9月最後の木曜日になりました。

朝晩は少し涼しくなってきましたが、昼間はまだまだ暑い日もあり、寒暖差によって体調不良にもなりそうですね。

因みに、専門家の話では、「1日の最低気温と最高気温の差が7度以上」が、寒暖差による体調不良が起こる目安のようです。

新型コロナに加えてインフルエンザも流行しているとのことですから、家族全員で、しっかり「自衛」していく必要があります。

少々古いものですが、次の『読売新聞』の記事を読んでみてください。

『しゅくだいやる気ペン(コクヨ)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/feature/CO036730/20230711-OYTAT50011/
■書くほどワクワク達成感
 コクヨの「しゅくだいやる気ペン」は、同社初となるインターネットを活用した文具として2019年に発売して以来、累計出荷台数が3万台を超えるヒット商品となっている。子どもが書けば書くほど鉛筆に装着した装置の色が変わり、親は勉強時間などをスマートフォンのアプリで確認できる。子どものやる気を引き出す仕組みが多くの家庭に支持されている。
(中略)
 導き出した答えは「子どもが宿題をしたくなり、親がそれを褒めたくなる。親子のコミュニケーションを生みだす商品を作る」。開発の方向性が決まった。
 ゲーム感覚で 子どもが宿題を自発的にやりたくなる商品に仕上げられるかがカギだった。
 子どもが手にするのは通常の鉛筆。装着した装置の発する光の色が、鉛筆の動きの量に応じて変わるようにした。装置をスマホに近づけて勉強時間などのデータを読み込めば、アプリ内の木には実がなる。この実をためて進む「すごろく」でゴールを目指す。
 「ゴールが見えることで、子どもの食いつきが全然違った」。開発担当の山形潤(41)は試作段階で手応えを感じた。
 「かきたくなる。ほめたくなる。」をキャッチコピーに発売すると1年間で1万台が売れた。ユーザー調査では84%が「学習のサポートになった」、72%が「こどもを褒める機会が増えた」と答えた。
 「アプリを通じて蓄積した使用データやユーザーの声などの知見を生かし、まだまだできることがある」と、一段の進化を見据えている。
< しゅくだいやる気ペン >
 市販の鉛筆に装着し、スマートフォンの専用アプリと合わせて使う。装置にはバッテリーと加速度センサーを内蔵し、鉛筆を動かした量に応じて「白」→「薄緑」→「緑」などと10段階で色が変わるLEDも搭載。アプリには勉強時間などのデータが蓄積される。2020年には子どもや子育て分野で優れた取り組みを表彰する「キッズデザイン賞」を受賞した。
 公式サイトでの販売価格は税込み6980円。』

このペンが実際にどの程度役に立つかはわかりませんが、興味のある方は、文房具屋さんなどで手に取ってみてくださいね。

今回も、メルマガにいただいたお返事を紹介します。

『先生のメルマガを読むと改めて日々の問題の多さに恐ろしくなります。全て人間が引き起こしたことであり、一人一人の欲や大人になりきれないことが原因で積みかなさっていった社会問題ですね…
 生まれた時にきちんとした大人に育てられないと人間は悪いことばかりするのだなあと思ってしまいます… そうは言っても先天性の性質も関わってきますし、人間がいかに複雑な生き物かということを考えさせられる日々です。』

その通りだと思います。

もともと人間には、複雑な側面も単純な側面もあるわけですが、その両面を「賢く」使い分けることができる人は少なく、多くの人はその両面を「利己的に」使い分けています。

私にもそんな自分勝手なところがあって、恥ずかしいことになかなか謙虚になりきれません。

「権力を握れば握るほど自分の欲を抑えきれなくなる」のが、人間の性なのかもしれません。

その結果、「裸の王様」化したり、「武器を持った子ども」化したりするわけですね。

世のエライ人たちをみていると、謙虚さなど消え失せた「イヤシイ人」がたくさんいることがわかります。

『内申点に関しては、私も理不尽だなあと思っていました。何でもかんでもできる人はいいですが、普通の人は、どうしても得意不得意ができてしまいますよね。それなのに、全科目で点数がついてしまうのです。高校受験の内申点で苦しむことがないように、子どもには中学受験をしてほしいと考えています。』

