木曜日になりました。

子どもたちは、そろそろ冬休みでしょうか。

クリスマスも目前です。

クリスマスも年末年始も元気で過ごせるように、ご家族で「自衛」を心がけてくださいね。

さて、最近の気になるニュースを読んでみてください。

次の記事は、『読売新聞』のものです。

『自殺ほのめかしに担任が「花丸」、英語で「あなたはできる」…いじめ調査依頼に学校は「警察ではない」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20231211-OYT1T50238/
 奈良市立小学校で同級生からいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉をノートに記した際に担任教諭が「花丸」を付けた問題で、女児の両親が11日、大阪市内で取材に応じ、学校側にいじめの調査を依頼した際、「警察ではない」として拒否されたことを明らかにした。両親は「聞く姿勢を持ってもらえず、娘は傷つき、苦しんできた」と話した。
 奈良市教育委員会などによると、女児は3、4年生だった2021~22年、同級生の男児に突き飛ばされたり、蹴られたりした。22年2月に蹴られた際は全治1週間のけがを負った。
 両親によると、同月に校長らと面談して調査を求めたが、「警察ではないのでできない」などと言われたという。父親は「何もしてくれず、絶望的な気持ちになった」と語った。
 女児は同年6月、担任とやり取りするノートに「わたしは死ねばいいのに」と記して提出。担任は「花丸」を付け、「You can do it!!(あなたはできる)」と書き加えた。女児は「意味が分かった時は嫌な思いをした」と訴えたという。母親は「見た時に震えが止まらなかった」と述べ、父親は「先生がこんなことをするとは信じられなかった」と振り返った。
 市教委が公表を前に家族に届けた調査報告書は、女児がPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを発症したことについて「一次的には男児のいじめ行為が原因」とした上で、「学校が被害を長期間認定しなかったことなどにも原因があった」と指摘。「女児と保護者に寄り添う姿勢が欠けていたため、多大な精神的苦痛を与えた」と結論づけた。
 両親は報告書の内容を踏まえ、「学校は娘が卒業するまで配慮し、同様の事態が起きないようにしてほしい」と訴えた。』

みなさんもすでにご存知かと思いますが、いかがお感じでしょうか。

信じられないニュースですが、ここでは、「担任とやり取りするノート」に注目したいと思います。

このやり取りはどのようなシステムで成り立っていたのでしょうか。

また、この担任の先生は、児童とノートをやり取りすることをどう受け止めていたのでしょうか。

誠実にやり取りノートを続けようとすれば、日々の業務負担がかなり増えると思います。

もし学校側から「無理やり押し付けられた」と受け止めていたなら、「やり取りする内容」はどんどん「雑」なものになっていくでしょう。

一方、児童との日常的なやり取りを通して、児童一人ひとりの心を真剣に受け止める覚悟があったとしたら、その業務の重さに悲鳴を上げていたかもしれません。

この担任の先生が注目されるのは当然ですが、「担任とやり取りするノート」というシステム自体をしっかり見直して、過度な負担のない範囲で続けられるようにすべきでしょう。

また、ノートを通して得た情報を、多くの先生で共有することも必要でしょう。

前回のメルマガでお伝えしたように、平成23年の灘中の国語1日目の問題を紹介したいと思います。

冬休みの一日に、ご家族で活用していただければ幸いです。

<大問1の問4>
 次の①~⑥の語の意味になる、語尾が「~スト」の外来語を答えなさい。最初の一字は「 」に指示されたものとします。
①新聞・雑誌・放送などの編集者・記者:「ジ」
②芸術家:「ア」
③利己主義者:「エ」
④随筆(ずいひつ)家:「エ」
⑤その道でのすぐれた能力・技術の持ち主:「ス」
⑥夢見がちな人:「ロ」

→平成22年の問題でも語尾が揃っている外来語が問われましたが、この種の問題も頻出です。「最初の一字」のヒントつきの問題ですので、この程度の外来語は「そんなに難しくない」と感じたいものですね。逆に、それぞれの外来語の意味を自分の言葉で説明する練習もおススメです。


