【第6章】歳をとるのも予定外
――大人になれば、もう少し大人になると思っていた。
【登場人物】
・男
・妻
・友人
男、テレビでマラソンを見る。
男:「人生も後半戦かぁ……」
妻:「そうね」
男:「若い頃みたいに走らず、これからはゆっくり行こう」
妻:「第26話からずっと言ってるわよ」
男:
「今度こそ本気だ」
翌朝。
友人:「面白い仕事があるんだけど」
男:
「やる!」
妻:「早い!」
別の友人:「一緒に企画やらない?」
男:
「やる!」
妻:「聞いてから返事して!」
さらに電話。
「新しいプロジェクトなんですが……」
男:
「それもやる!」
妻:
「もう走ってる!!」
数か月後。
男、パソコンを抱えながら電話。
「原稿は明日!」
別のスマホが鳴る。
「打ち合わせは午後!」
メールが届く。
「新企画!? 面白そう!」
妻:
「現役時代より忙しくない?」
男:
「おかしいな……後半戦なのに」
妻:
「前半より全力疾走してるわよ」
男、少し考える。
そしてニヤッ。
「分かった」
妻:「何が?」
男:
「前半戦は、ゴールを探して走ってた」
妻:「うん」
男:
「後半戦は――」
胸を張る。
「面白そうな方向へ走ってる!」
妻:「なるほどね」
ちょっといい空気。
……そこへ電話。
男:
「もしもし!……えっ、新しい企画!?」
ダッシュで部屋を飛び出す。
妻:
「ちょっと! どこ行くの!?」
男、遠くから――
「分からーん! 面白そうだからー!!」
妻:
「せめて行き先くらい聞いてから走れー!!」
いかがでしたか?笑っていただけましたか?
人生の後半戦。
もっとゆっくり歩いている予定でした。
ところが――
新しい仕事。
新しい仲間。
新しい夢。
気づけば前半戦より走っている。
人生、だいたい予定外。
でも前半と一つ違うことがあります。
昔は「どこへ行けば正解か」を考えて走っていました。
今は――
「面白そう!」だけで走り出す(笑)。
そして最近、ようやく分かりました。
人生後半戦で必要なのは、ブレーキではありません。
……妻です。🤣
