「神奈川県埋蔵文化財センター」を視察しました。
早期完成が待たれる三浦縦貫道路II期工事では、
いまだ横須賀市「船久保遺跡」の発掘調査が続けられていますが、
そこから全国的にも珍しい旧石器時代の
狩猟用おとし穴(約3万1千年前)が発見されたそうです。
陥し穴状土坑は、平面が円形や長方形、
断面が逆台形(平均深度1.4m)のもので、
イノシシやシカ等の追い込み猟や待ち伏せ猟を実施していたと考えられます。
埋蔵文化財センターは、昭和57年に設立され、県として発掘調査を実施していましたが、
平成11年から「かながわ考古学財団」に移行され、
県教育委員会文化遺産課の中村町駐在事務所として
国・県等事業の発掘調査による出土品や
記録・図面類等の資料を収蔵・保管しており、
公開・活用を通じて、県民のみなさまの歴史や文化に対する
探求心、学習意欲などに応えるための様々な事業を行なっています。
建物の正面入り口は古墳時代の円筒埴輪をイメージしたデザイン。
内部には事務室・図書館・収蔵庫・展示施設・イベントスペースがあります。
「埋蔵文化財」は、先人たちの活動の痕跡(遺跡)や
土器・石器などの使った道具(遺物)等文化財保護法に定められた法律用語で、
地域の歴史や文化の成り立ちを明らかにする上で
欠くことのできない国民共有の財産です。
県内には遺跡が8,000箇所以上あるそうで、
今後も新東名高速道路等開発工事の度に数は増えていきます。
関東地方では、旧石器時代の石器等が関東ローム層最上層の
立川ローム層から発見されます。
ローム層は火山灰の堆積層のことで、箱根火山や富士山に近いことから、
県内では立川ローム層の厚い堆積がみられ、
保存状況も良く保たれているのが特徴となっています。