5月最初の木曜日になりました。
まだまだゴールデンウィークの真っ只中ですね。
有意義で落ち着いた時間を過ごせていますか。
本屋さんにはお出かけできましたか。
今年は、4年ぶりの行動制限のないゴールデンウィークとなり、テレビのニュースの街頭インタビューなどでも、
「コロナが明けたから~」
と嬉しそうに答える様子が映し出され、日本中でゴールデンウィークを満喫している雰囲気ですね。
そんな中で、
「『灘校文化祭』にいってきました!」
というご報告もいくつかいただきました。
『灘校文化祭』は今年も大盛況だったようですが、あの「自由闊達な雰囲気」が中学受験のモチベーション維持に役立つと信じています
さて、今回も、メルマガにいただいたお返事を紹介いたします。
まず、前回の「平成21年の灘中の国語1日目」の問題についてですが、
『プリントアウトして、親子で解いてみました。』
というお返事がいくつかあって、ほんとうに嬉しく思います。
『わが家では、<大問1の問1>の「②習字にちょっと手を染めてみた」がプチ流行中です。ちょっとお手伝いをしては、「○○に手を染めてみた~」などと嬉しそうに使っています。』
楽しそうですね。
こんな風に普段から楽しく使っていれば、おそらく忘れずにいてくれるのではないでしょうか。
「一過性」で終わらせないのも、お父さん、お母さんの努力にかかっています。
『<大問1の問1>の③「このアホ!」と思っても、口には出さないの答えは、「顔」でもいいですよね?』
いいと思います。
私の感覚では、「顔」にするなら「顔にも出さない」と「も」の方がより良いようにも思いますが、みなさんはどうお感じでしょうか。
『<大問1の問4>の「小稿」の説明問題は良問ですね。ただし、12歳の子どもの語彙力を試すとなると、「うーん」と唸ってしまいますが。大人が謙虚さを思い出すための良問と考えた方がいいかもしれません。』
まったく同感ですが、世の中のエライ人たちが、「小生」などと謙虚にモノを考える瞬間はないでしょうね。
ほんとうに残念な世の中です。
『<大問1の問7>の外来語の問題は、単純に「カタカナ語」の問題として「これが正解だ」と決めてしまうのは危険かもしれません。もとの英単語にまで一度戻るべきかもしれませんね。』
私たちの日常には「カタカナ語」が溢れていて、「一定の文脈」の中でその意味を特定して理解しますが、この設問のように「その語だけ」をカタカナで表記してしまうと、誤解や混乱が生じる可能性がありますね。
外来語の問題も、基本的には文脈の中で問うべきかもしれません。
『<大問2>「どたばた」「はるばる」の問題はたいへん気に入りました。②の「へどもど」、④の「やきもき」、⑤の「あくせく」などは説明するのが難しく、例文を作ってみせるのがいいのかなと思いました。』
そうですね、
辞書的な説明で理解を求めるよりは、親子で例文をいくつか作ってみる方が実感できると思います。
特に低学年では、「具体的にはこう使う」という練習が有効でしょう。
『<大問6>のしりとりの問題はあちこちで見ますね。「支出」「可決」「決算」「世相」などは、漢字は簡単でも、うちの子にはピンとこない言葉でした。残念です。』
低学年では、知らない子どもが多そうですね。
漢字の書き取りでは、漢字そのものが難しい問題もありますが、比較的簡単な漢字を使っていながらも「言葉として耳慣れない熟語」がよく出題されます。
「なんだ、こんな簡単な漢字だったのか!」と、盲点になってがっかりすることがよくあります。
また、一つ前のメルマガで紹介した
『「楽しかった」「面白かった」同じ感想しか口にできない問題…語彙能力を鍛える“目からウロコ”の方法とは』
https://bunshun.jp/articles/-/61740
についても、お返事をいただいています。
ありがとうございます。
この記事は、
『「伝える力」が伸びる! 12歳までに知っておきたい語彙力図鑑』(齋藤孝著 日本能率協会マネジメントセンター)
という本を宣伝しているわけでしょうが、内容的には役に立つものだったと思います。
『うちの子も、「楽しかった」「面白かった」という感想をよく口にしますが、「どんなことが楽しかったの?」と中身を聞いてみると、なかなかうまく説明できません。こんな場合は、どう導いてやればいいのでしょうか。』
子どもたちは、「楽しい」「うれしい」「面白い」「かわいい」「難しい」などの語を使って、自分なりの評価を下しているわけです。
しかしながら、「漠然とした評価だけでは、その中身がうまく伝わらない」ということを学ばなければいけません。
なぜなら、その漠然とした「評価」を聞いている側が、「どんなところが?」「どんな風に?」と疑問に感じてしまうために、追加の説明が必要になるからです。
「周りの人とは違った、個性的な評価・表現」を生むのは素晴らしい感性ですが、人と違った評価になればなるほど、聞く側の疑問が深まります。
以前、ジーニアスの授業で、
「スイカはさびしそう」
と書いた小学生がいました。
「どうしてさびしそうなん?」
と聞くと、
「畑にぽつんと転がっていたから」
と説明してくれました。
「他の多くの果物のように、たくさんまとまって生っているわけではないのでさびしそうだ」
と感じたようです。
私は、
「みんなが感じないことを感じられたなんて、ほんとうに素晴らしい!」
と思わず褒めていました。
「さびしそう」という評価から対話が生まれ、その評価の理由まで説明できたのです。
「素晴らしい!」という褒め言葉につながって当たり前ですね。
やはり、「子どもの言葉に親がきちんと反応してあげて、対話が深まり語彙が豊かになる」という丁寧な子育てが必要なのです。
子どもの語彙力養成という点で、最近気になっていた本、
『名探偵コナンの10才までに覚えたい難しいことば1000』(青山剛昌原作 戸谷述夫監修 小学館)
を購入してみました。
<はじめに>には、
『出会った新しいことばの意味を理解して、さらに文章に書いたり話したりして、実際に使ってみる。それが「ことばを増やす」、つまり語彙力を高めるということなのです。
(中略)
中学入試で求められる読解力や表現力のベースには、語彙力があります。ですから語彙力を高めることで国語の力はつきますし、ほかの教科の理解力もアップします。学力全体を底上げする教材のひとつとして、この本をぜひご活用ください。(小学館国語辞典編集部)』
とあります。
どのページにもコナンのマンガの挿絵が溢れているので、子どもたちにはとっつき易いといえるでしょう。
また、1000の語句を5問ずつに分けて、短文に当てはめていく「選択クイズ形式」になっているので、子どもだけでも読み進め易いと思います。
クイズと見開きのページで、それら5つの語句の意味も簡単に説明してありますので、そこをきちんと読めばそれなりに勉強になると思います。
とはいえ、
「選択式クイズを解きました~」→「○問正解でした~」→「さて、次の問題へ~」
という「軽い」作業だけで読了しても、その効果は限定的でしょう。
語彙が定着するには、さらなる努力が必要ですね。
今、私の手元に、平成3年~平成23年の灘中の国語の過去問から抽出した「語彙力養成サブノート」のデータがあります。
時間が取れたら、この本に掲載されている1000の語句とそのデータを照合してみて、その結果をメルマガで報告したいと思います。
今しばらく(気長に?)お待ちくださいね。