そうですね。

男子であろうと女子であろうと、内申点の面からも、中学受験を考えてみる価値がありそうです。

私も公立の「小・中・高」組ですから、中学時代には、特に音楽と美術で苦労しました。

音楽では、音痴をカバーするために、ペーパーテストと楽器演奏に必死になりました。

美術でも、とにかく絵が下手なので、ペーパーテストで頑張るしかありませんでした。

さらに、

「授業は真面目に受ける」
「宿題は必ず期限内のできるだけ早めに提出する」

など、先生に嫌われないことにも注意しました。

かなりのストレスでしたが、どうしても合格したい公立高校があったので、人生で一番真面目に頑張った時期だと思います。

しかも、「5」がつく人は○%、「4」がつく人は□%などと決まっていたと記憶しています。

やはり、内申点制度は「理不尽の極み」ですね。

さて、今回は、次の①、②の『東洋経済education × ICT編集部』の記事(どちらも編集しています、すみません)を紹介します。

①『なぜ母親は怒ると止まらないのか、父親の「指摘」「逆ギレ」との違いは
30年前と大違い、過酷な"令和の子育て"事情
https://toyokeizai.net/articles/-/694765
 「令和の子育ては非常にハード」と話すのは、見守る子育て研究所所長で教育家の小川大介氏。ネットにあふれる情報に影響を受け、子どもに学ばせたいことや与えたいものが多すぎて疲弊し、ついイライラしてしまう親が急増している。これまで6000人以上の親と子どもたちを支えてきた小川氏に、このイライラの正体を言語化してもらった。
「令和の子育ては過酷です。情報過多で身に付けるべきとされる知識やスキルが膨れ上がる一方、何事も先取り先取りと急かされます。子どもの育つままにして、将来無事に社会へ出られるなら苦労しません。実際、一昔前は社会が成長軌道にあって人口も多く、多様な労働の受け皿がありました。団塊世代を中心に子どもを見る大人も大勢おり、当時の子育てはある程度環境に任せられたのです」
「とくに都心部の親は、子どもが『学歴的な安全ゾーン』で成長しているという安心感を早くから得たい。その結果がヒートアップし続ける中学受験でしょう。親も本心では子どもの成長を待ちたくても、社会構造が許しません。大半の親は、実はこうした教育に罪悪感や疑問を抱いているのですが、とはいえ誰も将来安泰な子育ての代案を示してくれない。何かがおかしいと感じながらも仕方なく、過度な教育レースに踏み込んでしまうのです」
 小川氏は、子どもにイライラしてしまう親の特徴として「まじめ」「努力家」「愛情深い」ことを挙げている。
「怒りは自分がパニックに陥っている表れであり、愛情の裏返しでもあります。わが子の教育に関しては、母親の方が怒りっぽくなりがちですが、それも体に根ざした深い愛情ゆえ。子育て本などでは、子どもを感情的に怒ってはいけないと書かれていますが、そういわれても困りますよね。一生懸命に子育てしていれば、怒りは当然生まれるのです。一度出た怒りは無理せず吐き出して、理性を取り戻してからわが子に謝ればよいのです。それよりも、『怒らない自分になろう』とするほうが危険。自己嫌悪が募って苦しくなり、体調を崩したり心を病んでしまったりと、むしろ子どもにマイナスな結果になりかねません」
 怒りには、大きく分けて4パターンあるという。
●焦りや不安から生まれる怒り:9割がこれに当てはまる。熱心に子育てをしている親に多い。
●子どもに裏切られたことによる怒り:嘆きに近い感情。
●期待値が高すぎるがゆえの怒り:親が定めた基準にわが子が当てはまらない時に感じる。
●人目を気にしたしつけのための怒り:親として批判的に見られることを恐れる場合もある。
「3つ目の期待値が高いがゆえの怒りは、せっかく調べて試したことがわが子に通用しないときや、信じてきた勉強法が結果につながらなかったときにも感じます。情報量が多い現代だからこその怒りです」
 では、夫婦の役割分担はどうすればよいのか。夫婦の教育方針が一致しないケースも多いが、小川氏は「そもそも母親と父親は本質的に違う」と指摘する。母親は妊娠して以来、四六時中気を抜けず、まさに一心同体で命懸けで子育てをする。これに対して父親は子どもとの身体的なつながりはないため、観察力や共感力を働かせて頭で子育てをする。「男女平等の概念を超えた生物レベルの話で、母親と父親は担うものが違う。それを受け入れ、互いを理解することが大切」と小川氏は強調する。
「母親と父親では、当然怒り方も違います。母親はなぜ怒っているのか自分でもわからず、一度怒り出したらブレーキがかけられないことも多い。その際は周りの大人が救済しなければなりません。母親がすでに十分子育てを頑張っていることを認め、命懸けの子育てから少しでも解放できるように育児や家事をフォローし、『これ以上頑張る必要はないよ』と一つひとつ許容して手放す手助けをしてください」
 逆に、父親の怒りの理由は明確だという。
「顕著なのは、父親の自分が立てた目標から外れたことによる“間違い指摘型”の怒り、もしくは妻が相手をしてくれないことへの“逆ギレ”です。実は、夫が妻に甘えられない原因も現在の社会構造にあります。昔は子どもが2歳を超えて話し始める頃から、母親も少しずつ子育ての心配事から解放されました。余裕が生まれて夫と向き合う時間が増え、そして子どもが小学校に入れば、再び夫婦としてスタートを切り直せる流れがあったのです。しかし今は、将来の不透明感から不安や焦りがいつまでも消えません。自分の家庭は朗らかであってほしいと願う夫は、妻が怒り続ける状況に対してイライラしてしまうのです」』

『なぜ母親は怒ると止まらないのか』というタイトルを読んで、ドキッとするお母さん方は多いと思います。

『怒りは自分がパニックに陥っている表れであり、愛情の裏返しでもあります。』とある通り、子どもを深く愛しているからかもしれませんが、子どもにとっては、「理不尽な言いがかり」に聞こえる場面も多そうです。

