三浦市防災講演会〜釜石の奇跡に学ぶ | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

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一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
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「(防災について)今できることを粛々と行う。自らの最善を尽くすのみ」

1.17阪神淡路大震災からちょうど20年、
『三浦市防災講演会』に出席しました。

テーマ「釜石の奇跡に学ぶ」、講師は群馬大学片田敏孝教授です。
片田教授は、岩手県釜石市で長年(平成16年から)防災教育に取り組み、
東日本大震災の際に、釜石市内で児童・生徒の生存率98.8%
という成果に結びつき『釜石の奇跡』として各種マスコミに取り上げられました。
この講演会は、三浦市市制施行60周年・横浜YMCA創立130周年記念企画となっています。




講演内容
「奇跡」と言われますが、釜石市としては千人以上、
子どもたちの中にも5名の方が犠牲となっています。
子どもたちがちゃんと逃げる社会は、
大人がちゃんと逃げる社会、
災害にみんなで取り組める地域というのが重要です。
なぜ釜石の子どもたちが一生懸命逃げてくれたのか?
「学校・家庭・地域で取り組む命を守る絆の防災」についてお話させて頂きます。

何故、私が釜石で指導したのか?
釜石は絶対に津波が来る場所でした。
もう99%まもなく地震が来ると言われていた。
絶対に津波が来るのに、住民は逃げようとしない。
このまま災害を迎えたらどうなるか?という危機感から、
私は尾鷲と釜石を集中的に回っていた。
当時釜石で防災講演会を開いても
全然人が集まらなかった。
そのため子どもたちへの教育に絞って
先生方と防災教育に当たっていった。

東日本大震災、釜石の学校ではハザードマップの外側で、
津波が想定されていない場所だった。
しかし、子どもたちの判断で、あれだけ大きな地震だから絶対津波が来る、
と判断してちゃんと逃げたのです。

南海トラフ地震M9の地震が来た場合(千年に一回)…
三浦市の震度予測値は震度5。
津波想定値は、高知黒潮町34m、伊豆下田33m
、尾鷲市17m、三浦市では6m、が想定される。
黒潮町では日本一の津波想定を逆手にとって、34m缶詰を製造販売。
三浦市では、大きな地震が来れば、大きな津波が来る
ということを頭に入れておけば良いと思います。
「どんな津波が来るかわからない」
だからこそ、今出来ることを精一杯やることです。

ちゃんと逃げられる子どもを育てていきましょう。
行政に注文ばかりするギクシャクした防災ではなく、
みんなで精一杯前向きに防災に取り組む地域になってほしいと思います。


3.11や津波想定シュミレーション発表以降…
「想定」が変わっただけ。
自然、地球の営みが変わったわけではない。
我々は生きていく上でいろいろなリスクがある。
「災いに備え、やり過ごす主体的な姿勢を持ちながら、
今できることを粛々と行う。自らの最善を尽くすのみ」
これが大事な心構えです。

ハザードマップは単なるコンピュータの計算結果、
あの通りになるはずはない。
目の前が海だから、大きな地震が来れば
大きな津波が絶対にくる。逃げるだけです!

釜石市には34基の石碑がある。
先代は何度も津波被害にあった教訓を残そうとしていた。
しかし、歴史を忘れてしまう。

私が防災教育に入る前にも、
子どもたちは、学校で津波の歴史を習って知っていた。
しかし立派な堤防(水深63m海面上6mの世界一の堤防)があるため、
大人も子どもたちも逃げない、と言う。子どもたちの命を奪うのは地域の大人たちだ。
地域の大人たちの背中が子どもたちをつくるんです。
東日本大震災で釜石には16mの高さの津波が襲った。
高台の少ない1.7kmの低平地。行方不明が100名、千名もの犠牲者…
この現場で子どもたちは死ななかった。

中学生は、小学校にも呼びかけて(生徒数約3,000人)、
小さな子どもやお年寄りを助けながら、1.7kmの平地を懸命に避難した。
列の最後尾は波に触れるほどギリギリの避難だった…。
先生たちは校舎に残る誤った判断をしようとしていた。


どうして、こんな行動が出来たのか?

中学生に教えたことは、石碑を残した先人に想いを馳せること。
石碑は草ぼうぼう、この碑をなけなしのお金で建ててくれた人たちのことを調べて考えた。
それから釜石の子どもたちは変わりました。子どもたちは、石碑の草刈りや清掃を行う。
学んだ知識を地域に伝えた。小学校に対して「てんでんこレンジャー」、DVD作製。
お年寄りのために、リヤカーでの避難訓練や高齢者への安否札配布。
「助けられる人」から「助ける人」へ…

防災教育は、自分の力で出来ることをやる。とにかく逃げる。
自分の命を守ることを最優先すること。そして家族を信頼し合うこと。



『てんでんこの歌』
「100かいにげても からぶりばかり
それでも こんどもにげるんだ
じぶんのいのちは じぶんでまもる」


「てんでんこ」が釜石防災教育の基本。
一人ひとりが自分の命を守ること。



「阪神淡路大震災」…
1995年1月17日午前5時46分、
淡路島北部沖を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が発生。
最大震度7を記録。死者6,434名負傷者43,792名の
大きな被害を受ける都市型地震となりました。
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