木曜日になりました。

春休みが近づいてきましたね。

新型コロナが落ち着いてきて、マスクの着用も、基本的に個人の判断に委ねられることになりました。

旅行に出かける計画がある方も多いと思いますが、いろいろな面で、判断がますます難しくなっているのかもしれません。

さて、次のようなワクワクする記事(前者が『時事ドットコム』、後者が『朝日新聞デジタル』)がありました。

『5000年前の居酒屋発掘 冷蔵庫にかまど、そしてビール―イラク
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023021500677&g=int
 【ラガシュ(イラク)AFP時事】イラク南部で、約5000年前の居酒屋とみられる遺跡が発掘された。人類最初期の文明が生まれたメソポタミアの庶民の暮らしに光が当たる可能性があると研究者らは期待している。
 発掘現場は南部ナシリヤ近郊にあるシュメール人の都市国家遺跡ラガシュ。米国とイタリアの発掘チームが昨年11月に発掘作業を完了し、詳細の分析に移っている。
 冷蔵庫代わりだったとみられる原始的な貯蔵施設、巨大なかまど、客が座ったとみられる長いす、150点に及ぶ食器が見つかった。魚や動物の骨が入った容器があり、さらにビールを飲んでいたらしい証拠も発見された。
 発掘責任者は「ここは恐らく大勢の庶民が食事をしに来る場所だったが、提供されたのは家庭料理ではない」と指摘した。一帯で発掘された神殿からはビールの醸造法とみられるくさび形文字の記録も見つかっており「シュメール人は水よりもビールをたしなんでいた。ここは居酒屋と呼びたい」と強調した。』

『グルメで賢かったネアンデルタール人 カニ焼き、集団で巨大ゾウ解体
https://digital.asahi.com/articles/ASR365GYNR36PLBJ002.html?iref=comtop_7_06
 ネアンデルタール人が、おいしいカニを焼いて食べていたことや、力を合わせて巨大なゾウを倒していたことなどが、最近の研究で分かってきた。
 私たちホモ・サピエンスとは別の人類で、約3万~4万年前に絶滅したとされる、この「親類」たちは、のろまで劣った原始人という従来のイメージを覆し、高度な社会性や知性を備えていたとする見方も強まっている。
 ドイツとオランダの研究チームは今年2月、ドイツ中東部の12万5千年前のノイマルク・ノルド遺跡から見つかった動物の骨や石器などの分析から、ネアンデルタール人が古代ゾウを解体した跡を発見したと米科学誌サイエンス・アドバンシズ(https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.add8186別ウインドウで開きます)に発表した。
 ネアンデルタール人による動物の狩猟跡と見られる遺跡はこれまでも見つかっていたが、人の背丈の2倍以上ある巨大ゾウを獲物にしていたことがわかったのは初めてだ。
 このゾウは体高が4メートルあり、体重は13トンにも達した。遺跡からは約70頭分の骨が見つかり、多くに石器で肉を削り落とすなどした解体跡が残っていた。ネアンデルタール人たちは遺跡周辺に集団で定住し、定期的にゾウを狩って解体していたらしい。
 一方、ポルトガルの海沿いの洞窟では、約9万年前のネアンデルタール人の遺跡で、カニや貝、海鳥やイルカ、サメや複数の動物などの骨が見つかった。
 ドイツやポルトガルなどのチームによる分析では、大量に見つかったカニの甲羅やハサミには、殻を割って中の肉を取り出したとみられる跡が残っていたほか、約1割からは調理したとみられる黒い焼き跡も見つかった。
 焼き跡は、現在も珍味として、現地ではゆでたり焼いたりしてよく食べられている大型のヨーロッパイチョウガニ(ブラウンクラブ)に集中していた。ネアンデルタール人もこの種類のカニが大好きだった。
 研究チームのリスボン大、ジョアン・ジルハオ教授は「草原で動物を追いかけていたとする従来のネアンデルタール人像が偏っていたことを示している。抽象的な思考と高度な言語能力をもっていたことを示す研究も増えている。顔つきや骨格など当時のホモ・サピエンスとのわずかな解剖学的な違いは、(生物学的な)種の違いというよりも(現代人における)人種的な違いに近かったのではないか」と主張している。』

