4月最後の木曜日になりました。
いよいよゴールデンウィークですね。
長期休暇明けに、子どもの生活のリズムが乱れていたら、それは、「自分のせいではないか」と親が自分の足元を見つめ直すべきときかもしれません。
「落ち着いた休暇が過ごせなかったのではないか」と反省する良い機会というわけですね。
さて、前回のメルマガでお伝えした通り、今回のメルマガでは「平成21年の灘中の国語1日目」の問題を紹介させていただきます。
親子で、どうぞご堪能ください。
<大問1の問1>
次の①~③の「 」に入れるのに適当な、身体の部位を表す漢字一字の語を答えなさい。
①「 」にたこが出来るほど聞かされた
②習字にちょっと「 」を染めてみた
③「このアホ!」と思っても、「 」には出さない
→比較的易問ですが、自分でも短めで的確な例文を作ってみると練習になりますね。
<大問1の問3>
本文中に、『真っ向から反論しているんだなということぐらいは「ヒ」を見るより明らか』とあります。この「ヒ」と同じ漢字で表されるものを、次のア~カの各文の「ヒ」からすべて選びなさい。
ア:かれがメンバーからぬけたことで、チームは「ヒ」が消えたようにさびしくなった。
イ:昔書いた文章が出版され、ようやく「ヒ」の目を見た。
ウ:かれは性格といい、学業成績といい、まったく「ヒ」の打ち所がない。
エ:対日感情が悪い中での大臣の失言は、「ヒ」に油を注ぐ結果となった。
オ:わがチームはまさに「ヒ」の出の勢いで連戦連勝し、ついに全国優勝を果たした。
カ:かれの実力は、私の「ヒ」ではない。
→こちらも比較的易問ですが、ウの「~といい、~といい」という言い回しの短文を作ってみたり、「対日感情が悪い」の時事的な内容について話し合ってみたり、親子で発展学習につなげてください。
<大問1の問4>
「小稿」とは何のことですか。また、「小」は、この場合筆者のどのような気持ちを表していますか。簡潔に答えなさい。
→もちろん文中にある言葉ですから、文脈からヒントは得られますが、この程度の表現なら知っておきたいところです。最近あまり耳にしませんが、「小生」なども同じ使い方の表現ですね。
<大問1の問7>
次の①~⑦の外来語を漢字の熟語で表現するとどうなりますか。後のア~ケから最も適当なものを選びなさい。
①ケース ②ピース ③リース ④スペース
⑤ベース ⑥ニュースソース ⑦ニューフェース
ア:場合 イ:空間 ウ:演技 エ:基準 オ:新人
カ:賃貸(ちんたい) キ:平和 ク:委員会 ケ:情報源
→選択問題ですので、全問正解したいところです。ただし、あくまでも「カタカナで表記された外来語」ですから、この選択肢の熟語以外の訳語があてはまる場合があることにも注意すべきでしょう。たとえば、①ケースが「容器、箱」だったり、②ピースが「ケーキなどの一切れ」だったり、④スペースが「宇宙、余白」だったりする場合ですね。また、③リースと聞いて「クリスマスの輪飾り」を思い浮かべてしまうこともあるでしょう。それを面白いと感じられるといいですね。
<大問2>
「どたばた」「はるばる」のように、二文字目と四文字目が同じひらがなである言葉はいろいろあります。次の①~⑥の「 」にあてはまる同じひらがな一字を答えなさい。
①ち「 」ほ「 」(まばらで数が少ないようす)
②へ「 」も「 」(うろたえまごつくようす)
③つ「 」こ「 」(うるさく文句を言うようす)
④や「 」も「 」(気をもんでいらいらするようす)
⑤あ「 」せ「 」(気ぜわしく行うようす)
⑥し「 」じ「 」(心に深く感じるようす)
→進学塾の公開テストなどにも頻出のパターンです、あまり馴染みのない言葉も入っていますね。これも、例文を作ってみてください。
<大問3>
次の①~⑥の俳句は、すべて新年をよんだものです。「 」に入る言葉を後のア~キから選びなさい。
①「 」の竹の切っ先雪降れり (井上美子)
②「 」を張って地震(じしん)の国の春 (川崎展宏)
③賑(にぎ)やかにふきあげて来る「 」かな (松瀬青々)
④抱(だ)けば足る「 」のまだ要らぬ子は (松倉ゆずる)
⑤病む父の「 」に笑顔(えがお)もどりおり (立石勢津子)
⑥「 」を一々つるす鴨居(かもい)かな (篠原温亭)
ア:書き初(ぞ)め イ:年玉 ウ:鏡餅(かがみもち) エ:雑煮(ぞうに)
