【第4章】お金の予定は特によく狂う

――入る予定より、出る予定のほうが仕事が早い。

【登場人物】
・男
・妻
・店員

ショッピングモール。

妻:「本当に入るの?」

男:「見るだけだから」

妻:「この前も聞いた」

男:「今日は買わない!」


店に入る。

男:「へぇ、これ新製品か」

店員:「よかったらお試しください」

男:「いやいや、見るだけなので」

試す。

男:

「……いいな」

妻:「危険信号」

店員:「今なら20%OFFです」

男:「でも買いません」

店員:「最後の一個です」

男:

「…………」

妻:「耐えて!」

店員:

「今日までです」

男:

「袋ください」

妻:

「早っ!!」


店を出る。

妻:「見るだけじゃなかったの?」

男、紙袋を見つめる。

「見るだけだったよ」

妻:「じゃあ、それ何?」

男:

「見た記念品」

妻:「いくら?」

男:

「聞かないで。思い出が汚れる」


帰宅。

男:「今月こそ貯金するつもりだったのになぁ」

妻:

「昨日の第16話、もう忘れたの?」




いかがでしたか?笑っていただけましたか?

「見るだけだから」

この言葉を発した時点で、たぶん半分負けています。

新製品。
20%OFF。
最後の一個。

そして最強の刺客――

「今日までです」

人生、だいたい予定外。

財布にとって「見るだけ」とは、

購入前の儀式です(笑)。