「第2回リノベーションまちづくりシンポジウム@みうら」
に出席しました。
講師は、使い方をデザインする設計事務所
株式会社ブルースタジオ専務取締役の大島芳彦氏 、
テーマは「あなたでなければ、ここでなければ、
いまでなければ〜共感の連鎖からうまれる当事者の環」 。
物件探しからはじめる個人邸リノベーションサービス
を多数展開し、地域再生のコンサルティングや
リノベーションスクールの実績から、「日本建築学会賞教育賞」を受賞されています。
〈リノベーションスクールとは…〉
市内の遊休不動産の有効的な再生方法について、
まちの未来を考えながら「模索」し、
実際の「活用」につなげて、不動産の再生だけでなく
エリアの「再生」を目指すスクールです。
「リノベーションスクール@みうら」は、
まだまだ受講生募集中です。
リノベーションスクールは、2011年北九州小倉からはじまり、
現在は全国四十数都市で実施しています。
先進事例は地方都市にある→
東京では、既存の空間・建築行為に依存してしまう。
リノベーションを建築と捉えて解決できるのは
東京くらい、問題は使い方。
リノベーションとは「管理」。
つくる時代→つかいこなす時代
モノで解決する時代ではない。
俯瞰する視点が大事。
つかいこなす=
◯構想する(考える)
◯経営する(管理する)
「経営力」→◯オンリーワン
◯共感を連鎖させる力
共感の環、当事者の環をいかに広げられるか?
→
「人の価値"キャスト"」「場所の価値"シーン"」
「時間の価値"シナリオ"」
物語(⇆物件)をデザインする
〈物件の価値とは?…〉
"GUCCI"を再生させたクリエイティブディレクター
トム・フォードは、衣服のデザインだけではなく、
生産や流通までデザインすることで付加価値を最大化させた。
建築・不動産業界にもデザインが必要。
〈失われたパブリックマインド…〉
すべての不動産は社会の共有物件である
→空き家問題への考え方を変える!
空き家は、活用を待っている「社会の宝」。
日本の空き家は全国820万戸
住宅投資に対する価値「評価」が低いことが問題。
500兆円の資産が寝ている…
暮らしの価値とは「コミュニケーションの価値」である。
〈コミュニケーションの価値をデザインする〉
つよいつながり→やわらかいつながり
ルール・しきたり→ビジョン・理念・価値観
「一人ひとりがビジョンを理解し、共感し、
当事者意識を持つこと」
→共感の連鎖と当事者の環
〈リノベーションの事例〉
①家族・地域・歴史の文脈を再編集
京浜急行梅屋敷駅 東海道の沿線
七代目続いた地主から物件管理を依頼
駐車場と古い家→賃貸住宅へ
「任せた!」→それは嫌だ!
ビジネスパートナーとして一緒に考える
「あなたでなければできないこと」をやらなければならない。
地主家族の歴史 →
壊そうとした古い家は四代引き継がれた歴史ある住居
→リノベーションしてアイデンティティへ
(新築よりも面積2割減・コスト減)
地域の方が集まるコミュニティスペースへ→
地域社会に魅力を感じる
②逃げも隠れもしない民間企業のパブリックビジョン
2011年小田急電鉄からの依頼
座間駅前100世帯企業社宅の廃墟を再生
「ホシノタニ団地」へ→60世帯が満室に
座間は小田急沿線でワースト5で駅力が低かった…
駅前に廃墟があることで、街全体の価値を下げていた。
この社宅のポイントは…
【あなた】
鉄道会社の公共性
沿線の人口維持
【ここ】
駅前団地・広場(利便性)
沿線最安値の賃料
首都圏に近い
【いま】
子育て世代と高齢者の共存共生
郊外の衰退、人口減少
「こどものための駅前広場をつくる」というビジョンに
→駅前のまちづくりを歩行者中心のまちづくりへ
一階を住民のためだけでなく、地域のためのスペースに解放する
(子育て支援センター・カフェ・菜園・ドッグラン等)
私と公の間、「共」へ
連鎖により周辺の商業施設まで発展している
「物件」を共感の環と当事者を生む「物語」に