オ:しめ縄(なわ) カ:賀状 キ:門松(かどまつ)
→灘中お得意の、「しっかり鑑賞しましょう」という俳句問題です。音の数もヒントになりますね。また、「鴨居」の意味や「書き初め」「雑煮」などの読みくらいは覚えてしまいましょう。
<大問4>
例にならって、次の①~⑤の各文の内容を表す、動物(鳥、虫をふくむ)を二種類用いたことわざを答えなさい。ただし動物名は後の語群から選びなさい。
(例)都合のよい方にきりかえること。
(答)牛を馬にのりかえる
①強大な敵の前ですくんで動けなること。
②二つのものをねらって、どちらも失敗すること。
③有力者の権威(けんい)をうしろだてにしていばる小人物。
④親ににあわないすぐれた子が生まれること。
⑤自分の力量を考えず、むやみに人まねをして失敗すること。
(語群)牛 馬 あぶ う かえる からす
きつね たか とび とら はち へび
→出来上がったことわざの意味を、自分の言葉で説明してみるのもいいですね。
<大問5>
次の①~⑤のAとBの文の「 」には、音読みで同じ読みかたをし、共通の部分を持った漢字が入ります。それぞれの漢字を答えなさい。
①A「 」は心。
B「 」笛を鳴らす。
②A「 」心の部下に裏切られる。
Bやっと「 」調のきざしが見えてきた。
③A処世「 」を身につける。
B著「 」業に精を出す。
④Aかれには「 」質がある。
Bかれは「 」勢がよい。
⑤A門戸を開「 」する。
B諸国を歴「 」する。
⑥A明「 」止水。
B逆「 」に負けない。
→①のB、②のA・B、③のA・B、④のA、⑤のB、⑥のBなど、少々難しい言葉も並んでいます。今回を機に語彙として身につけておきたいですね。
<大問6>
上下左右に二字熟語が四組完成するように、「 」に入る漢字を答えなさい。ただし漢字の読み方は、音読みでも訓読みでもよいものとします。
退 実 可
↓ ↓ ↓
① 支→「 」→席 ② 表→「 」→金 ③ 対→「 」→議
↓ ↓ ↓
口 場 算
世 集 完
↓ ↓ ↓
④ 人→「 」→手 ⑤ 熱→「 」→身 ⑥ 安→「 」→域
↓ ↓ ↓
談 間 体
→このパターンの問題も頻出ですが、案外簡単な漢字を使った熟語が多いですね。また、どちらかというと訓読みの熟語が盲点になり易いですね。
<大問1の問1の解答>
①「耳」にたこが出来る
②「手」を染めてみた
③「口」には出さない
<大問1の問3の解答>
「火を見るより明らか」
ア:「火」が消えたように イ:「日」の目を見た
ウ:「非」の打ち所がない エ:「火」に油を注ぐ結果
オ:「日」の出の勢い カ:私の「比」ではない
<大問1の問4の解答例>
「小稿」:自分の書いた原稿のこと。
「小」 :自分の書いた文章に対して謙遜する気持ち。
<大問1の問7>
①ア ②キ ③カ ④イ ⑤エ ⑥ケ ⑦オ
<大問2の解答>
①ち「ら」ほ「ら」 ②へ「ど」も「ど」 ③つ「べ」こ「べ」
④や「き」も「き」 ⑤あ「く」せ「く」 ⑥し「み」じ「み」
<大問3の解答>
①「キ:門松」の竹の切っ先雪降れり
②「オ:しめ縄」を張って地震の国の春
③賑やかにふきあげて来る「エ:雑煮」かな
④抱けば足る「イ:年玉」のまだ要らぬ子は
⑤病む父の「カ:賀状」に笑顔もどりおり
⑥「ア:書き初め」を一々つるす鴨居かな
<大問4の解答例>
①へびににらまれたかえる
②あぶはちとらず
③とらのいをかるきつね
④とびがたかをうむ
⑤うのまねをするからす
<大問5の解答>
①A「気」は心。
B「汽」笛を鳴らす。
②A「腹」心の部下に裏切られる。
Bやっと「復」調のきざしが見えてきた。
③A処世「術」を身につける。
B著「述」業に精を出す。
④Aかれには「資」質がある。
Bかれは「姿」勢がよい。
⑤A門戸を開「放」する。
B諸国を歴「訪」する。
⑥A明「鏡」止水。
B逆「境」に負けない。
<大問6の解答例>
退 実 可
↓ ↓ ↓
① 支→「出」→席 ② 表→「現」→金 ③ 対→「決」→議
↓ ↓ ↓
口 場 算
世 集 完
↓ ↓ ↓
④ 人→「相」→手 ⑤ 熱→「中」→身 ⑥ 安→「全」→域
↓ ↓ ↓
談 間 体
いかがだったでしょうか。
毎回プリントアウトして楽しんでいただいている親子さんもいらっしゃいます。
ありがとうございます。