全国連絡会議定時総会に出席しています。
特別講演「地方自治と森林」、
講師は東大大学院新領域創成科学研究科 山本博一教授です。
<多様であることの大切さ>
(持続性と多様性)
環境というのは一定ではない。
生物の多様性はなぜ必要か?→
環境の変化に対応するのを高めるため
文化の多様性はなぜ必要か?→
異物を排除することに危惧。
長い目で見れば、レジリエンス(resilience)、しなやかさが求められる
今まで効率性が重視され、
均質性が追求されてきたが、
これからは多様性を容認する社会を育み、
地域の個性を強調していく時代に向かっている。
<日本文化を育む森の恵み>
飛鳥時代、建築技術は大陸から伝わったが、
最古のものが残っているのは日本(法隆寺)。
耐久性の高い「ヒノキ」という木材は、日本でしか採れない。
日本の気候風土、「森」があってこそ。
清水寺の屋根は桧皮葺(ヒノキの樹皮)を使用している。
<森林の価値について>
陸地の三割が森林。
木の文化を伝える日本の森林
子どもたちの教育の場として森林を活用すべき。
森の生き物たちが命を繋いでいることを実感させることの出来る絶好の場所。
<市町村合併について>
効率的な自治体運営のために、
医療サービスや防災措置を集中化
平成の市町村合併で3,232あった自治体が半減(1,718)。
積極的だったのが広島・新潟・愛媛‥‥
問題点
防災体制の危惧
地域の様々なニーズに対応するため
予算化されていた小規模単独事業の縮減。
<明治維新前後の自治の違い>
自治体数が71,304
当時の人口3,000万人とすると、平均400人あまりの規模
徳川幕藩体制では、水利権を共有する共同体を形成。
警察権、徴税権も藩にあり、独立国のようなもの。
明治政府で中央集権体制に。
自治体の大きさは小学校の校区、300戸~500戸
<自治とは何か?>
自治とは、住民一人一人が自らの責任において地域を自律する仕組みのこと。
その根底には、住民が日常生活において密接な関連をもち、
共同体としての意義を共有するのことが前提。
妥協点を見いだす話し合いの場が成立する構成員の関係が醸造されているべき
→多様性を容認する社会を育む
「地方創生」のためには、それぞれの地域の個性を尊重すべき。
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