12月最初の木曜日になりました。

日本では新型コロナの陽性判明者の数が激減したまま推移していますが、世界に目を向けると、新規感染者数が大きく増えている国も多く、実態がつかめていない変異型「オミクロン株」が日本でも確認されました。

各国で入国制限がますます厳しくなっていく中、心配の種は尽きません。

特に受験生のいる家庭にとっては気になることばかりでしょうが、次のような記事(『朝日新聞デジタル』)もありました。

『中学受験生、コロナワクチン接種どうする 本番へ必要な準備は
https://digital.asahi.com/articles/ASPCV5DS9PCQUTIL03J.html?iref=comtop_7_03
 中学受験に向け、新型コロナウイルスのワクチン接種をどうするか――。小学6年の受験生がいる家庭が、そんな問題に直面している。本番に向けて、どんな準備をすればいいのか。
■様子見・迷い… 家庭の対応さまざま
 「痛いし絶対やだ」
 東京都世田谷区の小6男子は、そう言ってワクチンを拒絶した。8月にワクチンが受けられる12歳になり、9月に接種券が送られてきたときのことだ。夏前に打ったアレルギー関係の注射の痛さに懲りたという。
 中学受験に向けて進学塾に通う。本番が近づいてきているからか、最近はイライラしていることが多い。会社員の母親(44)は、勉強以外の負荷は極力かけられないと考え、「東京都内の感染者が100人を超えたら打とう」と約束した。当面はマスクや手洗いなどの基本対策を徹底しつつ、様子をみる構えだ。
 ワクチンを打たずに本番を迎える可能性はあるが、母親は大きな不安は感じていない。志望校は当日に熱がない限りは受けられる見通しだし、コロナで受けられない場合の追試を設けている学校もあるからだ。ただ、感染状況によっては直前の1月には学校を休むかどうか考えるかもしれない。「毎日の感染者数をよく見て、周りの保護者とも相談しながら考えたい」
 感染状況が落ち着いているいま、受験生の子にワクチンを打たせるかどうか迷っている家庭は少なくないようだ。都内のある区立小学校では6年生の半数以上が12歳になったが、打ったと把握できた子はそのうち3割程度にとどまる。
 6年生の児童の中には受験する子も多い。新規感染者数が多かった夏休み明け、児童から「接種した」と聞いたり、保護者から「副反応で休みます」との連絡が入ったりすることも多かった。だが、最近は聞かなくなったという。コロナ不安による欠席もなくなった。校長は「全員の接種を把握できているわけではないが、受け控えている印象だ」と話す。
(中学受験に向け、コロナワクチンの接種をどうするか。家庭によって、対応は様々です。記事の後半では、ワクチンにどう向き合うかを含めた本番までの心身の健康管理について、経験豊富な家庭教師に聞いています。)
■「ずるいよね」 早生まれの11歳はこぼした』

この記事は有料会員対象の記事ですので引用はここまでですが、いかがでしょうか。

12歳という区切りがあるために、早生まれで11歳の中学受験生はワクチン接種を受けたくても受けられないとなると、不公平感は否めないでしょう。

「医学的な区切り」で仕方のないことなのか、「行政上の区切り」でなんとか対処できることなのか、素人の私には判断がつきませんが、「ワクチン接種問題」が受験生の間に分断をもたらすとは思ってみなかった事態です。

全国の受験生が無事に受験日を迎えて実力発揮してくれることを祈ります。

今回も、メルマガにいただいたお返事を紹介させていただきます。

『甲子園口のマンボウトンネルで非常に厚かましい男性と遭遇しました。小さなマンボウトンネル内を自転車を押しながら歩いていた私の順番を無視して反対側から男性が侵入してきました。こちらを一度も見ずに出口へと突き進み、私が避けながら注意しても全く視線を合わさず、去っていきました。20年住んで初めてのことでしたが、マンボウトンネルは譲り合って通るのが当たり前のトンネルでした。日々、残念な人に心が疲れてしまいます。』

