『地方消滅』の著者であり、都知事選に出馬した
増田寛也元総務大臣の講演をお聞きする機会を頂きました。
テーマは「地方創生によるまちづくり〜
一億総活躍社会の実現に向けて」。
今地域経済で起きていること…
世の中「空き家」が増えています。
全国820万戸といわれますが、人口減の結果として地域はより深刻です。
大事な資産として活用していかなければいけない。
農水省によれば、全国20%の農地が所有者がわからないそうです。
今後「団塊の世代」の相続が大量に発生し、土地の価値はさらに下落し、ますます「所有者不明土地」は増えてきます。
制度的変革が必要。
人口問題には二つの課題があります。
①非婚や出生数減少の問題(出生対策・子育て負担軽減)
②社会減の問題(地方から東京圏へ 20代の若者中心に毎年約10万人が流出)
→自分の地域をよく知ってもらう。
※良さを伝える!
魅力ある職場、働きやすいまちづくりをしていかなければいけない。
◯地域しごと問題
①労働生産性の低さと賃金格差
②地域経済全体の伸び悩み
若者からみると、魅力ある職場の不足は切実な課題。
地域に新たな仕事と投資の流れをつくることで、
労働生産性ひいては賃金水準を引き上げつつ、
若者を惹きつけるような職場を増やすことが課題。
若者流出が深刻な30万人未満の経済圏は、農業ウェートが高い。
よそ者を呼び込み、域外からの消費をもたらす
『観光』とともに、ブランディング強化による
『農業・観光』の稼ぐ力の向上は、喫緊の課題。
頼れる地域中核企業が特定できれば、
地域中核企業を核に、イノベーションによる新市場の開拓も。
〈「まち・ひと・しごと総合戦略2016」各分野の政策の推進〉
1.地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする
①地方と世界をつなぐローカルブランディング(農林漁業中核型、観光、製造業・農林漁業並立型)
②ローカルイノベーションによる地方の良質な「しごと」の創出(製造業・農林漁業並立型、製造業中核型)
③ローカルサービス生産性向上
④地方の先駆的・主体的な取組を主導する人材育成
⑤「創り手」となる組織づくりの支援
2.地方への新しいひとの流れをつくる
①企業の地方拠点強化
②政府関係機関の地方移転
③「生涯活躍のまち」の推進
3.若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる(地域アプローチによる少子化対策)
①地域の実情に応じた働き方改革
4.時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに地域と地域を連携する
①稼げるまちづくりとコンパクトシティや広域連携
②集落生活圏維持のための地域運営組織及び「小さな拠点」の形成
〈課題〉
①地域活性化(ふるさと創生)
地方での「雇用の場」の創出
②「働き方改革」
長時間労働の抑制、男性の家事・育児参画、
女性活躍、同一労働同一賃金、テレワーク
③イノベーション
AI、ロボット、IoT、ビッグデータ
④まちづくり
コンパクト+ネットワーク
「空き家」、「所有者不明土地」対策
⑤移民、「事実婚」
⑥東京一極集中の是正
大学等23区内の立地規制
〈ライフスタイルの見つめ直し〉
地方生活の魅力の見直し・歴史の発掘・文化の振興
・地方…豊かな自然、固有の歴史・文化・伝統、特色ある農林水産物などの魅力にあふれる
・ひと…生まれ育った郷土への誇り、愛着を持つ
→
◯地方の魅力再発見、発信
◯自らが生まれ育った「郷土への誇り・愛着」の醸成
◯歴史の発掘、地域文化の振興