「WHO(世界保健機関)幹部職員との意見交換会」に出席しました。
神奈川県と連携しているWHOエイジング
アンドライフコース部長 ジョン・ベアード氏に講演いただき、
その後意見交換会では、佐藤光議長、首藤健治副知事
そしてWHOに派遣された角 由佳氏が加わりました。
ジョン・ベアード氏はオーストラリア出身、
シドニー大学名誉教授の医師。
アボリジニーの健康に関して研究し、
現在はWHOにおいて、政策、戦略方針、マネジメント、
資金調達、健康な高齢化に向けた
2020-30年の取り組みに関する責任者を務めています。
2050年、高齢化は世界的に進むことが予測されています。
しかし、予測地図を参考にすべきではありません。
60歳以上の高齢者というのは、みな同じものではないからです。
人口統計を超えて、高齢者は…
◯多様性"Diversity"(典型的な高齢者は存在しない)◯不平等"Inequity"(高齢者の多様性はランダム(偶然の産物)ではない)
◯社会基準や行動は、順応性がある
◯健康の重要性"Importance of Health"
もし健康であれば、高齢者でも様々なオプションがある。
●今の70歳は、昔の60歳に相当するわけではない"70 is not yet the new 60"
●健康な高齢化って何?
「健康な高齢化"Healthy Ageing"」とは?…
「高齢であっても満足できる生活を可能にするための
機能的能力を発達および維持する過程」
「機能的能力の分野"Domains of functional ability"」高齢者がありたい姿を可能にする能力 → 個人(内在的能力)・住んでいる環境、地域(アクセシブルな交通・高齢者の雇用等)
理想は、機能低下を予防して、いつまでも高く安定した機能を持ち続けること
◯移動可能である◯学習、成長、意思決定◯基本的な要求をみたす◯関係を築き維持する◯貢献する
世界の多くの医療制度は特定の個人を対象にしているもの、
個別個別の疾病を治療しているに過ぎない。
しかし、もっと効果的アプローチは、インテグレーティッド"Integrated"アプローチ、統合的アプローチが必要。
特に環境面での介入が有効となる。
機能低下を補完するシステムが必要。
→ バスや建築物、社会的側面(高齢者への対応)
「未病」は、健康と病気の状態の間を語ります。
それこそ、まさに真ん中の部分(機能低下)を指しているのだと思います。
「高齢化と健康に関する世界的な政策と行動計画」→世界194カ国が合意
◯健康な高齢化に関する施策に注力する(政策的コミットメントを発揮すること)神奈川県は特に注力している
◯高齢者に優しい環境(エイジフレンドリー→すべての年齢層にフレンドリーな概念)
◯高齢者のニーズにあった保健システム
◯介護システム(いかに意味のある尊厳ある生活ができること・長期的な介護システム)アフリカ・アジアの困難な介護事情→ASEAN等で議論している課題
◯よりよい測定、モニタリング、研究(実証的アプローチ)
WHO「高齢者に優しい都市やコミュニティの
グローバルネットワーク(GNAFCC)」…
WHOが主導する、高齢者に優しい都市づくりに取り組む自治体等の国際的なネットワーク「エイジフレンドリーシティ」
2012年、37カ国500!都市が参画
〈使命"The mission"〉
◯世界中の都市やコミュニティがますます高齢者に優しくなれるように支援する。
◯何がどのように実現可能かを示すことで、変化を促す。
◯情報や経験を交換しやすいように、世界の都市やコミュニティをつなげる。
◯革新的で、エビデンスに基づいた解決策を見出せるよう支援。
神奈川県では、県内市町村のWHO「エイジフレンドリーシティ」への参画を
支援していきます。