海外あるある
バイリンガルニュース特別編で、ベルリン在住の女の子とのおしゃべりを聴きながら、海外在住あるあるエピソードに思わず笑ってしまった。 外国の街を歩いていると、よく人に挨拶をされたり話しかけられたりするのだが、その中でちょっとイラッとくるのが「ニーハオ」と「コニチワ」だ。 悪意はないのかもしれないけど、だからといって、好意的でもないと感じる。中国語の発音を揶揄って「チンチョンチャン♪」とか言ってくる輩は問題外としても、少なくとも、見ず知らずの外国人に対するリスペクトの意はないと思う。ナンパの切り口にしては幼稚なので、やはりどちらかと言えばバカにしたニュアンスへの比重が大きいのだろう。 バイリンガルニュースの3人がメンションしていた国はベルリンとロンドンなので、「ちょっとイラッとくる」レベルみたいだけど、アフリカでは「ちょっとイラッと」どころではなかった。なにしろ、背中から浴びせられる言葉が「プスーッ、チャイナ!」なのだから。この「プスーッ!」という無声音(?)は、かつて農場主が奴隷を呼ぶ時に使っていた音なのだそう。私が住んでいた地域では、その呼び方は相手を侮辱するために使われていたわけではないようだけど、目上の人に対して使っている人はいなかった(ましてや白人になどは恐れ多くて使えない)。それもあまり愉快ではなかったが、それよりも「チャイナ!」の方が気になった。最初は驚いたけど、あまりにも頻繁に呼ばれてうんざりしてきたので、どうしてそんなことを言うのかと聞いたことがあった。彼ら曰く、「色白で真っ直ぐな黒髪を持つ美しいアジア人と友達になりたくて声をかけた」らしいが、「はあっ?」と聞き返してしまった。オマエは小5男児かっ!? そんな声かけをされて友達になってくれる人がいるわけないだろう。アジア人は「チャイナ」じゃない…ってか、そもそも「チャイナ」は国名だし! ツッコミどころがありすぎて、もはや文句を言う気にもなれない。 ある日、とても暇だったので、いつもはフルシカトをしている奴らに、「プスーッ! ウガンダッ!」と返してみた。すると彼らは、「なんでウガンダ? 俺ら〈シャマリ〉だよ?」と抗議してきた。(ジンバブエ人は赤道より北のアフリカ人を下に見ているのだ)「あなたは今ちょっとムッとしたみたいだけど、私は毎日あなたにチャイナと呼ばれてもっと不愉快なんだけど? そもそもチャイナって何? 人に対して使うならチャイニーズでしょ」と言ってみた。すると、初めてまともに会話がで嬉しかったのか、「Ah,sory,sory. You Chinese, not China. Which part of China are you from? Are you married? How do you do your hair make? Any good hair dresser? brabrabra…」と、マシンガンのように矢継ぎ早に質問をされた。 …諭そうと思った私が間違っていましたね、はい。 …とまあ、アフリカとアジアに在住していた5年間で、似たような経験をわんさかした。海外にいると日本にいる時には想像もできなかった火の粉が降りかかってくる。それを余裕でかわして笑い話にできるかどうかは、人間性もあるけど、そこでの生活が充実しているかどうかにかかっていると思う。 私は隊員時代は生活が保障されていたから、なんとなく不愉快ではありながらも、「仕方ねえなあ」で済ませていたけど、スリランカ人と結婚して現地のお金で給料を貰って生活をしていた頃は、常に不安でいっぱいだったから、「日本人だから金持ちでしょ」的なことを言われるたびに神経がすり減っていった。 日本に帰国してだいぶ年月が経ったけど、どん底にいた時の記憶はなかなか薄れてくれない。私が執念深いタチだからなのかもしれない。 いやな経験を上書きできるように、次に海外生活をする時は、ちゃんと計画的に、少なくとも経済基盤を作ってからにしようと思う。