<大問1の問5>
 「水をさす」のように、「水」を使った表現にはいろいろなものがあります。次の①~⑤の「   」に適当なことばを補って、文を完成させなさい。
①優勝争いで、ライバルに大きく水を「   」られた。
②演奏前の一瞬(いっしゅん)、場内は水を「   」たように静まり返った。
③犯人逮捕(たいほ)のため、水も「   」ぬ厳戒(げんかい)体制がとられている。
④昔のことは水に「   」て、おたがいに協力することを約束した。
⑤入団の意向があるのかどうか水を「   」てみると、彼は話に飛びついてきた。

→どれも聞いたことがある表現だと思いますが、あらためて問われると、「あれ、何だっけかな?」というものがあるかもしれません。それぞれの慣用表現を使った短文を親子で作ってみてください。


<大問2>
 次の①~④の「の」と、言葉の使い方の上で同じものをそれぞれ後のア~エから選んで答えなさい。
①今日「の」おやつは何だろうな。
②その本は私「の」ですよ。
③顔色が悪いけど、どうした「の」。
④子ども「の」よろこびそうなお土産(みやげ)を買ってきた。
ア:採点用のペンは、赤い色「の」を使ってください。
イ:きのうは何時間勉強したの。
ウ:山「の」上まであと一息だ。
エ:天気「の」よい日は、気分も晴れやかだ。

→平成22年の問題では「ない」の識別が出題されましたが、「の」の識別問題も中学入試では頻出です。見分けるのは、主に次の7種類。
①格助詞「の」
 ア:部分の主語:「が」に交換可能。
 イ:連体修飾語を作る:「名詞」+「の」+「名詞」の順となっている。
 ウ:同格:「の」を「である」と交換可能。
 エ:並立:「~の~の」という形になっている。
 オ:名詞の代用:「もの」「こと」と交換可能。
②終助詞「の」:文末で「疑問・主張」を表す。
③連体詞の語末の「~の」:こ「の」本


<大問3>
 次の①~⑥の「    」には、「いらいら」のように、「ABAB」とくり返してできた言葉が入ります。それぞれ最も適当なものを、後の、<A>・<B>の字を組み合わせて、「ABAB」の形で答えなさい。<A>・<B>ともに、一度使った字を別の言葉に使ってはいけません。
①はじめは「    」していた子どもたちも、すぐに仲良く遊び始めた。
②負けて「    」と引き上げる選手たちがあわれだった。
③上司や先輩(せんぱい)にも「    」とものを言いすぎてきらわれる。
④他人の目を気にして「    」してもしかたがないよ。
⑤間違(まちが)い電話がくり返しかかってきて、「    」した声をあげてしまった。
⑥何不自由なく「    」と育ってきたので、逆境に弱い。
A<こ、し、ず、と、ぬ、も>
B<お、く、け、げ、じ、せ>

→楽しい問題ですね。擬態語・擬声語を扱った問題も頻出です。ヒントのひらがながついているので、かなり易しくなっていると思います。この問題でも、それぞれの擬態語を使って例文を作ってみてください。


<大問4>
 次の①~④のア、イ、ウには、同じ読み方の二字熟語が入ります。それぞれ最も適当なものを答えなさい。読み方は、後の<語群>から選びなさい。
①ア:裁判官は、常に「   」でなければならない。
 イ:彼(かれ)は大きな仕事をして「   」に名を残した。
 ウ:全体の「   」を考えて文章を書くことが大切だ。
②ア:温暖な「   」の土地。
 イ:今回の旅行についての「   」文を書く。
 ウ:新庁舎の「   」式が行われる。
③ア:新しい機械を導入し、「   」性の向上をはかる。
 イ:降りるときに運賃を「   」する。
 ウ:今度の試合に勝つ「   」はありますか。
④ア:ふるさとに「   」する。
 イ:試合を前に、選手たちの「   」があがっている。
 ウ:大変な人出で、交通「   」がかけられている。
<語群> キコウ、キショウ、キセイ、コウセイ、セイサン

→4つの問題に対して、<語群>として5つの「読み」のヒントがついているので、①~④のそれぞれの読みは簡単に特定できると思います。同音異義語の問題として頻出のものではありますが、あらためて問われると、「あれ?」と迷ってしまう熟語があるかもしれませんね。親の練習としても最適でしょう。


<大問5>
 次の①~⑥の二つの「 」に、それぞれ反対の意味になる漢字を入れて、四字熟語を完成させなさい。
①「 」工「 」曲   ②空「 」絶「 」   ③起「 」回「 」
④「 」耕「 」読   ⑤「 」船「 」馬   ⑥「 」往「 」往

