こんにちは、丸亀/善通寺ひらの眼科ですニコニコ

 

5月の姫路市眼科医会総会で報告させていただいた内容の続きで、今日は難治性黄斑疾患について書かせていただきますひらめき電球

黄斑円孔という病気があり、文字通り黄斑に穴があいてしまう病気です目

黄斑とは眼の奥の眼底にある網膜という名前の神経膜の中心部の呼び名で、私達の視界の中心部のイメージングを担っている最も大切な部位です。

黄斑は硝子体というゼリー状の組織と接していて、主に硝子体の加齢性変化によって黄斑が硝子体から引っ張られてしまい穴があいてしまいます。

治療法は手術治療になります。

・引っ張りの原因となっている硝子体を切除する

・穴の周りの黄斑の表層の膜(内境界膜)を剥がす

・硝子体切除した部分にガスを注入する

上記のような流れで、通常の黄斑円孔は閉鎖が得られる事が多いです。

しかし、巨大黄斑円孔(穴が大きいタイプ)、外傷性黄斑円孔(外傷がきっかけで穴ができたタイプ)、黄斑円孔網膜剥離(網膜剥離を合併するタイプ)、は難治性黄斑円孔と呼ばれ通常の手術では閉鎖しづらいことがわかっていますダウン

難治性黄斑円孔では、通常の手術法では剥がしてしまう内境界膜を、穴に被せるようにすることで閉鎖しやすくさせる方法があります(内境界膜翻転法)。

 

姫路赤十字病院で難治性黄斑円孔30症例(巨大黄斑円孔19例、黄斑円孔網膜剥離9例、外傷性黄斑円孔2例)に対して内境界膜翻転を用いて治療したケースでの手術成績は、穴が開存してしまった症例は0例という結果でした(すべて自分が執刀した症例です)。

 

 

 

内境界膜翻転法を用いることで眼軸長が32ミリメートルを超えるような非常に難しい条件の黄斑円孔網膜剥離も穴が閉じて、術後に視力が上昇したという症例もありました。

 

丸亀市ひらの眼科でも引き続き内境界膜翻転を用いた治療で、難治性黄斑円孔をしっかり治療していきますウインク