【登場人物】
・大輔…新潟出身。真面目で照れ屋。
・結衣…新潟在住。ツッコミが速い。
・おばちゃん店員…米売り場の守護神。
【場面】
スーパーの米売り場。
銘柄米がずらり。試食コーナーの湯気が立っている。
大輔「結衣、ちょっと…ここで待ってて」
結衣「ここ?米売り場で?」
(大輔、なぜか真剣な顔で5kg袋を手に取る)
結衣「ちょっと、何その神妙な顔」
大輔「……聞いてほしい」
大輔「俺さ、ずっと思ってたんだ」
結衣「うん」
大輔「一生、君だけの——」
(結衣、息をのむ)
大輔「——コシヒカリでいたいんだ」
結衣「米で例えるな」
大輔「いや、違う!米って、毎日じゃん!」
結衣「毎日だからこそ例えにするな」
大輔「飽きない。ブレない。炊きたて最強。そういう存在で…いたい」
結衣「褒めてるのは分かるけど、なんか胃にくる」
そこへ、店員のおばちゃんがにこやかに近づく。
おばちゃん「若いの、プロポーズかね?」
大輔「はい…!」
結衣「場が米ですけどね…」
おばちゃん「ええこっちゃ。ただね、男は覚えときな」
大輔「は、はい!」
おばちゃん「『君だけのコシヒカリ』言うなら、米研ぎは一生やりなさい」
大輔「えっ」
結衣「出た、現実」
大輔「やります!米研ぎも、炊飯予約も、保温の調整も!」
結衣「急に家電担当の誓いになった」
【ラスト】
大輔「結衣、結婚してください」
結衣「…うん。でもね、私はコシヒカリだけじゃなくて」
(結衣、米棚を指す)
結衣「その日の気分で“新之助”も食べたい」
大輔「えっ…浮気?」
結衣「米の話!」
おばちゃん「よしよし、ええ夫婦になるわ。
米の好みが合うのが一番長持ちするからね」
(こうして二人の未来は、
“炊きたて”と“現実”に支えられていく。)