西宮市(JR甲子園口)に馴染みのない方にはわからないことですが、駅から歩いて5分ほどのところに小さな小さなトンネルがあります。

関西のテレビでは、何度も紹介されたことがあるトンネルです。

JR神戸線の線路下をくぐるトンネルで、大人なら思わず背をかがめたくなるほど小さく狭いので、自転車の人は降りて押して通り抜けるわけです。

当然一方通行スタイルで、トンネル内をのぞいてみて、向こうから来る人がいなければ入っていきますが、向こうから人や自転車が来ればもちろん待ちます。

何人かが続いてやって来るときには、それなりの時間を待つことになります。

私も、西宮に引っ越して、初めてあのトンネルを通ったときは本当にびっくりしました。

とはいえ、譲り合って通ることは決してイヤではありませんでした。

トンネルを抜けるときに、「お先に」と声をかけるのも気持ちのいいものでした。

もう長い間通っていませんが、あのトンネルで残念な人には遭遇したくありませんね。

『メルマガの「鉛筆の持ち方だけでなく、消しゴム・下敷きや鉛筆削りの使い方、定規の使い方なども練習していますか。さらには、机の上の整理の仕方も練習したいものです。」はたいへん勉強になりました。1年生の準備の参考にさせていただきます。』

ありがとうございます。

他にも、親子で経験してほしいことはたくさんあります。

たとえば、丸い赤鉛筆はすぐに転がっていって机から落ちてしまいます。

そうなると、柔らかい芯は簡単に折れてしまうわけで、丸い鉛筆の真ん中や端に、セロハンテープをひと巻きして転がりにくくしておくなどの工夫も必要です。

そんな小さな経験を一つ一つ積み重ねていってくださいね。

『入塾テストに関連して、「特に親にとっては、テストの結果を子どもの成長に生かすための貴重な訓練だと考えるべきでしょう」というところ、非常に考えさせられました。テストの結果に一喜一憂して、ついつい感情的になってしまいます。こんなに立派な親になる自信がありません。』

子どもの受験を目指すお母さん、お父さんたちは、誰もが頑張って頑張っていて、それでも心が揺れてどっしり構えてなんていられなくて、時に感情的にもなって、やせ我慢するしかない毎日で、、、といったところだと思います。

