木曜日になりました。

晴れて尋常ではない暑さの日々が続いていましたが、梅雨らいい空模様になりそうです。

メルマガでも何度か書いてきましたが、私の感覚からすると「何はともあれ、これが今の日本だ」であって、それ以上でもそれ以下でもありません。

今後ますます、「例年」「昨年」「統計を取り始めてから」などという言葉の意味がなくなっていくのでしょう。

天気予報の文言も、変わっていくべきかもしれません。

そんな暑い日々の中、7月3日には、「新紙幣フィーバー」が報じられていました。

「だからどうしたっていうの?」
「そのうち、市中に出回るんでしょ?」

という程度のことなのに、メディアは、何かから世の中の目を逸らさせようとしていたのでしょうか。

因みに、次のような記事はあちこちにあります。

①は2019年の『現代ビジネス』の記事、②は2021年の『プレジデントオライン』の記事です。

①『実は恐るべき性豪…渋沢栄一と北里柴三郎「新札の顔」の意外な共通点
「資本主義の父」「細菌学の父」の素顔
https://gendai.media/articles/-/66091?imp=0
河合 敦歴史研究家 多摩大学客員教授
 4月9日、2024年から日本の紙幣が刷新されることが突然発表された。
 それぞれの肖像に選ばれたのは、一万円札には「資本主義の父」である渋沢栄一、五千円札には「女子教育の先駆者」の津田梅子、千円札には「近代日本医学の父」の北里柴三郎である。
 日本ではおよそ20年周期で紙幣が刷新されてきた。今回も千円、五千円札は20年ぶり。ただ、一万円札に至っては1984年に聖徳太子から福沢諭吉になって以来40年ぶりの刷新というから、刷新されること自体には特に疑問はない。
 でも、人選については違和感を持っている人もいるのではないだろうか。いずれも立派な功績を残した偉人であることは間違いないのだが、失礼ながら福沢諭吉などに比べてやや馴染みが薄いことは否めない。(以下省略)』

②『「NHK大河ドラマではやはり描きづらい」20人の婚外子をもうけた渋沢栄一の”婦人ぐるい”
その倫理観には妻も心底あきれた
https://president.jp/articles/-/53258
香原 斗志 歴史評論家、音楽評論家
(本文省略)』

