【第6章】歳をとるのも予定外

――大人になれば、もう少し大人になると思っていた。

【登場人物】

・男(65歳)

・妻

男、昔の人生計画を眺める。

男:「おかしいなぁ……」

妻:「どうしたの?」

男:「65歳になったら、落ち着いた大人になっている予定だったんだ」

妻:「で、今は?」

男:「会社を始めた!」

妻:「うん」

男:「本も出したい!」

妻:「うん」

男:「映画も作りたい!」

妻:「落ち着く気、ゼロね」

男:「でも、もう65歳だぞ」

妻:「だから?」

男:「そろそろ年相応に……」

妻:「何するの?」

男、少し考える。

「新しいことを始める!」

妻:「話、聞いてた?」

翌朝。

男、パソコンに向かって大興奮。

男:「すごいアイデアを思いついた!」

妻:「今度は何?」

男:

「65歳からの起業塾をつくる!」

妻:「自分が入るの?」

男:

「いや、教える側!」

妻:「あなた、起業したばかりでしょ!」

男:

「だから新鮮な情報を教えられる!」

妻:「で、何歳まで働くつもり?」

男:

「とりあえず100歳!」

妻:「落ち着くのは?」

男、真剣な顔で答える。

「101歳から!」

妻:

「老後がどんどん逃げていく!!」



いかがでしたか?笑っていただけましたか?

若い頃は、65歳になれば立派な大人になっていると思っていました。

ところが、いざその歳になると――

やりたいことが、まだまだ増える。

人生、だいたい予定外。

年齢は65歳。

好奇心は新入社員。

定年を迎えたのは、落ち着く予定だけでした(笑)。