木曜日になりました。

ゴールデンウィークが終わった後の14日(第二日曜日)には、多くの進学塾で公開テストが実施されたと思いますが、そろそろ結果が出た頃でしょうか。

メルマガにも何度か書きましたが、長期休暇明けのテストの結果は「親のもっていき方次第」という要素が多いものです。

当然のことながら、

「親が遊べば子どもも遊ぶ、親が緩めば子どもも緩む」
「親が努力しないことは、子どもも努力しない」

という大原則を忘れるわけにはいきません。

再度、親自身の足元を見つめ直してくださいね。

また、新型コロナが5類に移行して10日が経ちました。

街中でも電車の中でも、マスクを着用していない人たちが増えました。

自分自身が高齢者であり、周囲から新型コロナの陽性報告もあるために、私はまだマスクを外せないでいますが、みなさんの周りはどのような状況でしょうか。

次のような『日刊ゲンダイヘルスケア』の記事もありました。

『マスクは積極的に外すべき…公衆衛生に詳しい専門医が推奨 WHOも「緊急事態」の宣言解除
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/279034
 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5月8日に2類相当から5類に変わった。毎日発表されていた新型コロナの感染者数は医療機関全体から報告された全数報告から毎週金曜日に指定された全国約5000の医療機関の定点観測数に変わる。また、新型コロナに関係する費用も原則公費から自己負担へと変わる。
 マスクは3月13日から「屋外では原則不要、屋内では原則着用」が個人の判断となっており、それ自体は変わらないが、飲食店や宅配などの従業員は「着用必須」から「個人の判断」に変更する企業や事業者も出てきた。それでも、「新型コロナ感染症は消滅したわけではない。まだマスクは外すべきではない」との意見も少なくない。どう考えるべきか? 公衆衛生に詳しい、岩室紳也医師に聞いた。
「いまも周囲の目を気にしてマスク着用を習慣化している人は少なくありません。しかし、そろそろ何のためにマスクをしているかを考え、積極的にマスクを外すべきです。新型コロナの正体がわからなかった流行初期の段階は別にして、個々人が行う感染予防対策だけでは防ぎ得ない感染症に対して、海外がすでに実践しているように集団免疫を目指すべきです。すなわち、感染した人たちが80%を超えれば結果としてその集団の予防になるのです。ワクチン接種による集団免疫獲得は一定の効果があり、2021年の10月から12月にかけて日本人のワクチン接種率が80%を超えた結果、感染者の報告は激減し続けました。しかし、当時はさまざまな理由からその後のワクチン接種が先延ばしとなり、結果として集団免疫力が下がり、第6波となりました。この時期を除き日本が最後まで新型コロナに苦しんだのは、抗体を持つ人の割合が他の国に比べて低いからです。その原因は、抗体保有者を増やす手段としてワクチン接種による免疫獲得も徹底されない上に、感染することへの恐怖心があおられ続けたからです。つまり、80%の人がワクチンを4カ月程度の短い期間で打ち続けないのであれば、実際にウイルスに感染しても重症化しない人の割合を80%に高める必要があります。特に若く元気な人はマスクは原則外しつつ、他の人の飛沫が口に入らないようにすればいいのです。そうすることで不顕性感染が増えて、抗体保有者が多くなり、感染弱者を守る集団免疫が完成します」
■自分自身の重症化リスクを確認
 WHO(世界保健機関)が5日に新型コロナウイルス感染症による「緊急事態」を終了させたのも、集団免疫獲得などを通じて重症者や死者が世界的に減少していると判断したからだ。実際、1週間当たりの死者数は21年1月に一時10万人を突破したが、今年4月下旬には3500人台に減っている。世界の感染者数のデータを集計・発表してきた米国のジョンズ・ホプキンス大学も3月10日にデータの更新を終えている。
「感染者数が激増する中、行動制限を緩める欧米の方針に眉をひそめた日本人は少なくありませんでした。しかし、欧米は結果として抗体保有率が高まり、早く鎮静化しました。私は今回の新型コロナを経験して、感染症対策は新型コロナ前のインフルエンザ対策こそが良い方法だったと感じています。重症化リスクのある人、受験などでどうしても感染・発症などを避けたい人がワクチンを含めた対策を取り、重症化リスクが低い健康な人は元気に過ごす。そのことで国民全体の抗体保有率を高めていくことが大切だと思います」
 むろん、日本では6日時点で前日比6000人以上の人が新規陽性者となり、重症者が1人、死者も12人報告されており、重症化リスクの高い人は引き続き、マスクの意味を考えつつ感染経路対策を徹底する必要がある。
「感染リスクの高い人は屋外ではマスクを外しても、人が多く集まる屋内では思わぬ咳を浴びることも考えマスクをした方がよい場面もあると思います。ですが、個別包装ではないマスクを持ち歩くと、そもそもポケットに入れている段階でマスクが汚染されている可能性を承知しておいてください。大事なことは、自分自身が感染リスクの高いタイプかどうかを知ることです。治療で医療機関を受診したり健康診断などを受ける場合、医師らにそのことを確認することが大切だと思います」』

引用が少々長くなりましたが、どうお感じでしょうか。

私はもともと喉が弱くて声がかれやすく、普段から処方された漢方薬を服用している身ですから、新型コロナの収束・終息を祈りながらも、まだしばらくはマスクを着用し続けることになりそうです。

