【第7章】失敗は予定に入っていない

――だから失敗は、いつも突然やってくる。

【登場人物】
・男
・妻
・友人

数年前。

男、真っ青な顔で帰宅。

妻:「どうしたの?」

男:

「終わった……」

妻:「何が?」

男:

「人生最大の失敗をした」

妻:「そんなに?」

男:「もう誰にも会えない……」

妻:「大丈夫よ」

男:

「これは一生笑えない」


3年後。

飲み会。

男:「そういえば俺さ――」

友人:「うん」

男:

「昔、とんでもない失敗してさ!」

身振り手振りで熱演。

友人たち:

「ギャハハハハ!!」

男:

「そこ笑うところじゃないから!」

……と言いながら本人が一番笑っている。


帰宅。

妻:「楽しそうだったわね」

男:「盛り上がった!」

妻:「何の話?」

男:

「人生最大の失敗!」

妻:「あれ、一生笑えないんじゃなかった?」

男:

「……そうだった」


男、少し考える。

「不思議だな」

妻:「何が?」

男:

「あの時は人生が終わったと思ったのに」

妻:「うん」

男:

「今じゃ鉄板ネタだ」

妻:「よかったじゃない」

男:

「しかも今日、アンコールされた」

妻:

「失敗談にアンコールあるの!?」

男:

「来週、別の飲み会でもやる」

妻:

「全国ツアーにするな!!」




いかがでしたか?笑っていただけましたか?

失敗したその日は、笑えません。

「もう終わった」と本気で思うこともあります。

でも時間がたつと、不思議なことが起きます。

痛かった出来事に少しずつ距離ができて――

ある日、

自分から人に話して笑わせている。

人生、だいたい予定外。

もしかすると失敗とは、

熟成期間の長いコントなのかもしれません。

ただし笑い話になったからといって――

調子に乗って全国ツアーを始めないように(笑)。🤣