦による金門砲戦が発生しました(同年10月中旬に一旦終息)。中国による集中砲火の襲撃に遭い、2時間で5万7,000発あまりの砲弾が撃ち込まれ、同戦役で国軍の将兵456名が戦死し、1,972名が負傷、金門住民も162人が死亡し、638人が負傷しています。最終的に金門島を死守したことで、台湾本島の安全が確保できたのです。
その後も中国からの砲弾攻撃は20年間定期的に続き、アメリカと中国による米中共同声明の合意で国交を正常化したことで、砲撃は止みました。
しかしながら近年、中国は金門島近辺での軍事演習を繰り返しており、再び軍事的緊張が増しています。
「翟山坑道」
砲弾から輸送船等の移動を守るため、掘られたトンネルと水路です。海から直通するA字型地下道となっていて、約42艘の小型船を収容することができるそうです。1966年完成。
「獅山砲陣地」
震東坑道と呼ばれる坑道があり、1969年に完工。全長509m、高さ4.6m、幅3.6mです。
以前は「威震金東(砲声が金門に響く)」と言われるほどの巨大な爆音だったそうで、震東坑道の名前もそこから来ています。大砲発射実演練習が観光として行われており、迫力ある空砲が放たれました。
金門島は面積131.7㎢で、小豆島をちょっと小ぶりにした大きさで、人口は戸籍上13万人を超えますが、補助金目当ての登記で、実際は5万人程度ということです。特産品は高粱酒と金門包丁で、包丁は中国側から砲撃された砲弾の鉄が原料となっています。
最後の写真、すぐ近くの対岸が中国側、廈門市です。
大きな国際空港を建設中で、埋立工事が進められています。