新紙幣で盛り上がっている場合でしょうか。

一方、こちらも話題の東京都知事選挙が終わりました。

結果に関しては、それぞれが自分の価値観によって受け止めるしかありませんが、たとえば「立候補者のポスター掲示」の無意味さが明らかになったことは確かでしょう。

また、基本的に自分たちで自由に作成することができる「政見放送」の無意味さも明らかになったように思います。

ポスターに関しては、今後は、投票所前(建物入り口)あたりで掲示すれば十分ではないでしょうか。

さらに、一方的な政見放送を流すくらいなら、立候補者を集めて、投票日前日まで毎日公開討論会を開く方が有効でしょう。

そんな公開討論会をノーカットで、NHKやインターネットを通じで生放送すれば、今以上に「立候補者の人となりや政治的主張」が浮き彫りになるでしょう。

もちろん、この公開討論会に一定回数以上出席しない候補者には、「政治の世界」から退場していただいてもいいですね。

最近のテレビでは「熱中症」ばかり取り上げられていますが、新型コロナや他の感染症にも注意すべきだという情報もあります。

次は『ヤフーニュース』(かなり編集しています、すみません)です。

『7月に注意してほしい感染症!】新型コロナ徐々に増加 夏の感染症「手足口病」警報レベルのエリアも… 医師「マイコプラズマ肺炎、今後、更に増加」と予測
https://news.yahoo.co.jp/articles/8f2b520b30dcb626f9240f5bf021a6b7a766ee72
感染症・予防接種ナビ
■7月に注意してほしい感染症
 2024年7月に注意してほしい感染症について、大阪府済生会中津病院の安井良則医師に予測を伺いました。流行の傾向と感染対策を見ていきましょう。
◆【No.1】新型コロナウイルス感染症
 最も、注意して頂きたい感染症に、新型コロナウイルス感染症をあげました。昨年同週の流行状況と比べると、定点あたりの患者報告数は、下回っていますが、2024年5月の大型連休明けから6月末時点で、増加傾向にあります。現在、KP.3と呼ばれる新たな株が流行をみせていますが、KP.3はオミクロン株の一種で、以前に流行したBA2.86から派生した株です。ワクチンや感染による中和抗体による免疫からの逃避の可能性が高く、感染しやすいというBA2.86の特徴はそのまま引き継いでいるものと思われます。また、発症しても症状には大きな違いはないと考えられます。2023年5月から、5類に移行し、一年余りが経過しました。現在、入院される方は少なくなったものの、症状が悪化され搬送されてくるのは、ワクチン未接種の方が多い印象です。これから気温が高くなる季節を迎えますが、室内の換気など、基本的な感染対策を続けるなど決して油断しないでください。体調不良の場合や医療機関・高齢者施設を訪問の際はマスクの着用は必須です。2024年6月末時点で、沖縄県ではピークアウトの兆候がみられますが、全国的には、徐々に増えつつあります。例年通りであれば、梅雨明け頃から増加し、夏の流行を迎えると予測しています。KP.3の関連株が夏の流行の中心になると考えられます。流行の規模などは、予測できませんが、注意が必要と考えています。
◆【No.2】手足口病・ヘルパンギーナ
◆【No.3】咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)
◆【No.4】A群溶血性レンサ球菌咽頭炎(溶連菌感染症)
◆【No.5】マイコプラズマ肺炎
◆感染症に詳しい医師は…
 大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「7月に最も注意してほしい感染症は、新型コロナウイルス感染症を挙げました。沖縄はいったんピークをつけた動きをしていますが、全国的には、引き続き注意が必要でしょう。そのほか、手足口病や咽頭結膜熱(アデノウイルス感染症)など、夏の感染症が伸び始める時期となりました。お子さんをお持ちのご家庭では、お子さんの体調の変化に気を付けながら観察してください。またマイコプラズマ肺炎の患者報告数が、着実に伸びています。発熱・咳・肺炎症状と、罹患すると大人でも辛い症状が出ます。注意してください」としています。
 監修・取材 大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏』

新型のコロナの感染状況に関しては、緘口令が敷かれているような状況です。

「国民にとって大切なこと」の検証報道できない日本のメディアは、ほんとうにポンコツですね。

次は、前回のメルマガで紹介した『FRaU編集部』の記事、

『1回目前編 中学受験をしないからこそ身に付く力がある…「戦略的高校受験」という新アプローチ』
https://gendai.media/articles/-/132546

について考えてみます。

お返事をいただいたみなさん、いつもありがとうございます。

『周りの子どもたちに歩調を合わせるように、当然のごとく中学受験を目指しています。親子で真面目に取り組んでいますが、思うように進まずに「中学受験に向いていないのかな?」と感じることもあります。でも、高校受験となると、中学受験よりわからないことが多く、今さら高校受験にシフトする勇気もありません。アドバイスをいただけたら嬉しいのですが。』

このメルマガを読んでいただいている方々、「ジーニアス」に参加していただいている方々、すでに中学受験を終えた方々など、私の周りの方々は、世の中の子育てスタイルの分布(割合)から考えると、かなり中学受験側に偏っていることと思います。

また、中学受験にまつわる諸々のアドバイスを求めて、時に、私との面談を求めて連絡をいただく方々もいらっしゃいます。

そのような方々と接する際、私なりに気をつけていることがあります。

そのような方々の多くが、すでに「中学受験をする」とほぼ決めているウ印象で、もう一押ししてほしいという様子ですが、中学受験(中高一貫校進学)のメリットをお伝えするだけでなく、デメリットもできるだけ具体的にお伝えするようにしています。

「どんな受験でも」同じですが、「中学受験」も、良いことばかりではありませんし、残念な結果になる場合もあるわけですから、

「家族全員で、同じ方向を向いて環境作りをしていること」
「親子で、チャレンジすること自体の価値を共有できていること」
「一定の金銭的な裏づけがあること」
「できれば、祖父母の理解が得られること」
「うまくいかないときもあるが、後悔しないこと」

などなど、必要な条件をお伝えするわけです。

そもそも、これらの条件の必要性は、大学受験→高校受験→中学受験→小学受験(幼稚園受験)の順で、だんだん高まっていきます。

大学受験となれば、もはや「本人次第、本人任せ」ともいえて、親や家族の出番はかなり少なくなるでしょうが、小学受験(幼稚園受験)となれば、ほとんど「親の受験、家族の受験」となります。

