【第3章】仕事は想定外でできている

――仕事とは、予定していなかった仕事をすること。

【登場人物】
・男
・上司
・妻

上司:「悪い。これ、やってくれない?」

男:「え?」

上司:「担当が急に休んじゃって」

男:「でも僕、やったことありませんよ」

上司:

「だから頼んだ」

男:「理由になってません!」


仕方なく始める。

最初は失敗。

次も失敗。

ところが――

男:「……あれ?」

工夫してみる。

うまくいく。

さらに工夫する。

もっと面白くなる。

男:

「これ……楽しいかも」


数年後。

妻:「結局、その仕事ずっと続けてるわね」

男:「うん」

妻:「昔からやりたかったの?」

男:

「全然」

妻:「じゃあ、どうして始めたの?」

男:

「担当が休んだから」

妻:「それが天職になったの?」

男:「そうみたい」

妻:「人生って分からないわね」

男、昔の予定表を見る。

もちろん、その仕事は載っていない。

男:

「天職って、予定表から来ないんだな」

妻:「じゃあ、どこから来るの?」

男、少し考える。

「だいたい『ちょっとお願い』から来る」

妻:

「前回から、その言葉に弱すぎるのよ!」




いかがでしたか?笑っていただけましたか?

天職というと、

「子どもの頃からの夢でした!」

……なんて話を想像します。

でも実際は、

「人がいなかったから」
「頼まれたから」
「なんとなく始めたから」

だったりする。

人生、だいたい予定外。

もしかすると天職とは、

自分で探す仕事ではなく、向こうから勝手に配属されてくる仕事なのかもしれません(笑)。