アジアハイウェイ第四集 | 手仕事人まるひげのブログ

手仕事人まるひげのブログ

 相撲と芝居、ときどき神秘学、その他日常…


北の湖理事長の急逝が、「もう大丈夫!」と思っても、じわじわ来ている自分がおります。

身近にかかわられてこられた方は、長いこと引きずられるのでしょうね…。


さて、シーズン1では、臥牙丸や栃ノ心の故郷が出てきたり、日馬富士の家系のルーツを思わせる家族が出てきたりして、大興奮だったNHK BSプレミアム「井浦新アジアハイウェイを行く」

セカンドシーズンひとつめ、第四集となる今回は、インドネシアとマレーシアでした。

(放送は11/21だったので、録画したのを後から観ました)



ガガちゃん(臥牙丸)や栃ノ心の故郷ジョージア(旧呼称グルジア)はキリスト教圏(正教)でしたが、これまで登場したアジアの国々はほとんどが、イスラム教圏。

ヨーロッパやキリスト教については、テレビのドキュメンタリーとかでたくさん見かける印象ですが、アジアやイスラム教を信仰する人たちの生活を紹介したドキュメンタリーは、自分にとっては希少な感じ。

(シーズン1の地域は、かつて「鉄のカーテン」の内側でしたし)

中東でアメリカがイスラム教圏の国と(国で)戦争をしていた影響もあるのか、報道からの情報を通して作られたであろう自分の中のイスラム教に対するイメージあるいは表象は、漠然とネガティブなものでした。

(たぶん、多くの人がそうじゃないのかな…)

自分の持っていたイスラム教へのイメージは、「戒律が厳しくてお祈りによって生活のリズムが支配されるし、食べ物も制限があってめんどくさくて、女性はヒジャブ(女性が着用するベールみたいなの)をさせられて虐げられている」という、そんな感じ。

それとは別に、高校生の時に大好きでバイブル的存在だった漫画「エイリアン通り(ストリート)」から受けた、神を崇高なものとして崇め具体的なものとして信じている、ムスリムの魂の在り方。
イスラム銀行と呼ばれる友愛に満ちた助け合いの精神。
かつてはヨーロッパ人にとっても憧れであり、後に現代の科学の基礎にもなった、イスラムの学問。(化学の用語はイスラム起源)

そう言った、ネガティブだったりポジティブだったりの表象が自分の中でうまく結びつかず、未だに明確な輪郭を持った表象が形作られてはいない感じです。

(正直”邪教?”的な印象さえありますが、自分が得た過去の報道からの印象に加え、「よく分からないもの、不確かなもの」に対する心理的な反射が、その印象を生じさせているにすぎないと思っており、明確な表象が形成されると自ずと払拭できるものだろうと思ってます)



シーズン1では、例えば「社会主義と言うのは独裁的な仕組みなのだなぁ」と言った、社会的な仕組みに対する印象が強かったのですが、第四集を見た限りですが、宗教的なものへの印象が、より強く残った感じでした。


キリスト教もそうですが、仏教なども土着の宗教と融合してきたところがあると思います。

(キリスト教の場合南米においてその例が見受けられますが、仏教の場合はヒンズー教との融合が知られていると思いますし、日本では七福神の大黒様と大国主とが融合してますよね)

イスラム教ではそう言ったものはないと思いこんでいたのですが、インドネシアのジョグジャカルタにあるイスラム教徒の王族建物はヒンズー的なアジア風で、女性も肌を露出していたり。
インドネシアにイスラム教が入ってきた時代には、ほかの宗教と同じように、寛容であったことを知りました。


マレーシアでは、日本で何年も生活していたという女性が登場しました。
彼女を見て、20年近く前に原宿にあるお店で働いていた時、同僚にマレーシア出身の女性がいたことを思い出しました。
(彼女の”チキン”の発音が”チーケン!”だったのが、とても印象に残ってます)

自分の知っている女性はヒジャブをしていなかったのですが、登場した女性はいかにもなイスラム女性のいでたち。
日本に居た頃の彼女の写真ではヒジャブはされていなかったのですが、”温故”的な考えから、自ら意識的に、イスラムのいでたちを選んでいるようでした。

日本でも、仏教や神道などの伝統的な宗教のあり高を尊重したり、和装が見なおされてますよね。
つまり、それと同じだと思ったのです。
精神と言うか魂の在り方は私たちと同一で、ただ、これまでの伝統だったり信仰している宗教が違うというだけのことだと。



今回の番組を見て、自分の中のイスラム教へのわだかまりの一つ(あるいはいくつか)が、解けたように感じました。

自ら積極的にイスラム教を理解する時間的な余裕は、今の自分にはありませんが、これから時間をかけながら、イスラム教のことを、理解したいと思いました。

過激派やテロの横行する昨今、それは私たちに必要とされていると、そんな風にも考えるのです。


他にも感じたことはありますが、今回は時期的にも必要であるかと思い、この感想だけを述べることにしました。

次回はタイ・ベトナム。

12月19日21時からの放送です。