もちろんわが家でも、母親のイライラはたびたびマックス、大爆発となりました。

爆発してしまうのも、まあ、ある意味仕方ないことなので、「怒り」を少しでも軽め・短めに切り上げるように注意して、爆発後の「親の対応」を工夫したいものです。

わが家では、子どもの好きなイチゴを大きなお皿に「笑っちゃうくらい山盛り」にしたこともありました。

誤解のないように書き添えますが、私が「イライラマックス」にならなかったのは、ひとえに、母親ほど「子どもとの密着感、一体感」がなかったせいです。

私が「立派な父親」だったからではありません。

②『「エクセル父さん」や「PDCA父さん」がわが子の中学受験を台無しにする理由
https://toyokeizai.net/articles/-/662675
 コロナ禍で在宅ワークが普及したこともあり、子どもの中学受験に積極的に関わる父親が増えている。しかしそこには「思わぬ落とし穴」があるようだ。中学受験指導に40年以上携わってきた「名門指導会」代表の西村則康氏は、「父親が熱心に受験サポートをすればするほど、空回りして悪影響をもたらしてしまうことが多い」と話す。父親はどのようなスタンスで中学受験に関わればよいのか。近年の中学受験の傾向とともに、西村氏と「名門指導会」副代表の辻義夫氏に聞いた。
 わが子の中学受験に関わるとき、多くの父親は自らの受験体験を基にアドバイスしようとする。しかし、それこそが「親子関係をギクシャクさせ、成績低下を招く要因になりうる」
「父親の記憶に新しい大学受験のノウハウをわが子の中学受験に用いようとしても、受験時の高3と小6では発達段階が大きく異なります。そのため、小学生には到底できない要求を押し付けることに。父親が中学受験を経験していた場合も、何十年前と現在とでは中学受験で問われる力は大きく様変わりしています」
「難関校を中心に、『知識詰め込み型の勉強をした生徒より、自ら手を動かして考える経験を積んだ生徒が欲しい』と考える学校が増えています。そのような生徒を選抜するために、長い問題文の中から必要な情報を整理し、じっくり考える力を問うタイプの問題が多くなりました。こうした問題への対応力を育むには、とにかく大量の演習をさせる“タスク管理型のサポート”ではなく、『問題文をちゃんと読んでいるか』『自分の手を動かして考えているか』という視点で子どもに寄り添う“プロセス重視型のサポート”が求められます」
「エクセル父さん」や「PDCA父さん」に共通するのが、受験勉強を仕事と同じように考えていることだ。結果、部下に接する感覚で子どもに指示を出したり、「なぜできなかった」と問い詰めたりして、子どもの意欲や自己肯定感を下げてしまう。
 父親が子どもの勉強に関わる際に西村氏が推奨するのが、一方的に教えるのではなく「子どもと一緒に考える」という姿勢だ。
「自分が子どもだった頃を思い出し、当時の親にしてほしかった関わり方をすることが大切」と話す。振り返ると、「勉強しろ」と言われるほどやる気がそがれることや、親の自慢話より失敗談のほうが参考になったことなどを思い出す人も多いのではないだろうか。
 なお、夫婦で中学受験に対する姿勢が一致しない場合は、第三者を交えて話し合うとよいそうだ。知見のある第三者から説明されれば、過度な干渉への弊害を理解できたり、それまで中学受験に無関心でも「そんなメリットもあるのか」というスタンスに変わることが多いという。
「教育とは、すぐには効果が見えないことをじっくり時間をかけて積み重ねていくものです。ここに、今はやりのコスパ・タイパなどの考え方はなじみません。仕事はプロセスよりも成果が評価されますが、教育はプロセスがもたらす影響のほうが大きい。一概に『こう取り組めばこうなる』とは言えない点も、よく理解してほしいです」
 中学受験で、第1志望の学校に合格できるのはおよそ3~4人に1人。合否だけに着目すれば、敗者のほうが多くなる。しかし西村氏は、「自ら考えて学ぶという正しい勉強法で中学受験を経験すれば、それは人生のどこかで必ずプラスになる」と語る。目先の合否にとらわれず、子どもが、自分を信じて、学ぶことを楽しめるようになる貴重な経験だと捉えて、長い目で見守ることが重要だ。』

上記記事中の「PDCA」サイクルとは、

「Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念」

ということですが、小学生の子どもがチャレンジする中学受験ですから、「計画→実行」というプロセスがすんなり進行する可能性は薄く、「おおらかに評価し柔軟に改善する」プロセスの方が重要でしょう。

『「問題文をちゃんと読んでいるか」「自分の手を動かして考えているか」という視点で子どもに寄り添う“プロセス重視型のサポート”が求められます。』
『一方的に教えるのではなく「子どもと一緒に考える」という姿勢(が必要)だ。』

という部分こそ、父親だけでなく、母親にも求められる正しいサポートでしょう。

①も②も引用が長くなりましたが、ぜひ引用元の記事全文を読んでみてくださいね。