もしかすると、「立派な親」などどこにもいないのかもしれません。

ただし、子どもたちがしんどい思いをして努力しているわけですから、親が子ども以上の努力しないわけにはいきません。

少しでも「立派な親」に近づこうという意識を持ち続けてくださいね。

最後に、次の『日本経済新聞電子版』の記事を読んでみてください。

『「自分で決める」灘高に商売人気質脈々 和田孫博さん
関西のミカタ 灘中学・高校校長 
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOHC070VQ0X01C20A2000000/
<わだ・まごひろ 1952年大阪市生まれ。65年灘中学校に入学し、中学・高校の6年間を過ごす。76年に京都大を卒業。大学在学中の教育実習をきっかけに、灘中学・高校の英語教諭に。野球部の監督も務めた。2007年から同校校長。>
■関西私学の雄、灘中学・高校の校長、和田孫博さん(68)は同校の出身。2007年、創立80年を迎える母校の校長に就任した。
 1927年の創立当時、阪神間は大阪の裕福な商売人が多く住んでいた地域。教育熱が高く、東京高等師範学校(現筑波大)の校長を務めた嘉納治五郎先生が、地元・灘の造り酒屋の出資によりこの学校をつくった。柔道家としても高名だった嘉納先生は校是に柔道の精神「精力善用」「自他共栄」を掲げた。自分のできることを最大限にやって、それぞれが頑張ることでみんなが幸せになる世界をつくるという精神だ。
 設立当初は地元の生徒がほとんどだったが、現在は岡山県や愛知県から新幹線で通学する生徒もいる。入試があり成績的には均質だが、個性はとんがっている生徒が多い。趣味や興味の向くところがそれぞれ違うせっかくの個性なので、とんがったままで丸めないで育てる教育を心がけている。中学入学時から教員7~8人でチームをつくり、6年間そのまま持ち上がる。生徒と教員のつながりは強く、それぞれの個性も分かる。
■卒業生は関西にとどまらず、日本全国、さらには世界を股にかけて活躍する。和田さんは、卒業生の進路選択に関西独特の商売人気質があるのではないかと見る。
 卒業生の特徴として、大きな会社でじっとしているよりも途中で飛び出して起業するなど、小さくても組織のトップに立つ人が多い。商売人と言っても単にお金に渋いとかではない。自分でやりくりをすることで責任も大きいが、その分喜びが大きい。そういうやりがいを大事にする気持ちが強いのだと思う。
 例えば政治家の世界を見ても現在の神戸市長や三重県知事など、国政で活躍するより地方自治体のトップを務める人が多い気がする。組織の一員というよりは、商店主のように自分の方針で物事を決めたいのかもしれない。
 私自身、大阪市福島区の水産加工品販売店の息子で、商品の配達など家業の手伝いもしていた。灘中に入学したのは親が良い学校があるとどこからか聞いてきたからだったと思う。まだ倍率が2倍くらいで、今ほど激しい受験競争はなかった。
 英文学に興味を持ち京都大文学部に入学し、研究者の道も考えたが、どうも黙々と本を読んで論文を書くというのは自分の性分に合わない。そう感じていたところ、母校での教育実習で「空きがあるよ」と誘われた。教員も教室内では自分の方針で自由にできる裁量が大きく、ある意味、商店主に近いと感じる。
■学習指導要領が改訂され、文部科学省は「主体的・対話的で深い学び」を推進している。灘での教育にも重なる部分はあるという。
 灘では、まず問いを提示し、生徒が答えを考えて臨む「反転授業」を取り入れる教員が多い。例えば中学2年の歴史の授業では、平清盛は貴族政治と武家政治どちらと言えるのか、という問いを教員が与え、生徒が自分なりに考えた上で授業に臨む。答えがどちらなのかよりも、考える過程を大事にしている。
 これまで日本では教わったことを知識として身につける復習型の授業が多かった。しかし、これからの時代は答えのない問いをどう考えていくか、その力が問われる。新型コロナウイルス対策も、誰も正解がわからない中で考えなくてはいけない。問題に直面したときにこそ、自分で答えを導き出す考え方が生きる。
 昨今「アクティブラーニング」の重要性が強調されているが、灘ではそうした教育を昔から続けてきた。時代の変化にも対応できるような人材がこれからも育っていくと期待している。今の時代こそ、一人ひとりが得意な分野を見つけ、多様性を生かしながら活躍していくことが大事だと思う。(聞き手は玉岡宏隆)』

「灘高に商売人気質脈々」というタイトルには少々驚きましたが、みなさんはいかがお感じでしょうか。

「岡山県や愛知県から新幹線で通学する生徒もいる」とありますが、岡山から新幹線通学をしていたお子さんが通学定期を紛失したという「大事件(!)」を聞いたことがあります。

定期代がいくらだったのかまでは知りませんが、親にとってはやっぱり「大事件」ですよね。

また、以前、淡路島や名古屋から関西の進学塾に通っているお子さんにアドバイスさせていただいたこともありますが、関西の私立中学を目指して多くの親子さんが頑張っているわけですね。

「個性はとんがっている生徒が多い」という部分も、たいへん興味深いですね。

灘校に限らず、有名私立中学・高校には、ある意味「優秀な子ども」という枠を越えた魅力的な生徒さんがたくさんいるように思います。

新型コロナが収束して、再び従来のような形で文化祭が開催されるようになったら、ぜひいろいろな学校の文化祭に出かけてみてください。

彼ら、彼女らの魅力溢れるパフォーマンスを、親子で満喫してください。

親子の新しい目標が見つかると思います。