【登場人物】


  • リーダー・サエ:IT中級。説明はわりと丁寧。
  • カズオ:チーム内ただ一人の“ITだけ昭和”なベテラン。
  • ユイ:若手。隣でそっとサポートしている。





会議室。今日は新しいオンラインツールの説明会。


サエ「じゃあ、このチャットツールで情報共有していきますね。」

カズオ「おぉ、また新しいやつか……“チャット”って、メールと何が違うんだ?」

ユイ「スピード感あるメール、みたいな感じです!」

カズオ「じゃあ“スピードメール”でいいじゃないか。」




サエ「まず、この“ルーム”に全員入ってください。」

カズオ「部屋に入るのに、なぜパソコンがいるんだ……?」

ユイ「“部屋”は比喩です!」


カズオ、画面をじっと見る。


カズオ「この“参加”ってボタンを押したら入れるのか?」

サエ「そうです!」

カズオ「じゃあ“入室”って書いてくれ。」




なんとか全員がチャットルームに入る。


サエ「はい、ここに“おはようございます”って打ってみてください。」

ユイ「テストです〜。」


画面に次々と「おはようございます」が並ぶ。


カズオ「……ふむ。」


数分後、カズオの投稿が出る。


カズオ「拝啓 新緑の候 皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます──」


サエ「長っ!!」

ユイ「ビジネスメールのフルコースきた!!」




サエ「チャットはもっとラフで大丈夫ですよ。」

カズオ「そうか……じゃあ……」


少し考えてから、もう一行打つ。


カズオ「おはよ。」


ユイ「極端!!!」




サエ「あと、この“スタンプ”も使えますよ。気軽なリアクションに便利です。」

ユイ「いいね!とか、了解!とかの代わりにポンって押す感じです。」


カズオ、恐る恐るスタンプを押す。

画面に“謎のクマが全力で土下座しているスタンプ”が連投される。


サエ「なんで謝ってるんですか!?」

カズオ「ボタン押したらクマが勝手に謝ったんだ。」

ユイ「チーム全員に意味不明な謝罪が届きました……。」




最後にサエがまとめる。


サエ「まぁ、わからないことは聞いてくださいね。」

カズオ「ああ。ITは弱いが、質問する勇気は強いからな!」

ユイ「それ、一番大事です!」


チャットに、再びクマの土下座スタンプがピコン。


サエ「だからなんでまた謝るんですか。」

カズオ「これは“よろしく頼む”のつもりで押した。」


ユイ「意味だけはちゃんと伝わってるのがすごいです。」



いかがでしたか?

チームに1人いる“ITだけ昭和”な人、邪魔どころか実はムードメーカーだったりしますよね。

ツールは弱くても、「聞く勇気」と「愛嬌」でだいたい何とかなる、そんな1本でした。