後者の『朝日新聞デジタル』の記事は有料記事ですのでこれ以上の引用はできませんが、いかがでしょうか。

はるか昔の人類の暮らしぶりを想像するのは、ワクワクする体験ではありませんか。

親が夢中になっている姿をみせれば、子どもたちが前向きに取り組む可能性も高まります。

子どもの好奇心のアンテナを伸ばしたいなら、「要領よく、子どもだけ動かそう」は絶対NGです。

お父さん、お母さんが心の底から興味を持って、子どもと好奇心を共有してくださいね。

前回のメルマガで、『東大寺学園文化祭「菁々祭」@9月9日・10日』に関連して「みなさんの文化祭の思い出を」と書きましたが、特に大学時代の思い出に関していくつかお返事をいただきました。

ありがとうございます。

概ね、

『自分で模擬店を開くなどの経験はありませんが、あちこちの大学の文化祭に出かけていきました。どこの文化祭もとても楽しかったことを覚えています。まさに青春時代でした。それに比べると、コロナの時代の大学生はほんとうに可哀そうです。』

といった内容でしたが、おっしゃる通りですね。

どこの大学の学祭も大いに盛り上がっていて、まさに「青春を謳歌している」という光景が広がっていました。

一方、新型コロナの時代に大学時代を迎えている若者たちは、どんな形で青春を謳歌できているのでしょうか。

新型コロナ以前の時代は、大学祭に限らず、何をしていても楽しかったことを思い出します。

私も、お遊びサークルを作ってからは、大学の学生ラウンジの一角で馬鹿話をしたり、毎週のように飲み会を開いたりするだけでなく、お揃いのトレーナーやスタジアムジャンパーを誂えて、

「六大学野球観戦で学生席を陣取るために徹夜で並ぶ」
「梅雨時に鎌倉散歩に出かける」
「お花見と称して上野公園や井の頭公園で宴会を楽しむ」
「観光バスをチャーターして夏のテニス合宿や冬のスキー合宿を主催する」

などなど、季節に合わせていろいろなイベントも開催しました。

まさに「青春の日々」であり、大人になる前の「モラトリアム」でした。

新型コロナの収束・終息が待たれます。

また、

『コンプラの波”昔話にも押し寄せる…「さるかにばなし」や「ももたろう」の展開が激変 死ぬ描写がNGに』
https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20230223_25468

にもお返事をいただきました。

ありがとうございます。

ネットで検索してみると、私自身知らなかった「残酷なストーリー展開の昔話」も多く、次のようなサイトの記事(前者が『Business Journal』、後者が『3分で読める! 昔話のあらすじ』)がすぐに見つかります。

『怖すぎて大人になっても見たくない、本当に怖い「まんが日本昔ばなし」3つのお話
https://biz-journal.jp/2018/05/post_23362.html
 さて、今回振り返るテーマは、アニメ『まんが日本昔ばなし』(TBS系)でやっていた怖い話。1975年から放送されていた同番組では、時折、幼児向けとは思えないほどヘビーな話がオンエアされ、そのたびに、テレビの前の子どもたちにトラウマを植え付けていたものです。今回はその中でも、有名人が「怖すぎてもう観たくない」と言っていたり、有名漫画家が監督を務めていたりと、選りすぐりの作品を3つピックアップして紹介していきます!
■三本枝のかみそり狐
■吉作落とし(きっさくおとし)
■飯降山(いぶりやま)』

『3分で読める! 昔話のあらすじ・怖いお話一覧』
https://arasuji-m.com/kowai-story/
『青ひげ』『因幡の白兎』『飯降山』『牛鬼淵』『海の水はなぜ辛い』『おんぶおばけ』『吉作落とし』『くわず女房』『子取り』『さまよえるオランダ人』『猿神退治』『三本枝のかみそり狐』『十六人谷』『しゅのばん』『大工と鬼六』『七夕さま』『茶壺』『トゥルーデおばさん』『とろかし草』『人形峠』『猫岳の猫』『みちびき地蔵』『耳なし芳一』『山姫』『やろか水』『龍の淵』『ろくろ首』