→特に難しい問題ではありません。四字熟語をいろいろな条件で分類してみるのは、おそらく、各進学塾でも実施している練習方法でしょう。もちろん、全問正解を目指してください。


<大問6>
 次の①~⑤の短歌の「 」に入る季節(春・夏・秋・冬)として、最も適当なものをそれぞれ答えなさい。
①「 」きたる野の木野の草限りなく衰(おとろ)うるものに美しさあり
②鳴く虫の気管の中に吸われゆく「 」の空気をわが肺も吸う
③新治(にいはり)の野にカッコウの声響(ひび)き青き衣(ころも)の「 」は来(き)にけり
④みかんむく指さえ意志を持ちおりてせつなきまでに「 」静かなり
⑤枝の雪ちらし飛び去る目白(めじろ)一羽かすかに覚(おぼ)ゆ「 」の気配を

→灘中で頻出の短歌・俳句問題です。しっかり鑑賞して、季節感を感じ取ってください。なお、元々の問題の選択肢には、作者の名前がついていました。①窪田空穂、②中村規子、③田中拓也、④吉沢あけみ、⑤吉田正俊。


<大問7>
 次の<条件>ア・イに従って、後の(1)~(3)の漢字のしりとりを完成させなさい。
<条件>
ア:A・B・Cには「各、閣、格」のように、同じ音読みで共通した部分を持つ字が入ります。
イ:①・②に入る字は、「①・②の選択肢」から選びなさい。
(例) A社→社内→内B→B①→①会→会②→②C→C別
   「①・②の選択肢」員・議・合・集・談・面
   A:各  B:閣  ①:議  ②:合  C:格
(1) 重A→A①→①意→意地→地面→面B→B②→②功→功C
   「①・②の選択肢」故・好・成・大・任・年
(2) A急→急①→①B→B心→心外→外②→②C→C技
   「①・②の選択肢」気・見・行・追・野・用
(3) A国→国外→外①→①B→B長→長短→短気→気絶→絶無→無②→②C→C気
   「①・②の選択肢」交・残・視・出・部・念

→漢字のしりとりは中学入試で頻出ですが、この問題は、<条件>が少々厄介ですね。この問題のように、問題文をきちんと理解する練習も必要です。また、熟語の中には、普段あまり馴染みのないものも含まれています。この機会に、慣れていきましょう。


<大問1の問4の解答>
①ジャーナリスト
②アーティスト
③エゴイスト
④エッセイスト
⑤スペシャリスト
⑥ロマンティスト

<大問1の問5の解答>
①あけ  ②うっ  ③もらさ  ④ながし  ⑤むけ

<大問2の解答>
①ウ  ②ア  ③イ  ④エ

<大問3の解答>
①もじもじ  ②しおしお  ③ずけずけ
④こせこせ  ⑤とげとげ  ⑥ぬくぬく

<大問4の解答>
①ア:公正  イ:後世  ウ:構成
②ア:気候  イ:紀行  ウ:起工
③ア:生産  イ:精算  ウ:成算
④ア:帰省  イ:気勢  ウ:規制

<大問5の解答>
①「同」工「異」曲   ②空「前」絶「後」   ③起「死」回「生」
④「晴」耕「雨」読   ⑤「南」船「北」馬   ⑥「右」往「左」往

<大問6の解答>
①「冬」きたる野の木野の草限りなく衰うるものに美しさあり
②鳴く虫の気管の中に吸われゆく「秋」の空気をわが肺も吸う
③新治の野にカッコウの声響き青き衣の「春」は来にけり
④みかんむく指さえ意志を持ちおりてせつなきまでに「冬」静かなり
⑤枝の雪ちらし飛び去る目白一羽かすかに覚ゆ「春」の気配を

<大問7の解答>
(1) 重A→A①→①意→意地→地面→面B→B②→②功→功C
   A:責  ①:任  B:積  ②:年  C:績
(2) A急→急①→①B→B心→心外→外②→②C→C技
   A:救  ①:追  B:求  ②:野  C:球
(3) A国→国外→外①→①B→B長→長短→短気→気絶→絶無→無②→②C→C気
   A:諸  ①:部  B:署  ②:残  C:暑

いかがだったでしょうか。

親子で問題に取り組んで過ごす、落ち着いた休日もいいものですよね。