前回のメルマガにも、いくつかお返事をいただきました。

いつもお返事ありがとうございます。

『サプリメント、飲んだことがありません。基本的に食事、運動、睡眠でバランスを取っていますし、誇大広告にも惑わされず暮らしています。大昔の生活をしていればいいのではないかなあと思います。人は何かにすがりたいんでしょうね…。病院などで医師の処方のもと、正しい服用を…。』

おっしゃる通りだと思います。

賢明な生活を送っていれば、サプリメントに頼る必要はなさそうですし、その類の宣伝に惑わされることもないでしょう。

私は目がひどく悪いので、ひとたび服用し始めたブルーベリーから離れられずにいます。

また、この年になっても揚げ物が好きでお酒もかなり飲むので、ついつい「安心を買う」ためにサプリメントに魅力を感じてしまいます。

生活改善の方が先だとわかっているのですが、安直な道を進もうとする、ほんとうに阿呆です。

『名探偵コナンの10才までに覚えたい難しいことば1000』(青山剛昌原作 戸谷述夫監修 小学館)についても、お返事をいただきました。

『メルマガで紹介されていた語句で、「中受あるある例文」を作ってみました。

①生憎ですが、この成績では入塾できません。
②喘ぎながら、受験勉強を続ける。
③中学受験に煽られすぎている。
④灘校生だからって、崇めすぎじゃない?
⑤同じ志望校だとわかって、ライバル視があからさまになった。
⑥この成績では飽き足りない。
⑦復習テストの準備に明け暮れる。
⑧浅はかな母は、怪しい情報に振り回される。
⑨あちこちで情報を漁るのは、少々浅ましいのでは?
⑩親子で、足並みそろえて受験勉強だ!

ところどころ力が足りず出来が悪いように思います。恥ずかしいのですが、思い切って送ります。どうぞご笑納ください。』

ありがとうございます。

どれも素晴らしい「あるある例文」です。

①「生憎ですが、この成績では入塾できません。」は、最初からインパクトありすぎです!!

③「中学受験に煽られすぎている。」や④「灘校生だからって、崇めすぎじゃない?」は、まさに正鵠を射ていると思います。

『灘校文化祭』を紹介している身としては、④は特に「耳が痛い」です、すみません。

⑤「同じ志望校だとわかって、ライバル視があからさまになった。」、⑧「浅はかな母は、怪しい情報に振り回される。」、⑨「あちこちで情報を漁るのは、少々浅ましいのでは?」では、受験生を持つ保護者の切実な気持ちがうまく表現されていますね。

秀作揃いで、ほんとうにお疲れさまでした。

『コナンの語彙本の1000語句と、灘中の平成3年の過去問に出てきた語句とで、26語が一致したとありましたが、この2.6%の一致は、「よく出る語は、やはりよく出る」ととらえるべきでしょうか、それとも「中学受験には、膨大な語彙力が必要だ。キリがない。」ととらえるべきでしょうか?』

難しいところですね。

今回私が照合した語句は、あくまでも、「灘中の平成3年の国語の過去問から、私の判断で抽出した語句」だけです。

今現在私の手元にある「平成3年~平成26年の灘中の国語のデータ」すべてと照合したら、一致する語句数はもっと増えるかと思います。

となれば、このコナンの語彙本の価値はもっと高くなり、「よく出る語は、やはりよく出る」と前向きに考えるべきでしょう。

しかしながら、灘中学校では過去に「牛歩戦術」「確定申告」という四字熟語が出されたことがありますし、浜学園の公開テスト(確か低学年だったと思います)に「水中花」の読みを問う問題が出たこともあります。

「牛歩戦術」「確定申告」「水中花」などの意味を知っている小学6年生が、いったいどれだけいるでしょうか。

となれば、「中学受験には、膨大な語彙力が必要だ。キリがない。」と少々悲観的になってしまいますね。

私自身の経験則からすると、

「中学受験にもその後の大学受験にも、さらには人生にも、膨大な語彙が必要だ。数冊の参考書や問題集だけで、要領よく語彙力を養成するのは難しい。毎日毎日の生活の中でも、親子でいろいろな語句に敏感になるしかない」

という、月並みな結論になってしまいます。

『灘中の過去問から抽出した「語彙力養成サブノート」と書いてありますが、それを公開する予定はありますか?』

現在、ジーニアスコースの授業で、3年生の親子さんには一部配布しています。

とはいえ、私も馬齢を重ねてきてそろそろ終活の時期かと感じていますので、いずれ何らかの形で公開して、みなさんに活用していただくべきだとも考えています。

今しばらくお待ちください。

最後に。

普段の授業の際に、中学受験に関して質問をいただくことがあります。

私のような立場では当たり前ですが、ネット上にも、中学受験を考える記事がたくさんあります。

今回は、少々古い(今年の1月~2月)ものですが、次の2つの『AERA dot.』の連載記事を紹介します。

①『「やらされ中学受験」にプロが警告! 子どもの将来を左右する「合格・不合格」より怖い“ツケ”とは
https://dot.asahi.com/dot/2023013000006.html?page=1
矢萩&きょうこの「偏差値にとらわれない」中学受験相談室
 「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は番外編として、最近感じた中学受験家庭の変化について、お二人が語ります。(以下省略)

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。』

②『難関校に合格したのに勉強についていけなくなる生徒も 中学受験のプロが語る「入学後の現実」
https://dot.asahi.com/dot/2023021200011.html?page=1
矢萩&きょうこの「偏差値にとらわれない」中学受験相談室』

ぜひ、引用元のサイトで全文読んでみてくださいね。

みなさんのお返事を待って、次回のメルマガで考えてみたいと思います。