子どもたちがこの種の昔話に出会ったとき、親や大人は、「どう伝え教えるべきか」ほんとうに悩みますね。

とはいえ、子どもたちの前から危険なもの、刺激の強いものを排除する「純粋培養」方式は逆に危険も多く、子どもたちの成長に禍根を残すように思います

「親子で同じ昔話を読んでしっかり対話する」、最低限、そんな時間が必要となるでしょう。

最後に、次の『Newsweek日本版』の記事を紹介させていただきます。

『受験地獄はもう遠い過去......時代は「大学全入」から「大学淘汰」へ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/post-100921.php
舞田敏彦(教育社会学者)
<2040年には受験生の約4割が現在の難関校に入れるようになる>
 今年も受験シーズンになった。少子化の影響で受験競争は緩和されているというが、昔は「受験地獄」といわれるほど競争は激しかった。
 40年ほど前の1980年11月、受験勉強に疲弊した青年が金属バットで両親を殺害する事件が起きた。当時、大学受験の2浪目だったというから、最初(現役時)の受験は1979年春だったことになる。同年の大学入学志願者は63万7000人で、大学入学者は40万8000人。差し引き22万9000人(35.9%)が不合格になっていた。筆者は1995年春の受験生だが、この年の不合格率も同じくらいだった。
 だが近年では、「本当か」と疑いたくなるほど不合格率は下がっている。大学入学者数を合格者数、大学入学志願者数から大学入学者数を引いた数を不合格者数とし、両者の推移をたどると<図1>のようになる。統計がとれる1965年からの変遷図だ。
 合格者数は青色、不合格者数はオレンジ色の面で示している。赤色の線は不合格率で、両者の合算に占める不合格者のパーセンテージだ。
 この不合格率が大学受験競争の激しさの指標となるが、1960年代後半と1980年代末では4割を超えていた。人数が多い団塊世代と団塊ジュニア世代が受験に挑んだためだ。観察期間の中でのピークは1990年で、入学志願者88万7000人のうち39万5000人(44.5%)が不合格になっていた。
 その後、不合格率は滑り台よりも急な角度で下がり、2000年には20%、2008年には10%を割り、直近の2022年春ではわずか1.7%だ。グラフを見ても、オレンジ色の不合格者の領分はほぼ無くなっている。「大学全入時代」の視覚化と言っていい。半分近くが落ちていていた1990年代初頭の「受験地獄」の頃とは隔世の感がある。
 これは大学全体の話で、有力大学に限ったら競争はまだ激しいのではないか、という疑問があるかもしれない。確かにそうで、「四当五落」(4時間睡眠なら合格、5時間睡眠なら不合格)の紙を貼って勉強に勤しんでいる受験生もいるだろう。しかし今後、少子化がますます進むにつれ、有力大学にも入りやすい時代がくる。
 昨年(2022年)の出生数は77万人ほどで、これが2040年の18歳人口となる。この年の大学進学率が60%と仮定すると、大学進学者は46万人。国公立大学と有力私大の入学者数が今と変わらないとすると、どういう事態になるか。<図2>を見てほしい。
 四角形全体を18歳人口(77万人)と見立て、その中において、有力大学入学者数がどれほどのシェアになるかをグラフにしたものだ。大学進学者(46万人)の中でのパーセンテージにすると4割近くにもなり、5人に2人が国公立大ないしは「MARCH」以上の私大に入れる計算だ。その他の私大、とくに入試難易度の低い私大は退場させられている可能性が高い。
 2040年の大学進学者数46万人というのは、今の63万5000人と比べて3割近く少ないことになる。進学率が上がれば今のパイを維持することはできる、というのは楽観的に過ぎる。2040年の18歳人口は77万人なので、大学進学者63万5000人を確保するには、同世代ベースの進学率が82.5%にならないといけない。あり得ないことだ。
 今後の人口ピラミッドの変化を見越して、社会人のリカレント教育(学び直し)に重点を移すことも必要になる。やせ細る18歳人口を奪い合うことだけに躍起になっている大学は、淘汰されるほかない。<資料:文科省『学校基本調査』>』

この記事には資料のグラフなども含まれていますので、ぜひ引用元のサイトを訪れてほしいのですが、いかがお感じでしょうか。

『今後、少子化がますます進むにつれ、有力大学にも入りやすい時代がくる。』
『5人に2人が国公立大ないしは「MARCH」以上の私大に入れる計算だ。』
『その他の私大、とくに入試難易度の低い私大は退場させられている可能性が高い。』

などの記述を読むと、将来、今の受験や学歴に関する価値観がそのまま通用することはないといえそうです。

次回のメルマガでは、長期休暇前に恒例(?)の「灘中の国語の過去問紹介」をさせていただく予定です。