そんな受験の序列の中で、中学受験は、ざっくりいうと「子ども本人の努力が7割、親・家族の協力が3割」といった見立てが多いようです。

しかしながら、もしかするとそれは、「奇跡的に順調にいった場合」の話かもしれません。

時に、極論すれば、「子ども本人の努力が10割、親・家族の協力が10割」などと、常識を超えてとんでもなく過酷な事態も起こりかねないのが中学受験です。

だから、そのような「過酷な状況の兆し」がみえたらどう対処するのかを見通すのも、親の責任です。

この記事がいうように、「戦略的高校受験」に路線変更も想定のうちかもしれません。

もちろん、「家族全員で高校受験へのシフトを受け入れられる」場合ですが。

では、「戦略的高校受験の三本柱」について考えてみます。

『1:子どもが熱中する習い事や活動をする
 小学生の時期は、子どもの好奇心が旺盛な、貴重な時期です。この時期を「余白の時間」と捉え、子どもが情熱を持って取り組む活動に割きましょう。たとえばスポーツやプログラミング、ロボット教室、歴史、絵画、ボーイスカウトなど、子どもの興味や才能を最大限に引き出す「種まき」に徹します。この時期を通じて、大学進学や将来のキャリアでの専門性、そして人生の軸となる趣味や特技を見つけます。』』

『子どもの興味や才能を最大限に引き出す「種まき」に徹する。』は、まさに子育ての正論だと思います。

しかしながら、前回のメルマガでもお話した通り、親は、子どもが「やりっぱなし」にならないようにつねに気を配る必要があります。

子どもが取り組む内容によっては、ある程度子どもに任せておけることもあるでしょうが、親や家族が「やりっぱなしにならない」ように管理する必要がある場合もあります。

中学受験から路線変更したからといって、「楽になる」わけではありません。

親や家族が、「中学受験より楽になるから高校受験へ」という認識を持った瞬間に、新しい選択が成功する公算は崩れ去るかもしれません。

『2:英語学習を進める
 小学生のうちから英語を集中的に学習していきます。中学受験で中断することなく、英語学習に時間をたっぷり割けることは高校受験ルートの特権です。高校受験の有利さのためだけでなく、将来のキャリアや人生においての重要なスキルとして位置づけ、戦略的に進めていきます。』

この戦略がうまくいくかどうかは、「英語学習の内容」や「英語学習に対する親の認識」次第だと思います。

「受験とは関係なく、将来的な英語力を目指すのか」
「中学での英語学習で有利になることを目指すのか」
「その後の高校での英語学習まで視野に入れるのか」
「国語力と英語力のバランスをどう取るのか」

などによって、「小学生での英語学習の内容」は大きく変わってきます。

当然、親も、内容の違いやその方向性の違いをしっかり認識する必要があります。

中学受験撤退によって時間的な余裕ができたからといって、安直に「英語学習」に向かってほしくないと思います。

『3:自立学習の習慣を身につける
 算数や国語は、子どものキャパシティを超えるような量を課すのではなく、大人になってからも役立つ「自立学習」の習慣を身につけます。一部に中学受験内容を取り入れたり、優秀な子は数学の先取りをしたりすることで、小学生らしい生活と両立しながら、高校受験ルートで中高一貫校組に負けない学力を養っていきます。』

中学受験に対する「進学塾での学習」は、確かに、小学生にとってかなりの負担になる可能性があります。

だからこそ、「自立学習の確立」の目を向けるのは正しい方向性だと思います。

とはいえ、「自分の時間を自分で管理する」という自立は、決して簡単なことではないし、親や家族の協力があっても、そう簡単にはならないでしょう。

たとえば、「習い事や部活をやめたら時間的拘束が減り、勉強に集中できる時間が増える」といわれますが、その言葉の誘惑や幻想は「絵に描いた餅」になる可能性も高いでしょう。。

空いた時間を十分に活用できるのか、親子でしっかり考えてみてください。

「中学受験をやめても、できる範囲内で進学塾には通う」という選択もあります。

中学受験の学習内容は、中学での学習内容への「貯金」になるからです。

結果はともかく、中学受験(あるいはその学習)を経験した子どもたちに中学の問題集をみせると、

「算数の図形問題は、習ったことが多いなあ」
「国語の文法や文学史は、ほとんど習っているよ」
「理科や社会は、知っていることばかりだ」

などという反応が返ってきます。

高校受験にシフトする場合も、中学受験の勉強をあっさり切り捨ててしまうのはもったいないかもしれません。

次回のメルマガは、長期休暇の直前ですので、灘中の国語の過去問紹介の予定です。